ドラマ エル・プレシデンテ ~南米・チリ サッカー界の闇を知る男 FIFA汚職事件を題材にした少しマニアックな作品

投稿者: | 2022年6月14日

評価・レビュー

☆4/5

実際にあった2015年に起きたFIFA汚職事件を題材にしたドラマ。本作では汚職事件の中心人物の1人であったチリサッカー協会会長でセルヒオ・ハドゥエ氏が主人公です。

サッカーと言うと基本的には選手がメインのことが多いですが、本作は選手でも監督でも無くサッカー協会会長というのがとてもめずらしいですね。

ですので、ドラマとしてはちょっとマニアックな感じ。サッカー好きでも結構厳しいかも。個人的にもちょっと途中ダレ気味でした。ただ、全8話見終わって、いろいろと調べたらドラマへの理解も深まり面白い作品だったなと感じたので☆4という評価。かなり好みはでると思います。

Amazonオリジナル作品で日本語字幕だけでなく、吹き替え版(一部抜けてるけど)もあります。

話としては

チリの小さな町でサッカークラブの会長を務めるセルヒオ・ハドゥエは、思いがけずチリサッカー協会の会長に就任する。権力に酔った彼はサッカー界のドン、フリオ・グロンドーナの弟子となるが、同時にサッカー界最大の汚職を摘発し、南米サッカー連盟の全会長を刑務所に送り込みたいと目論むFBIの鍵となる。

エル・プレシデンテ ~南米・チリ サッカー界の闇を知る男

セルヒオ・ハドゥエ氏について

セルヒオ・ハドゥエ氏は実際に汚職について認め、アメリカに渡っています。アメリカにいるのはどうもFBIと何らかの取引をしたようです。詳細は公開されていませんが。また、FIFAからは永久追放されており、サッカー界へは復帰が難しい模様。

若干ネタバレですが

汚職事件には関わっていたものの、セルヒオ・ハドゥエ氏は2015年のコパ・アメリカの主催地をチリに誘致しています。さらにその年のコパ・アメリカはチリが初優勝してるんですよね。そういう意味では、チリサッカーに大きく貢献していると言えます。2022年現在でもニュースで取り上げられていることからも、注目されている人なんだろうなと。

話が分かりづらい

さてドラマの話に戻りまして、本作は過去と現在の話が入れ子になって進むので正直言うと結構分かりづらいです。

話が何十年というスパンなら良いですが、数年を行き来するので、見た目的な変化もありませんし、字幕に現在とか過去と出るだけなので、見逃すと混乱しがちです。

個人的には特に入れ子にせずに普通に進めてのも良かったのではないかなと。ある程度脚色しているとは言え、実話を元にしているのでストーリーに起伏をつけるために、話を複雑にしたのだと思いますが。

FIFAというか協会系の汚職が起きる理由

個人的に本作を見てよかったなと思ったのは、この手の協会系の汚職が起きる理由がなんとなく示唆されている点かなあと。

もちろんFIFAなどは放映権など莫大な利益を生んでいるので、その利益に群がっているというのはあります。

ただ、本作で個人的に興味深かったのは多くのサッカー選手よりもFIFAの会長などの役員の年収が多いという話。なんとなくですが、個人的にはちょっと違和感を感じました。

だって、コンテンツとなるサッカーを生み出しているのは選手たち。莫大な契約金の選手が1人いたとしても勝てるスポーツではなく、多くの選手がいるからこそサッカーのリーグは成り立っていますし、コンテンツとして成立しているわけです。

そんなサッカー選手たちよりもFIFAの人達が多く稼いでいるというのは、うーん、なんとなく寂しい感じがしますね。他者のコンテンツで自分たちは何もしてないわけですから。

これはFIFAだけの話ではないなあと。スポーツに限らず、xx協会そのものが、なんかね、ちょっとねという話です。ちゃんとした協会もいっぱいあるとは思いますが。

そんなわけで万人にはおすすめしにくいのですが、サッカー系のドラマでちょっと変わったドラマがみたいのであればおすすめです。

リンク