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善悪という怪物: それは脳で繁殖し、人を支配し、世界を破壊する – 人は善悪を使って自身を騙す

評価・レビュー ☆3/5 善悪という概念が人間に錯覚を起こし、それに支配されているという内容。 言ってしまえば、人間は都合よく善悪を使い分け、逆に善悪に踊らされてるって感じです。 自分自身を騙しているという表現の方が正し… 続きを読む »

[新装版]全訳「武経七書」3 六韜 三略 – 柔よく剛を制し、弱よく強を制す

評価・レビュー ☆5/5 六韜は太公望と周の文王・武王とのやり取り、三略は太公望が書き神仙の黄石公が選録した兵法書です。 六韜は具体的な軍の編成や戦術の話が多く、三略は戦略や治世の全体的まとめ的な感じかなと。 どちらも初… 続きを読む »

道徳の系譜学 – 人間は何も意欲しないよりは、むしろ虚無を意欲することを望むものである

評価・レビュー ☆5/5 当時の宗教的な道徳や善の価値観をぶち壊しつつ、奴隷階級から生まれた善の概念をルサンチマンとして一刀両断するなど、善という概念に対するアンチテーゼを投げかけるといった内容。 著者のニーチェは「神は… 続きを読む »

さいはての彼女 – 肩書きを失ってみて初めて、私は個人である自分を意識した

評価・レビュー ☆5/5 様々な要因で人生に立ち止まってしまった主人公が旅などを通して、再び歩き始め、人生が動き出すという物語の短編集。 主人公はすべて女性なので、女性の方は共感できる部分も多いかなと。 また、死語ですが… 続きを読む »

チーズはどこへ消えた? – 自分が変わるには、自らの愚かさをあざ笑うことだ

評価・レビュー ☆5/5 迷路の世界の住人 2匹のネズミと2人の小人は、迷路を探索して大好きなチーズを見つける。大量にあったチーズだったが、ある日チーズが無くなってしまうのだった。そして、 2匹のネズミと2人の小人はそれ… 続きを読む »

夏の終わりに君が死ねば完璧だったから – タイトルは一体誰の言葉なのか?

評価・レビュー ☆5/5 田舎の村で希望を失くしていた少年 江都日向は、身体が徐々に金塊に変わる”金塊病”の患者を収容しているサナトリウムの患者 女子大生 都村弥子と偶然出会い、都村弥子から自身の… 続きを読む »

賢者の書 「わかったものを受け入れる、わからないものは受け入れられないと考えるのではなく、まずは受け入れるのだ」

評価・レビュー ☆5/5 仕事も私生活も上手く行かず悩んでいたアレックスは、周りの雑音から抜け出し一人で考えたいと思い故郷で思い出のある公園に向かった。そこで賢者になるための旅をしているという少年 サイードに出会う。サイ… 続きを読む »

手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~「あなたには、もっともっと他の人が欲しがる魅力がたくさんあるのです」

評価・レビュー ☆5/5 就職活動で悩んでいた主人公が、いつも通っている書斎カフェ「書楽」で、手紙を10通やり取りすることで人生が変わる「手紙屋」というポスターを見つけ、半信半疑ながらも手紙を送ったことで人生が大きく変わ… 続きを読む »

社会契約論/ジュネーヴ草稿「世襲による貴族政は、あらゆる政府の中でも最悪のものである」

評価・レビュー ☆5/5 フランス革命をはじめ、主権は国民にあるという考え方の基礎となった著作。 読みやすい翻訳と解説があって、かなり理解しやすかったです。 以下は本書から引用しながら、個人的に思ったことなどのメモ。 君… 続きを読む »

小説 OFF 猟奇犯罪分析官・中島保 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 – 人間はみんな無色透明で生まれてくる

評価・レビュー ☆5/5 猟奇殺人事件に遭遇したことで見習いカウンセラーになった中島保は、犯罪者が再犯を試みた時に、それを抑制する方法として、脳の一部に外部から腫瘍を作る方法を研究していた。自身も実験台になり、いざ実際に… 続きを読む »

小説 運転者 未来を変える過去からの使者 – 自分は運が悪いと思っている人にこそ読んで欲しい

評価・レビュー ☆5/5 急な多数の保険解約によって窮地に立たされていた保険営業の修一は、家族のこともあり、何とか挽回しようともがいていたが上手く行かず、不機嫌な日々を送っていたのだが、ふと乗ったタクシーによって、人生が… 続きを読む »

永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 感想と言葉のメモ

評価・レビュー ☆5/5 人によって感じ方は様々だと思いますが、個人的な感覚としては、自分とは出発点が違ったこともあって、その点がいろいろと気になってしまいました。 当時の状況を考えれば、科学的な情報が少ないということも… 続きを読む »

市民政府論「統治者が本気になって国民の利益を計り、国民とその法を併せて保全しようとするなら、国民は必ずやそれを目で捉え、感じ取るはずである。」

評価・レビュー ☆5/5 国家は民のために存在しています。 日本に住み生きていれば、今でこそ当たり前のように感じることかもしれません。 ただ、ジョン・ロックが生きた1600年代では、そんなことを考える人の方が少数派でもあ… 続きを読む »

時間は存在しない「この世界は物ではなく、出来事の集まりなのである。」

評価・レビュー ☆5/5 時間とは何かについて、最新の物理学から紐解いていくという内容です。 驚くべき点は全編を通して数式が1つ、それも超シンプルな数式しか出てこないこと。 ですので、数式が苦手な方でもとても読みやすいの… 続きを読む »

神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り「何でも上手くいく人は、未来の自分で今を生きている」

評価・レビュー ☆5/5 成功するには、 現実(未来)=目的地×手段×メンタル が大切で、そのためのメンタル作りの本という感じ。 何が起きても動じない心というよりも、ちゃんと目的を見据えて行動し、それを継続するためのやり… 続きを読む »

人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス 感想「さて、だれもが平和主義者になるまで、あとどのくらい待たねばならないのでしょうか」

評価・レビュー ☆5/5 アインシュタインの書簡へのフロイトからの返信と、喪とメランコリー、精神分析入門・続の2講義を収録。 やはりメインは、「人はなぜ戦争をするのか」についてのフロイトの分析や考え方、視点かなと思います… 続きを読む »

論理哲学論考 感想とレビュー「語ることができないことについては、沈黙するしかない。」

評価・レビュー ☆5/5 ヴィトゲンシュタインによる「論理哲学論考」は、20世紀に新たな哲学の世界を生み出したものの、かなり難解で、捉え方も人それぞれのようです。 特徴的なのは、文章ではあるものの箇条書きに近い感じで、そ… 続きを読む »

ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために 感想とメモ

評価・レビュー ☆5/5 個人的にずっと考えていたことがかなり書かれていて、共感できました。 内容をざっくりいうと、「短期的な利益に惑わされず自分の目標に向かって一歩一歩進んで行けばゴールに着く」という感じ。 個人的に大… 続きを読む »

老子・荘子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 – 自分らしく生きるという価値観の源流なのかも

評価・レビュー ☆5/5 老子・荘子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典は中国諸子百家の老子と荘子を取り上げた初心者向けの本。老子は全体の約半分、荘子はほぼ十分の一程度ですが、時代背景やそれぞれについての解説もあり、老… 続きを読む »

墨子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 – 非攻という考え方は現代にこそ必要ではないか

評価・レビュー ☆5/5 墨子(墨翟:ぼくてき)の言葉をとてもわかりやすくまとめた書籍。非常に読みやすくスラスラと読めるのが特徴です。 網羅的というよりは全体感を掴むのにとても良いと思いました。 ビギナーズ・クラシックス… 続きを読む »

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム – ベンチャーやそれに関わる人に読んで欲しい

評価・レビュー ☆5/5 イノベーションのジレンマを記したクレイトン・クリステンセン氏によるイノベーションを予測して起こすための理論というか、考え方をまとめた書籍。 人は 「片づけるべき仕事(ジョブ)のためにAを雇用(ハ… 続きを読む »

意識して笑おう – アラン 幸福論の名言から考える

アラン 幸福論 (岩波文庫)を読んで、感情について考えたことを、つらつらと書いていきます。 アランは楽観主義者として知られていますが、その実践に当たって、微笑むことを重要視しています。例えば、幸福論の中では、 君がほほ笑… 続きを読む »

 今を生きる大切さ – アラン 幸福論の名言から考える

アラン 幸福論 (岩波文庫)を読んで今を生きる大切さについて考えたことを、つらつらと書いていきます。 アランの幸福論から、過去と未来に対する考え方が面白かったので引用。 われわれが耐えねばならないのは現在だけである。過去… 続きを読む »

幸福になる方法 – アラン 幸福論の名言から考える

アラン 幸福論 (岩波文庫)を読んで幸福になる方法について感じたことを、つらつらと書いていきます。 不幸になるのは何もむずかしくない まずはいくつかアランの幸福に関する言葉を紹介します。 不幸になるのは何もむずかしくない… 続きを読む »

なぜ社会は良くならないのか? – アラン 幸福論の名言から考える

アラン 幸福論 (岩波文庫)を読んで理想的な社会について考えたことを、つらつらと書いていきます。 もっとも賢い人がもっとも巧みに自分をだますことが多い。 もっとも賢い人がもっとも巧みに自分をだますことが多い。自分の大げさ… 続きを読む »

重要なのは当事者なのか、LGBTQ法案なのか – アラン 幸福論の名言から考える

アラン 幸福論 (岩波文庫)を読んで『行動すること』について感じたことを、つらつらと書いていきます。 行動の力は思いのままに自己を正当化してしまう。 行動の力は思いのままに自己を正当化してしまう。なぜなら、この力は心のあ… 続きを読む »

痛みは教育に必要か? – アラン 幸福論の名言から考える

アラン 幸福論 (岩波文庫)を読んで会社組織について感じたことを、つらつらと書いていきます。 現在だけの苦しみなんて無にひとしい 現在だけの苦しみなんて無にひとしい。われわれは痛みを苦しむことよりも痛みを恐れる気持ちの方… 続きを読む »

喜びを蓄える方法 – アラン 幸福論の名言から考える

アラン 幸福論 (岩波文庫)を読んで喜びを蓄える方法について感じたことを、つらつらと書いていきます。 どうしてもよろこびが欲しいというならば、まずよろこびを蓄えておきたまえ。 どうしてもよろこびが欲しいというならば、まず… 続きを読む »

 幸福とは何か? – アラン 幸福論の名言から考える

アラン 幸福論 (岩波文庫)を読んで幸福について感じたことを、つらつらと書いていきます。 人は、棚からぼたのように落ちてきた幸福はあまり好まない。 人は、棚からぼたのように落ちてきた幸福はあまり好まない。自分でつくった幸… 続きを読む »

やらされ仕事はモチベが上がりにくい – アラン 幸福論の名言から考える

アラン 幸福論 (岩波文庫)を読んで会社組織について感じたことを、つらつらと書いていきます。 仕事というのはすべて、自分が支配者であるかぎりはおもしろいが、支配されるようになると、おもしろくない。 仕事というのはすべて、… 続きを読む »

退屈(閉塞感)が戦争を生むのでは? – アラン 幸福論の名言から考える

アラン 幸福論 (岩波文庫)を読んで戦争について感じたことを、つらつらと書いていきます。 幻影を追い求めているあの人たちは、最後にはかならずわれわれを戦争へとみちびくことになる。 幻影を追い求めているあの人たちは、最後に… 続きを読む »

菜根譚 (岩波文庫) – 欲や俗世を捨てることがメインだが、心構えなどは現代に通じるところもある

評価・レビュー ☆4/5 全体的に欲や俗世を捨てることを最上としていて、書かれているようなことを実践するのは、現実的には難しいだろうなとは感じました。そもそも論として、山の中に隠棲したとして、どうやって生きていくのか?と… 続きを読む »

鋼の自己肯定感 – 自己肯定感を高めたい意識高い系の人でガツガツと行動できる人向けの本

評価・レビュー ☆4/5 文章からも、筆者本人の自己肯定感の強さを感じることができ、意識高い系の人でガツガツと行動できる人向けの本かなと思いました。 ☆4にした理由が、終盤でスピリチュアルな感じの内容が出てくるため。言わ… 続きを読む »

「やりたいけど無理」にさようなら – アラフォーでも挑戦できるようになる!

評価・レビュー ☆4/5 やってみたかったことがあるけれど、あきらめた人や、今やりたいことがあるけれど、挑戦するのは難しいと思っている人におすすめの一冊。 著者はアラフォーにして通信制の芸術大学入学を決意し、仕事や育児と… 続きを読む »

好き好き大好き超愛してる。 – 舞城節がありつつ、純文学の装飾へのアンチテーゼ的な作品なのかなと

評価・レビュー ☆4/5 小説家 治と病で亡くなってしまう柿緒の恋愛を、主に治視点で描いた小説。単純に2人の物語ではなく、パートごとに、SFのような小説(たぶん、治が書いたもの?)が挿入されているのが特徴です。 第131… 続きを読む »

恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション – クオリティは一定以上の良作短編ホラー集

評価・レビュー ☆4/5 角川ホラー文庫から、傑作短編を集めたオムニバス。収録されている作品は、 です。 個人的に小林泰三先生の人獣細工は以前読んでおり、懐かしさもあって、読んでみました。 短編集ということもあって、全体… 続きを読む »

贖罪の奏鳴曲 御子柴礼司 – 鉄壁のアリバイに守られた弁護士の罪と殺人事件の真相とは?

評価・レビュー ☆5/5 激しい雨の晩に誰にも見られず死体を川に捨てた弁護士 御子柴礼司であったが、後ろ暗い過去があり、優秀な刑事によってすぐに御子柴礼司へ容疑がかかってしまう。しかし、御子柴礼司には鉄壁のアリバイがあっ… 続きを読む »

イェール大学人気講義 天才 ~その「隠れた習慣」を解き明かす – 天才の定義が変わった本

評価・レビュー ☆5/5 イエール大学の天才をテーマにした講義の書籍化。過去、天才と呼ばれた人々のエピソードを様々な角度から分類し、天才の傾向を探るという内容です。 目次は、 という感じ。 で、かなりの分量があるので、結… 続きを読む »

超訳マンガ×オチがすごい文豪ミステリー – 原作を読むきっかけとしても良いオムニバスマンガ

評価・レビュー ☆4/5 オチが面白い名作短編をマンガ化したオムニバス作品。収録作品は、 です。 個人的に半分ぐらいは原作を読んだことがあったのですが、知らない話も多くて、非常に楽しめました。 オチとしては大どんでん返し… 続きを読む »

悪魔公女 – 体は子ども心は悪魔、人々から聖女と崇められる物語

評価・レビュー ☆4/5 悪魔公女が生まれるまでの物語を描いたファンタジー小説。最初はスライム的なものから始まり、その後悪魔として成長、そして人間へ転生し、聖女と呼ばれるまでが描かれています。続刊あり。 とりあえず、Ki… 続きを読む »

殺戮にいたる病 – 事前に調べずに読んで欲しいサスペンス・ホラーの傑作

評価・レビュー ☆5/5 女性をターゲットにした猟奇的連続殺人事件を犯人 蒲生稔、元刑事 樋口や関係者の視点で追ったサスペンス・ホラー。 今しがた読み終わったのですが、カタルシスというか、呆然感が半端ない傑作でした。 結… 続きを読む »

その可能性はすでに考えた – 奇蹟を証明するために様々な仮説をぶつけてくる論客を迎え撃つ探偵の話

評価・レビュー ☆4/5 山奥で暮らすカルト宗教団体が集団自殺し、その唯一の生存者である少女は、首を斬られた少年に助けられたという記憶があった。首無し聖人伝説のような少女の記憶は正しいのか、それとも事件の真相は別にあるの… 続きを読む »