書籍「イノベーションのジレンマ」を読んだときに考えたことをつらつらと。
目次
イノベーションとは
そもそもイノベーションとは何でしょうか?
Wikipediaには、
イノベーション(英: innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般には新しい技術の発明を指すと誤解されているが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。
イノベーション – Wikipedia
と書いてあります。
新しい技術や製品、サービスなどによって新たな価値が生まれて状況が変わることという意味です。
近年のビジネスでは、イノベーションが重要と言われています。
イノベーションのジレンマの感想とレビュー
イノベーションのジレンマという本は、大きな企業になるとイノベーションが起こしにくくなり、新しい新興企業が産み出したイノベーションによって、大企業が市場を取られてしまうという例がいろいろと書かれている書籍です。また、それに対処するための方法についても提案がされています。
内容は非常にわかりやすく、また納得できる点が多いので、新しいものを生み出すことを考えている方は一度読んでみると面白いのではないかと思います。
単純にイノベーション、イノベーションと言っても、その本質を掴まなければ何がイノベーションなのか、わかりません。その本質が少しわかってくる本の1つだと思います。
レビューもかなり高いのもうなずける内容。
イノベーションという言葉自体、IT系のビジネスで話題になった言葉ということもあり、内容はIT系の話に偏っています。ですので、IT業界以外の方が読むと、あまりピンとこない点もあるかもしれません。IT業界の方なら、「ああ」とか、「はいはい」と頷きながら読んでしまうことが多いと思います。というか、自分はかなり納得しながら読むことができました。
イノベーションの起こし方
最後に、個人的にイノベーションのジレンマを読んでいて、イノベーションは人為的に起こすことができるのではないか?と思い、考えたことをメモしていこうと思います。
冒頭でも書いたように、イノベーションとは「新しいこと」に着目されることが多いです。
新技術、新サービス、新製品が注目されるのはそのためとも言えます。
それら「新しいこと」の中で、社会を変えるようなイノベーションを起こせるものはごくわずかです。
で、個人的にイノベーションが起きているものについていろいろと考えてみたところ、なんとなく共通点が見つかりました。
イノベーションが起きているものの共通点
それは、
現在の市場を奪うもの
という共通点です。
新しく広がったもののほとんどは、何か古いものを駆逐しています。それがイノベーションのジレンマでは大企業という形で表現されています。
イノベーションが起きるかどうかの判断基準
これを逆に考えると、新技術、新サービス、新製品が出たときに、それは現在ある市場を奪うものなのかを考えれば、その新技術、新サービス、新製品がイノベーションを起こす可能性があるかどうかがある程度判断できるのではないか?ということです。
これはたとえ素晴らしい技術であっても、現在の市場を奪うものでなければ、広がりにくくイノベーションが起こせないということです。今までにない生活スタイルを提供する新しいもが市場に定着しにくいのは、そのような理由からです。
つまり、今あるものの代替になるものがイノベーションを起こす可能性があるものなのかなと思います。
イノベーションを人為的に起こすために
実際に、自分たちが何か作るときに、これは現在あるxxの代替になるだろうか?と考えると、その製品やサービスの可能性が予測できるのではないかなと思います。
また、何か製品やサービスを作るときには、今までになかった製品やサービスを考えるのではなく、逆に今使われてる製品やサービスの市場を奪うようなものを考えると良いような気がします。
なぜ、大企業でイノベーションが起きないのか?
そして、まさにこれがジレンマなのですが、大手企業がイノベーションを起こしにくいのは、今自分たちが獲得している市場を奪う製品を作る必要があるからです。
大体はメインを1つの製品に絞り、改良版などのバリエーションを増やしていきます。メインの製品を2つにしてしまうと、自社製品で同じ市場を食い合いしてしまうからです。また、商品のイメージもあるので、複数の製品を出してしまうと、それぞれの製品のイメージが薄くなってしまい、消費者に認識されにくくなってしまいます。
また、スタンダードになった商品というのは、消費者のイメージがあります。急に全く異なった製品を出しても、受け入れられません。そうなると、必然的に大企業の製品は、今の製品の改良版を出すことになります。
結果として、大企業ではイノベーションを起こすような新製品や新サービスというのを生み出しにくくなってしまうのではないかと個人的に考えています。
大企業でイノベーションを起こすなら
逆に言えば、大企業でイノベーションを起こす場合、今ある市場とは別の市場に参入するというのが一番やりやすそうです。
いわゆる新プロジェクト的な話。
ただ、大企業における新プロジェクトというのは、基本的に失敗します。ほとんど成功例がありません。
それは、既存のビジネス市場を担当している社内勢力の社内での意見が強いため、新プロジェクトが排除されてしまうためです。
イノベーションを起こすような新製品や新サービスは、それほど簡単には生み出せないですし、市場に定着するのにも時間がかかります。すぐに広がるものもありますが、それはレアケースです。
また、当初の製品とは異なることも多々あります。例えば、Twitter。圧倒的な利用者がいますが、最初はつぶやきは、様々なサービスの1つでした。それをつぶやきに特化して一気に広がりました。
いわゆるピボットと言われているような感じです。それが、なかなか理解されにくいかなと思います。
また、新製品は既存ビジネスに比べれば圧倒的に売上も少ないので、社内での発言権を持てないことが多いです。そのためピボットしようとしても、うまくいかないことが多々あります。
そのあたりを解消できないと、大企業からイノベーションは起こせないかなと思います。