エイムアシスト問題の本質と緩和策 勝率データの公開

投稿者: | 2021年6月11日

FPSやTPS系のゲーム(APEXなど)で度々話題にになるエイムアシスト問題の個人的な考察です。エイムアシスト問題の本質はどこにあるのでしょうか?

エイムアシスト問題とは?

そもそもエイムアシスト問題とは、コントローラー(Padと言われる)のプレイヤーにはエイムアシスト機能があり、キーボードとマウス(キーマウ)のプレイヤーにはエイムアシストが無いことから、エイムアシストの有無で実力差が出るということが発端です。

そもそもキーマウに比べてPadは繊細に照準を合わせにくいことから、エイムアシスト機能が付けられました。

このエイムアシスト機能が効きすぎるとPad側プレイヤーが有利となり、逆にエイムアシスト機能の効果が低いとキーマウ側プレイヤーが有利と言われています。

そのため、エイムアシスト機能の程度問題、またはエイムアシスト機能の有無で度々議論になっています。

エイムアシスト問題の本質は何か?

ではエイムアシスト機能の本質、つまりなぜエイムアシスト機能の有無が議論されるのでしょうか?

それは前述したようにエイムアシスト機能の強弱によって、Pad側プレイヤーとキーマウ側プレイヤーの勝率が変わるからです。

エイムアシスト機能の有無については、本人の努力でなんとかすべきだとか、プレイヤースキルの問題だとか、キャラクターコントロール(キャラコン)の違いがあるから当然だとか、Pad側プレイヤーの視点とキーマウ側プレイヤーの視点が違うなど、まあいろいろな意見が飛び交っています。

しかし、その根底にあるのは楽して勝ちたいという意思です。

つまり、エイムアシスト問題の本質は勝てるか勝てないかという話で、エイムアシストの強弱は表面上の議論なのです。ぶっちゃけエイムアシスト機能がめっちゃ効いててもキーマウ側プレイヤーの勝率が高ければ文句は言わないでしょう。逆に、Pad側も勝率が高ければエイムアシスト機能をもっと強化してくれとは言わないでしょう。

この本質を取り違えると、議論はずっと平行線になります。というか、ずっと平行線のままです。

エイムアシスト問題はなぜ起きるのか?

まずPadとキーマウの両方によるプレイングを許している限り、この問題は永遠に解決しません。

なぜならば先程述べたようにエイムアシスト問題の本質は勝てるか勝てないかであって、エイムアシスト機能の有無なんて本当はどうでも良いからです。

そもそも論として、勝率を上げたいならば、Pad側が有利の時はPadを使い、キーマウ側が有利の時はキーマウでプレイするのが正しい戦略です。わざわざ不利な方法で戦う必要はないのです。

本来勝つための努力とは勝つためにあらゆる手段を講じることであり、Padやキーマウに固執することではありません。

恋愛の話に置き換えるとわかりやすいですが、どうしても付き合いたい人がディズニーランド好きなら、ディズニーランド嫌いでもディズニーランドにデートに行くでしょ? 頑なに拒否しますか? ディズニーランドにトラウマがあるならともかく、普通はディズニーランド行くでしょう。まったく興味なくても。

Padやキーマウについても同様です。本来なら勝てる最良の方法を選ぶべきなのです。ではなぜPadやキーマウに固執するのでしょうか?

これは人間の本質的なところで、人間というのは変化を恐れる生き物なのです。全員ではありませんが、多くの人が自分の環境を変えることを拒否する傾向にあります。これが歳を取るとさらに強くなり、老害と言われたりすることもあります。

何が言いたいかというと、自分の環境を変えずに楽して勝ちたいという意思(思い)がエイムアシスト問題を生んでいるのです。これは人間の本質的な部分で良い悪いという話ではありません。そういうものなのです。

エイムアシスト問題を解決できるか?

エイムアシスト問題の解決策は1つしかありません。Padかキーマウのどちらか一方に操作方法を統一することです。

しかし、現実問題としてこれは難しいと言わざるを得ません。

というのも、ゲームのプロ化が進みTPSやFPS系はキーマウが主流になっています。なら、キーマウに統一すれば良いじゃないか?という意見もあると思いますが、裾野を広げるにはコンシューマ機のプレイヤー参加が欠かせないのです。プレイヤー人口が少ないとゲームとして衰退していきます。ですので、コンシューマ機のプレイヤーが必要になり、コンシューマ機のプレイヤーはPadが多いので、どうしてもクロスプラットフォームだとPadとキーマウの混在環境になってしまうのです。

ここまでは様々な議論で到達しているところかなと思います。ここからが個人的な意見です。

これまで述べたようにPadとキーマウはそのゲームを盛り上げていくために必要と言えます。また、エイムアシスト機能も個人的には必要だと考えているので、エイムアシスト問題は解決ができないでしょう。しかし問題を緩和することは可能だと思っています。

解決はできないが勝率データ公開で緩和はできる

個人的にですが、エイムアシスト問題を緩和する方法は勝率データの公開だと考えています。

勝率データはできれば細かく公開した方が良いでしょう。ランクごとや地域ごとなど様々な視点から、Padとキーマウの勝率を公開することが重要かなと思います。

エイムアシスト問題の本質は勝てる勝てないの話と言いました。これは要約すれば勝てない理由をエイムアシスト機能に求めているのです。しかし、データが公開されれば勝てない理由がエイムアシスト機能にあるかどうかが一目瞭然になります。

どんなにエイムアシスト機能が効きすぎて勝てないと言っても、ボリュームゾーンのランクでキーマウ側の勝率が9割となっていたら、その人自身のスキルの問題ということがわかります。つまり、何も言えなくなるのです。

個人的には様々なデータを公開してほしいなと思っていますが、なかなか公開しているゲームは少ないです。

三国志大戦というアーケードゲームでは上位のみですが、使用数や勝率の高い武将のランキングを月1回公開しています。今は定期ではなくなってしまいましたが、三生というYoutubeの番組では勝率を口頭で教えてくれたりしました。三国志大戦も個人的にはもっと情報を公開してほしいなと思いますが、このレベルで情報がかなり公開されている方なのです。個人的にはそれが変わっていってほしいなと思っています。

なぜ勝率などのデータを公開しないのかはわかりませんが、今後プロ化が進んでいく上で、様々なデータを公開することでゲームのデータアナリストという職業も生まれる気がします。データアナリストがいるプロチームもありますが、自分のチームデータが主でそのゲームのデータアナリストではないんですよね。それが情報公開によってそのゲームのデータアナリストが誕生したら、ゲーム業界の新たな職種として確立するのではないかなと思います。

そんなわけで、もっとゲーム内の情報を公開してほしいなあというのが個人的結論です。