夢売るふたり 映画レビュー 売っていたのは誰の夢だったのか?

投稿者: | 2022年1月27日

評価

☆4/5

大人向けの心にじんわりくる映画。

地域で人気の小料理店を営む夫婦が火事で店を全焼。店を再び持つという夢のために頑張りはじめるが夫が浮気。それをきっかけに夢のために結婚詐欺をするという話。

主演は阿部サダヲさんと松たか子さん。情事のシーンなどがあるのでR15+指定。

演技派の俳優陣で固められ、どっぷりと世界観にハマれる良さがあるが、エンタメ作品ではないので、話は結構淡々と進んでいきます。ですので、好みは分かれるかも。

夫婦の心情を言葉だけではなく演技で表現しているので、それを感じることができれば面白く見れると思います。

個人的にはタイトルが秀逸だなあと感じました。

本作では結婚詐欺に結婚したいと思っている女性に夢を与えるという意味で使われています。その対価としてお金を貰うということで、夢売るふたりというタイトルになっているわけです。

ただ、最後まで見ると、このタイトルにもう1つの意味があることがわかります。

売っていたのは果たして誰の夢だったのか?

物語が進んでいくにしたがって、夫婦の間に様々な心情変化が起きてきます。現実でも実際にそうですよね。数年前の自分が思っていたこと、考えていたことと、今の自分が思っていること、考えていることって変わってきます。それはお金だけの話ではなく、様々な環境によって変化していくわけです。

そういう意味でお金だけじゃない人生にとって重要な何かをうまく描いている良作だと思います。


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