
評価・レビュー
☆5/5
そもそも民主主義に限界が来ていて、政治家や政党に投票する選挙システム自体、無理なんじゃないかという話から、情報・データを自動で国民から吸い上げ、それを元にアルゴリズムで政策を立案して決めていく無意識民主主義が、次の時代に我々が生み出すべきものではないか?という話。
まず、若者が選挙に行ったところで、政治は変わらないと断言します。
このあたりは、批判もあるだろうなと思いつつ、個人的にはそうだろうなあと。
ただ、それを言ってはいけないような雰囲気があるのは確か。
で、タイトルの帯にある、言っちゃいけないことはたいてい正しいというのが、しっくりとハマるわけです。
本書で書かれている無意識民主主義は、現在のテクノロジーを使えば、ある程度似たようなことができそうだなあとも思いました。
個人的には、Xなどの投稿やnoteなどブログからデータを吸い上げることで、ある程度の民意みたいなものが見えてきそうな気がしています。
また、無意識民主主義が実現したとして、ふと、それが良い結果を生むのか?というのは、少しだけ疑問に思いました。
というのも、現在の二極化を望んだのは国民だからです。
いわゆる聖域なき構造改革の話。
あの時に、国民投票のような感じになり、二極化を望む人が多く、選挙の結果で小泉政権が勝ったわけです。
で、今の状態になっていて、多くの人が不平不満を持っていると。
でも、あの時に、こうなることは予測できたことなんですよね。
つまり、無意識民主主義が実現したとしても、同じようなことが起きる可能性は大きいだろうなあとか。
じゃあ、誰かがその調整をしなきゃいけなくて、でも人間には難しいってなると、AIとかになるのかなとか思ったりしました。
そのあたりは、ちょっとぼんやりと別なことを考えていたので、改めて書こうかなとか。
と、いろいろと書きましたけど、少なくとも現状の民主主義や選挙制度へ問いを投げるという意味では、非常に面白い内容だと思いました。
ポスト民主主義については、個人的にぼんやりと考えてはいるのですが、何かどれもディストピアみたいだなとか。
てか、無意識民主主義もディストピアっぽいなとは思いました。
以下は、本書を引用しつつ、個人的なメモ。
しょせん選挙なんか、多数派のお祭りにすぎない
しょせん選挙なんか、多数派のお祭りにすぎない
個人的に高校生ぐらいの頃から、選挙が好きで、かぶりつくように見ていました。
つまらない選挙もあるんですけど、それでもドラマはあるので、見ていて楽しさはあります。
このドラマがあるというのが、選挙の一番の面白さかなと。
つまり、自分の中では選挙ってエンタメ的なポジションなんですよね。
そして、選挙はリアルというのが、面白さのポイント。
フィクションではなくて、リアルな人生を掛けた闘いなわけです。
何だろうな、バトル・ロワイアルとか小説、映画が流行りましたけど、そういう感覚で選挙特番見てます。
参考:選挙がつまらない? リアリティーショーとして見れば面白い | ネルログ
そもそも人間の政治家は責任を取れているのだろうか?
そもそも人間の政治家は責任を取れているのだろうか?
今の自民党の執行部には80代の後期高齢者がゴロゴロいる。彼らが社会保障や医療や年金や教育といった制度や政策を作っている。数十年先の社会にこそ影響を与える政策に、80代の政治家は一体どんな責任を取れるのだろうか? 結果が出る頃には確実に亡くなっているというのに。
これはまさにそうだなと思います。
個人的に政治家は年齢上限をつけるべきだと思っていて、今だと50歳ぐらいを上限にしたほうが良いんじゃないかぐらいに考えているところです。
ぶっちゃけ50歳でも厳しいかも。
というのも、あまりにも時代の流れが早すぎて、価値観がどんどん変化していきますし、新しいテクノロジーや概念がどんどん出てきているため。
自分は今年48歳ですが、正直、ついていけないです。
若ければついていけるのか?と言われると、疑問はありますが、少なくとも今よりは新しいものを吸収しやすいと思います。
そして、責任という点でもそうかなと。
結局、死んだ後の世界なんて、どうなろうと知ったこっちゃないというか、知ることも感じることもできません。
だから、後世に名を残したいと思ったとしても、ちゃんと名前が残っているかも確認できないですし、悪名として残るかもしれないんですよね。
生きているうちに、自分の評価って知りたいと思わないのかなとも思います。