常に未来が見えている主人公の話 小説・設定ネタ

投稿者: | 2021年9月30日

サイド・エフェクトのようにちょっと先の未来が見えていて、それを変えることができるというのは、良くある話なんだけど、未来が全部見えていて、それの通りにしか行動ができないというのもホラーっぽくて面白そう。

ファイナルディスティネーションのように、最終的な結果が同じということではなくて、例えば右に曲がるという未来が合ったとして、直進しようとすると、左から人に押されるなど、どうやっても右にしかいけなくなる。不自然なぐらいに、強制的に。

で、人間って実は考えているようで、強制力で動かされている的な。アカシックレコード系の話に近いかな。

書き出し

ずっと考えていたことがある。
それは、人類にとって永遠の命題であり、今だ解けない問いである。
人は、どこから来て、どこへ行くのか?
僕は、一体、何を成したいのか?
いつも考えている。ふとした瞬間に、脳をよぎる。
僕は、何になりたいのか?
何を求めているのか?
世界一のお金持ちになったら、僕は満足なんだろうか。
少なくとも、今よりは楽しい、幸せな生活が送れるだろう。
だからきっとお金はいっぱい欲しいのだ。
で、僕は満たされるはずなんだ。
きっと。
世界一美しい女性と付き合ったら、僕は満足なんだろうか。
少なくとも、今よりは毎日の予定が埋まるだろうし、土日は休む暇がないかもしれない。
だからきっと彼女は欲しいのだ。
で、僕は満たされるはずなんだ。
一日中ゲームをしていたら、一生ゲームをしていたら、僕は満足なんだろうか。
少なくとも今よりはネットに友達ができるだろうし、脳の疲労も大きいだろう。
だから、僕はずっとゲームをしていたいのだ。
で、僕は満たされるはずなんだ。
わかりきっていること。
誰もが知っていること。
人には欲望があって、それを満たすために人は生きている。
そして、その欲望を満たしたら、人は何をするんだろう。
お金持ちになって、世界一かわいい彼女を連れて、暇があれば大好きなゲームをする生活。満たされた生活。幸せな生活。
で、満たされた僕は、何をするんだろう。
コップに満たされた水に、さらに水を注ぐと、コップから溢れる。
なぜ、コップから、水が溢れるのだろう。
溢れたら、もう元には戻らない。
それは、死を意味するのだろうか。
ならば、僕たちはコップの水を満たして、死ぬことを目的としているのだろうか。
結局、どんな人生であっても、僕たちは死を目指して生きているのだろう。
そして、その死の先に、一体何があるのだろうか。
人は、どこから来て、どこへ行くのか。
死の先に何が待っているんだろう。
それは個体として未来なのか、それとも人類にという種としての未来なのか。
お金持ちも、かわいい彼女も、ネットの友達も、みんなが人の行く末のための歯車だとしたら、結局、どんな人生であっても、意味はないのかもしれない。
いや、意味はあるのだろう。ただ、意味を理解していないだけか、意味を見出そうとしているだけか。
僕は、今だに意味を見出せていない。
周りのみんなほど、人生に対して真面目に向き合っていない。
だから、みんなすごいと思う。
何かをしたいという欲望があることが。
僕は、今だに何をしていても、その欲望に意味を見つけることができていない。
そう、まるでダイスをただ振り続けているような生き方。それが今までの僕の人生だ。

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