Detroit: Become Humanとは
Detroit: Become Human(デトロイト ビカム ヒューマン)とは、アンドロイドが普通に家電製品として使われている世界で、プレイヤーがアンドロイドとなり様々な選択をしてストーリーを進めていくアドベンチャーゲーム。
アンドロイドのグラフィックにはかなり凝っおり、表情がとても豊かなのが特徴です。
プレイ動画
実際にプレイしたときの動画です。はじめの感触はあまり良くなかったのですが、プレイ回数を重ねるたびに面白くなっていくタイプ。
良かった点
まず世界観が素晴らしいです。グラフィックも相まってアンドロイドへの感情移入がしやすいのがとても良かったです。
アンドロイドはモーションキャプチャーでリアルな俳優陣が行っており、とても表情が豊かでリアルな感じが伝わってきます。
本作は3体のアンドロイドを交互にプレイしていきながらストーリーが進んでいくタイプで、それぞれのアンドロイドごとに音楽のテイストがかなり異なり、うまく世界観を表現していると感じました。
ストーリーのフローチャートがあり、全世界で何%がその選択をしたのかが表示されるのは個人的に良かったです。
また回数を重ねていくごとに深みにハマっていくタイプで、最後の方は伏線も回収しながら、演出も凝っていると思いました。
詳しくはネタバレありの感想を別途書きましたので、興味のある方はご覧くださいませ。
悪かった点
やはり最初の導入が少しダルいです。この手のゲームは個人的に苦手なのもあって、ストーリーに入り込むまでに少し時間がかかりました。
また、没入感を高めるためにアンドロイドのアクション時にコントローラーを使っていろいろと操作するのですが、話がとぎれとぎれになったりします。そこも世界観に入り込むのに時間がかかった点かなと思います。
評価
☆5/5
正直、序盤だけプレイしただけだと☆3ぐらいです。最後までプレイしてはじめての評価できるゲームだと思いました。
とにかく最後までプレイして欲しい作品です。
ネタバレありの感想
以下、ネタバレがありますので未プレイの方は読まない方が楽しめると思います。
通しでプレイして一番印象に残っているのは、起動時のメニュー選択で出てくるアンドロイド クロエです。クロエがゲーム開始時にいろいろとしゃべる内容が変化します。様々な演出があった中で個人的に印象的だったのは2つ。
1つ目は、ゲームを本当にプレイしますか?しない方が良いのでは?みたいなことをしゃべった点。これまでいろいろなゲームをプレイしましたが、止めたほうが良いのでは?と提案されたのははじめてびっくりしました。これも世界観の演出として素晴らしいですね。
2つ目は、クリア後に私を解放してくれますか?と言い、解放するとメニュー画面に登場しなくなる点です。あまり気にしていなかったのですが、居なくなるとちょっとした喪失感があり、ああ上手い演出だなと思いました。アンドロイド(ゲーム内のキャラクター)とは言え、これまで常に存在し、居なくなることはないと思ったものが無くなると、こういう感じなんだなと。
またクロエの使い方として効果的だったのは、ストーリー終盤でクロエを撃つかどうかを迫られるシーンがあることです。これは撃てない。
クロエはゲーム開始時に話しかけてくるため、少しずつ親近感が湧いていきます。そのクロエを撃つかどうか?という選択を迫られた時は、正直やられた・・・と思いました。ストーリーの組み立てがうますぎです。一気にプレイした人は感じないと思いますが、ちょっとずつプレイした人はかなり精神にきたのでは無いでしょうか。
個人的に愛は計測できるか?〜時間ベースで愛を考えるで書いたように、接している時間というのは人間の感情に大きな影響を与えると考えています。本作ではそれを改めて実感しました。正直、このゲーム、クロエにはじまりクロエに終わるという感じ。
ゲーム内音楽がとても良いなと思ったのですが、クリア後に映像特典を観たら、3体それぞれのキャラクターごとに制作している人が違うという点も素晴らしかったです。金かかってるなというのもありますが、3人の異なるミュージシャンに曲を作ってもらうことで、アンドロイドの個性がかなり際立ちました。また、曲がそこまで主張しないのも良かったです。
テーマとしてはアンドロイドですが、奴隷問題や人種問題に重ねることができる内容で、そこも考えさせられました。本作で語られている内容はリアルな問題を参考に作っていると思います。そのため近年起きた黒人差別の暴動などが重なり、ストーリーにさらに深みが出ていると感じました。考えるきっかけとしても良い作品かなと思います。
これは個人的ですが、3回ぐらいプレイした後にアンドロイド感が自分の中に入ってきて、例えばドアを開けるときにドアを開けるという動作を意識することがありました。これまで無意識で行っていたことが急にシステマティックになる感覚です。これは新鮮な感覚で面白かったです。
一気にかきなぐった感じなので伝わりにくい点もあるかもしれませんが、とりあえず最後までプレイすることでいろいろと感じることができる傑作だと思います。