プロレスの隠されたルール・暗黙の了解

投稿者: | 2021年5月31日

プロレスには隠されたルール・暗黙の了解が存在します。これらのルール・暗黙の了解を知ることで、実はさらにプロレスが楽しめるというのもあります。

ここで紹介するのはあくまで個人的に感じていることです。どこかのルールブックに記載されているわけでもなく、誰かが言っているわけでもありません。ただ、プロレスを長く見ていると多くの人が感じることだと思います。

プロレスはターン制ストラテジーゲーム

基本的にはプロレスは一方的に攻撃し続けるということはありません。相手の技を受けて勝つという受けの美学という表現もありますが、個人的にはターン制ストラテジーゲームみたいなものだと思っています。

こちらが攻撃したら、次は相手のターンなので攻撃を受けないといけないという感じです。

そんなルールはありませんが、暗黙の了解的な部分があります。これが基本的なプロレスのルール・暗黙の了解です。

基本的にどちらのレスラーにも攻守が与えられるので、強いレスラーが勝つというのがベースにあります。

ある程度プロレスを見続けるとわかりますが、マッチアップした時点で誰が負けるのかがわかるようになってきます。

しかし、それだけではないのがプロレスです。

例外があるから勝敗が見えない

基本的には強いレスラーが勝つというのがプロレスですが、例外がいくつかあります。

その1つが急所攻撃です。急所攻撃はプロレスの中でも勝敗をひっくり返すギミックの1つで、急所攻撃を受けた後にまるめこんで終わることが多々あります。勝てなかったレスラーがヒールターンして急に勝てるようになるのは変ですよね。それを急所攻撃というギミックで補っています。

また、急所攻撃以外にもセコンドなどの乱入者によって勝敗が決まることもあります。これもギミックの1つです。

最近の例では2020年のEVIL選手のヒールターン後が典型的な例ですね。

参考 → なぜEVILはロスインゴを裏切ったのか? 個人的見解 | ネルログ

まあ、EVIL選手は弱くはないので、強さをさらに際立たせるために急所攻撃やセコンド乱入というギミックを使ったと言えます。

ほかにもたくさんの例外があり、例外があるからこそ、プロレスの攻防が面白いと言えます。

ロープに振られたら戻ってくる

プロレスのリングに張られているロープにはワイヤーが入っています。そのため、一般の人がロープに振られると最悪骨折します。それほどロープは硬いんです。

これはプロレスラーでも同様です。プロレスラーは鍛えているので、ロープをゴムのように使って戻ってきますが、戻ってくるのはプロレスラー自身の意思です。

冒頭でプロレスはターン制ストラテジーゲームに似ていると書きました。ロープに振られた後の攻防もまさにその攻守が入れ替わるタイミングでもあります。

逆に言えば、その攻防がプロレスの醍醐味の1つと言えます。

また、ルールや暗黙の了解なので、ロープに振られても戻ってこない場合もあります。それもまたプロレスの攻防の1つです。

必殺技は返せない

基本的にそれぞれのレスラーが持っている必殺技を決めたら勝ちます。いわゆるフィニッシャーです。

序盤は技の攻防がありますが、最終盤はどちらが必殺技を決めるかの攻防になります。

また、必殺技にも例外があります。それはタイトルマッチです。タイトルマッチの場合は例外として必殺技を受けても3カウント前に返して良いというルール・暗黙の了解があります。ただし、返したら自分の必殺技が決まっても1回は返されるので、それを踏まえた攻防が見どころになります。

負け役がいる

基本的にプロレスにおいてシングルマッチというのは重みがあります。シングルで負けるというは、プロラーの格付けが決まってしまうからです。ですのでシングルマッチというのは、大きな大会の最後に行われることがほとんどです。新人レスラーの場合はシリーズ中にシングルマッチが組まれることがありますが、基本的に新人レスラーは負けます。

ということで、シリーズ中はタッグマッチ(2人、3人、4人など)がメインで行われます。そして、タッグマッチではだいたい負ける人が決まっています。基本的には、一番弱い人だったり、落ち目の人だったり、ヘビーの中でやってるならジュニアの人だったりします。

ただ、これにも例外があります。つまり、シリーズ中のタッグマッチで負け役が勝つ場合があるということです。これはのちのちのシングルマッチやタイトルマッチへの布石になることがあります。ですので、シーズン中の対戦も面白いわけです。大番狂わせが起きたら、それだけでワクワクしますしね。

トップレスラーの勝敗は拮抗する

タイトルマッチを争うようなトップレスラーは勝敗が拮抗することが多いです。ですので、タイトルマッチの予想をする歳に過去の対戦成績がかなり参考になります。

もちろん例外もあります。たとえば、レインメーカーショックのように爆発的な人気が出た場合には、一方的に勝ち続けることもあるということです。それを踏まえた上で、今回も勝つのか?というのを予想するのがまたプロレスの楽しみでもあります。

また負け続けていたレスラーが、ようやくタイトルを獲ったりすると盛り上がりますよね。例えば、近年ではロスインゴの内藤哲也選手がいます。ロスインゴ前はベビーフェイスなのにブーイングを受けていましたし、オカダ選手にも全然勝てていませんでした。しかし、その後、IWGPも獲りましたし、二冠も獲りました。ファンとしてはめっちゃ盛り上がる展開です。負けていたからこそ、逆転の内藤というフレーズもピッタリとハマりましたね。

最後に

これらのプロレスの隠されたルールや暗黙の了解を八百長と言う人もいるかもしれません。ただ、個人的には例えばサッカーのオフサイドというルールとほぼ一緒かなと思っています。

プロレスの面白いところは、これらのルールや暗黙の了解を破っても良いという点です。ただ、破り続けてしまったら、それがスタンダードになってしまうため、面白みが無くなってしまいます。

たまに例外が起きるからこそ面白いですし、先が見えないからこそ、プロレスを見てしますんですよね。

ある意味、プロレスというのは終わりのないドラマみたいなものかなと思います。

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