評価・レビュー
☆3/5
仕組まれたスキャンダルによって夫を失い人生を破壊された今宮沙織(木村多江)が、スキャンダルを仕組んだ人間たちをスキャンダルで地獄に落とし復讐するという物語。
復習ものはいろいろとありますが、週刊誌のスキャンダルという点にこだわっているのが、本作の特徴かなと思います。
昔に比べるとスキャンダルで芸能活動ができなくなってしまったり、政治活動ができなくなってしまったりするようなことが増えてきたような気もしていて、昨今は昔よりもスキャンダルのダメージが大きくなっているのかなと。
SNSによる炎上が大きな理由かもしれません。
悪どい人間に復讐するのは面白い
最初がどん底で這い上がっていくというのが面白い物語の作り方として定番です。
本作でも最初に主人公はスキャンダルのせいでどん底からはじまります。
で、もう1つの物語の法則として、勧善懲悪というのが定番であるわけです。
本作ではそれが悪どい人間への復讐ということ。
なので、物語のベースの段階で面白さはある程度保証されているわけです。
昔は完全な悪というのが存在して、それを倒すというのがわかりやすさではありましたが、現代ものの作品だと見方によっては本当に悪なのだろうか?と思えるようなことも増えてきました。
そのせいで悪という存在自体に揺らぎがではじめている印象です。
しかし、本作ではそもそも捏造したスキャンダルなので、相手が悪というのが明確。
なので、そんな悪どい人間を復讐で懲らしめるというのは普通に見ていて楽しめるかなと思いました。
終盤は賛否ありそう
定番の形まんまだと、それはそれで王道ではあるものの、似たような作品ばかりになってしまってつまらなくなってしまいます。
そこで本作では、真の復讐相手は誰だったのか?というのが移り変わっていくことで、面白さを引き出していくわけです。
で、このあたりの流れや、復讐を仕組んだ意味が若干弱めかなあというのが個人的な印象。
前半部分では悪を相手に復讐という面白さが、後半ではその悪どさが弱いというか、もっと強い理由というか、もっと悪でも良かったのかなあと。
なので、終盤に少しダレてしまうというか、ある程度、読めてしまっているところも影響しているのかもしれません。
このあたりは誰にでもわかりやすくするためだと思いますが、あまりりにも伏線です!と明示しすぎると、オチがつまらなくなってしまうというバランスの難しさがありますね。
なので、見る人によっていろいろと評価は変わるかなあと。
木村多江さんは良かった
あまりドラマのど真ん中の主役として起用されることが無い印象の木村多江さんですが、バイプレイヤーとしては、定番の役者さんですよね。
個人的には役柄にハマっていて良かったなと思いました。
欲を言ってしまえば、もう少しぶっ壊れ感があっても良かったかなあというのが個人的な印象。
このあたりは監督の演出だとは思いますが、もう少し妖艶感みたいなものがあっても良いのかなと。
普段の役からのギャップという意味でも、個人的にはもう少し振り切った感じにした方が、もっと評価が上がったような気がします。