ドラマ ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子 本作はとても良い作品でした。ですから本作を面白いと思うべきだと判断した結果です

投稿者: | 2022年7月3日

評価・レビュー

☆5/5

主人公 藤堂比奈子(波瑠)が、刑事でありながら、感情がわからないサイコパス的な思考を持ち、殺人犯に異常な執着を持っているという設定が絶妙。そして、それを演じる波瑠さんの演技がとても良かったです。殺人事件を通して主人公はなぜ人は殺人を犯すのか、そのスイッチはどこにあるのか?というのがテーマなのかなと。

また、ハヤサカメンタルクリニックに勤務する心療内科医 中島 保を演じる林遣都さんの演技も非常に良かったです。特殊な心を持つ藤堂比奈子に対する理解や感情、そして自身が持つ危うさを美味く演じていると思いました。

最初TVerで3話まで観た後、続きが気になって一気観。非常に面白かったです。ジャンルとしてはサスペンスかな。

話としては

藤堂比奈子は警察学校を優秀な成績で卒業した新人刑事。一見明るく真面目な態度で勤務する彼女だが、心に深い闇を持っており、興味の対象は殺人犯が人を殺害する心の”スイッチ”は何かという疑問を解明すること。

個性豊かなメンバーと共に捜査をしていく内に、様々な性格を持った猟奇的犯罪者と対峙していく。はたして彼女の抱く疑問の答えは見つかるのか?

ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子 – Wikipedia

2016年放送のドラマで、原作は内藤了先生の小説 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子。

原作とは設定が少し異なるようで、原作好きの中では評価が別れているようですね。

スイッチのオン・オフ演出

藤堂比奈子は家を出る時にスイッチオンと言い、帰るとスイッチオフと言うことで自分自身の心の切り替えをしています。

これがタイトルONの意味でもあり、さらに殺人を犯す人のきっかけとなるスイッチのオンでもあります。

スイッチの切り替えなんて変という方もいるかもしれませんが、結構多くの人がスイッチの切り替えをしているんじゃないかなと個人的には思っています。

私の場合はスーツがありますね。やはりスーツ着てネクタイを締めると仕事モード的な心持ちになります。ある意味スイッチかなと。スポーツ選手ならユニフォームとかはあるかもしれませんね。

同じように殺人を犯してしまうスイッチが何かあるのでは?というのが本作のテーマでもあります。多くの人は相手を憎いと思っても実際に殺人を犯すことはありません。しかし、その一歩を踏み出してしまうには、何かしら要因があるのでは?というわけです。


ネタバレありの感想

まあネタバレというか、登場した時点で、ストーリーの流れ上、ああこの人犯人だなあとはわかるのですが、佐々木希さんがとても良かったですね。個人的にはいろいろと見た中では一番良かったんじゃないかなあと。

役柄がハマっていたというのもあると思います。こういう何を考えているかわからない役というのは、モデル系の人は合っているじゃないかなと。

でも、一番の見どころはやはり波留さんの演技ですね。心療内科医 中島 保と二人で話す時には素になるのですが、その時と普段の演技の演じ分けが素晴らしいだけでなく、普段の演技が微妙に嘘くさいのが絶妙なんですよね。表現が難しいな。

藤堂比奈子は感情がわからない人間で、普段は判断に基づいて演技をしています。具体的には同僚の死に対して、「仁美はとても良い子でした。ですから彼女の死を悲しいと思うべきだと判断した結果です。」と中島 保に話していることからもわかります。演出としての上手さもありますが、やはり波留さんの演技力をかなり感じますね。

波留さんは第5回コンフィデンスアワード・ドラマ賞 主演女優賞も獲っているので評価も高いことがわかります。

話もなかなかに面白かったですし、総じて大満足のドラマでした。

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