マンガ ラジエーションハウス 診療放射線技師と放射線科医という斬新な切り口と新しい知識、世界を楽しめる作品

投稿者: | 2022年6月15日

評価・レビュー

☆5/5

面白くて一気に発売されているコミックスを読んでしまいました。医療系というと、例えばブラックジャックによろしく、コウノドリなど結構ヘビーな内容が多いですが、本作は結構ライトでサクサク読めるのが特徴かなと思います。

新しい切り口

まずテーマとして診療放射線技師と放射線科医というのが斬新。診療放射線技師はレントゲンやCT、MRIなどの画像を撮影する職業。放射線科医はそれらの画像から診断をするという役割。

で、医療系マンガよろしく、放射線科医が見逃した診断をスーパー診療放射線技師(実は医師免許も持っている)である主人公 五十嵐唯織が、様々な手法で見つけるみたいな話。

こういう新しい設定はこれまで知らなかった世界や知識がてんこ盛りということもあって、毎回ワクワクしながら読めます。

そこにラブコメ要素や人間ドラマも入って、それらが良い箸休め的な感じになっていて、バランスが丁度よい感じです。

話としては

診療放射線技師・五十嵐唯織。CTやMRIを撮る腕は超一流だがコミュ障の彼は、憧れの幼馴染・甘春杏が放射線科医として勤める病院に採用される。そこで、彼女を技師として支えようとする唯織だが…!? 視えない病を診つけ出す、画像診断医療コミック開幕!!

ラジエーションハウス

原作は横幕智裕先生、作画はモリタイシ先生。2015年から連載開始。2022年6月現在連載中。

ドラマもなかなか

元々本作を読もうかなと思ったのはドラマが人気のようだったので、原作から読んでみようかなと手に取りました。

ドラマの方は結構原作と違うところもありますが、ドラマらしいテイストになっていて、それはそれで面白いなと思いました。

グランドジャンプで2話までWebで読めます

Amazonの試し読みは1話までですが、グランドジャンプの公式サイトでは2話まで無料で読めます。

ラジエーションハウス[漫画公式サイト/最新情報・試し読み]|集英社グランドジャンプ公式サイト

気になる方はぜひ。


福島原発事故と放射脳

東日本大震災によって福島原発は事故を起こし放射性物質を放出。人が住めない地域ができてしまいました。

学校の教科書でチェルノブイリ原発事故を学び、それはロシアのことで日本は関係ないと思っていましたが、それは間違いで多くの人が原子力発電について改めて考える契機となりました。

当時は本当に情報が錯綜し、間違った情報やデマが飛び交い、冷静になって振り返ってみると本当に酷い状態だったなと。

福島原発事故か11年経過しましたが、当時騒がれていたような放射能に寄る病気の急増は起きていません。放射脳なんて言葉もありましたね。

あの時、散々煽りに煽りまくった人達は、今一体何を考えているのかなと思うことがしばしばあります。近年では煽り運転が処罰されるようになりました。命の危険などもあるためです。

であるならば、命に関わるような煽り情報や間違った情報、デマも処罰されて然るべきなのでは?と個人的には思います。コロナウイルスでも本当に酷かったですからね。

本作でもレントゲンやCTによって放射線を浴びることを過度に危険と感じている人達が登場します。放射線はまったく健康に影響がないわけではありませんが、過敏に反応するようなものでもありません。正しい知識を持てば、その有用性を理解できますし、福島原発事故の時のような風評被害も出なかったかなと思っています。

そういう意味で本作は多くの人に読んでほしい作品です。

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