評価・レビュー
☆5/5
売れないお笑い芸人がガネーシャと出会い、コンビを組んでコンテストに出場し、人生が変わっていくというストーリーベースの自己啓発本。
2とあるように、1作目があり、以前読んだのですが非常に面白く、勉強になりました。
本書もいろいろなガネーシャの教えがあり、個人的に実践もしたりして、プラスの経験を得られたのもあって評価は☆5。
自分が試したのは、最初のガネーシャの教えで、「図書館に行く」です。
自分の住んでいる町では、図書館が駅の反対側にあったので、少し遠くて足が痛かったのですが、いろいろな情報を得られました。
大きな図書館ではなかったのですが、Unreal Engine 5の本があったり、無職転生の小説があったりと、意外と新しいというか、トレンドみたいなものも追いかけているんだなあと。
元々、自分はたまに新宿の紀伊國屋書店を半日ぐらいかけて見て回るということをしたり、図書館もたまに行っていました。
ただ、仕事が忙しくなったのと、その後にメンタルを病んでしまったこともあって、本屋に行ったり、図書館に行ったりすることが無くなってしまいましたが、本書きっかけで改めて本屋や図書館の良さを再認識しました。
他の教えについては、結構実践していることが多くて、自分としては納得できる内容でもありました。
ということで、個人的にはかなりおすすめです。
また、夢をかなえるゾウに比べると、2の方が内容がよりカジュアルなので、2の方が読みやすいかも。
以下は、本書を引用しつつ、個人的なメモ。
将来が見える怖さ
会社に勤めてみて分かったことがある。 それは、人間にとって一番怖いのは、将来が見えないことじゃなくて、将来が見えてしまうことなんだ。
主人公が脱サラしてお笑い芸人を始める理由なのですが、その怖さは暗澹たる未来への怖さではなく、何も感じなくなることへの怖さなのかなと思ったり。
まず、個人的な考え方として、恐怖と快楽、不安と幸福というのは、対を成していると考えています。
恐怖と不安、快楽と幸福の違いは、どの程度先の未来かという違いかなと。
具体的には、目前の危機は恐怖で、遠い未来の危機が不安という感じ。
例えば、寿命が明日までというのは恐怖ですが、寿命が50年後だと不安みたいな。同じ寿命について話していても、どの程度先のことなのかで、感情が変わるという話です。
個人的にですが、感情とは「未来予測と現在の差分で発露するもの」と考えているため。
で、話が逸れましたが、ぐっと戻すと、将来が見えてしまうというのは、予測した未来通りになるという人生です。
そうなると未来予測との間に差分が発生しないため、何も感じなくなってしまうことかなと。
そこに対する怖さなのでは?というのが個人的な考えです。
まあ、解脱という考え方もあるので、人生において滅私が悪いことではないのかもしれませんが。
本で解決できない悩みは皆無だが
「仕事、お金、人間関係、幸せ……人間の悩みなんちゅうのはいつの時代も同じや。そんで本ちゅうのは、これまで地球で生きてきた何億、何十億ちゅう数の人間の悩みを解決するためにずっと昔から作られてきてんねんで。その『本』でも解決でけへん悩みちゅうのは何なん? 自分の悩みは地球初の、新種の悩みなん? 自分は悩みのガラパゴス諸島なん?」
ガネーシャの言葉。
本書では図書館に行くのが良いとしています。今だと多くの人がネットで調べてしまうかなと。
どちらにせよ、ガネーシャの言葉の通り、多くの悩みへの解決方法というのは、本やネットに書かれていることがほとんどでしょう。
しかし、多くの悩みは解決されないことが多いです。
それは何故か?
個人的にですが、それは「行動するかしないか」かなと。
解決方法がわかったとしても、解決するために行動しなければ、解決しません。
非常に当たり前のことなのですが、この行動するというのが一番むずかしいかなと個人的には思っています。
あくまで自分の場合ですが、良いなと思ったら、とりあえず試すことにしています。
今回の場合だと「図書館に行く」です。
で、大切なのは図書館に行くことではなくて、その行動をするかどうかかなと。
なので、図書館に行くことが正解ではなく、行動することが正解というか。
そっちが本質のような気がしています。
本書では他にもいろいろと実践した方が良いことがいろいろと書かれていて、その中でできそうなことを1つ始めてみるのが良いかなと個人的に考えています。
聞く耳を持て
聞く耳を持つんや。それが『成長』するための最大の秘訣やで
耳に痛い言葉。
自分はついつい喋ってしまう方なので。
沈黙が苦手というか、そういう時間を作りたくなくて、マシンガンのように喋り続けてしまいます。
なるべく聞く耳を持てるよう、頑張りたいところ。
職を失うのが苦しい理由
「なぜ職を失うことが苦しいのか。それは、『自分だけが苦しんでいる』と考えるからだ。しかし、周りを見てみなさい。多くの者が職を失って苦悩している。そして、職を失った者だけではない。今、職を持っている者たちも、また同じように、いつか収入を失うかもしれないと怯え苦しんでいるのだ。苦しみを持たない人間はいない。そのことを決して忘れてはいけないよ」
職に限らず、自営業などもそうかなと。
収入を失うことへの怖さや不安というのは、誰しも持っていて、自分だけ苦しんでいると考えると、確かにそれ自体が重荷になるような気がします。
それは職だけではなくて、他のこともそうかもしれません。
例えば、恋愛が上手くいかなくて苦しんでいるとき、同じように苦しんでいる人もたくさんいるわけです。
そして、恋愛が上手くいっている人でも、それが終わってしまう可能性もありますよね。
で、ここから導き出されるのは、自己中心的な考えに陥らないことなのかなと。
本書では、他の人が気づいていない長所を褒めるという教えもあり、自分自身のことだけ考えていると、いろいろと上手くいかないという話。
自分の欲求を言う
「自分の欲求を口に出すと、他人の欲求とぶつかります。いい人ではいられなくなります。でもそうやって欲求をぶつけながら、それでもお互いが喜べる道を見つけていくこと──それが、成功するための秘訣なのです」
これは個人的に最近なるべく実践しようとしていることに近いなあと。
自分の場合は、「I want」を大切にすると表現しています。
私はこうしたい、私はこれが欲しいを大切にするということです。
若い時は時間というものが無限にあるように感じていましたが、歳を取ってくると、もう老い先が短いことがわかってきます。
否応なしに、突きつけられる現実と言っても良いでしょう。
で、亡くなる直前に、ああ、あれをやっておきたかったなあという後悔をしたくないという思いが最近強いです。
もちろん、荒唐無稽なこととかはできませんが、できる限り、やりたいこと、欲しいものというのは、言うようにしています。
それが実現しなかったとしても、言わなければ何も始まらないからです。
手に入れるということは手放すこと
何かを手に入れるということは、何かを手放すということです。そして何かを手放す覚悟のない人が──成功することはありません
アニメ「コードギアス反逆のルルーシュ」に「撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ」というセリフがあったなあと思い出しました。
で、調べてみたら、レイモンド・チャンドラーの小説『大いなる眠り』における主人公フィリップ・マーロウの台詞からの引用だそうです。
知らんかった。
意味合いとしては全然違うのですが、何かしらの覚悟が無いと、その先には進めないという話かなと。
ちなみに、撃っていいのは〜は原文を直訳すると、上手く撃てるようになるまでは、人に撃ってはいけないという感じらしくて、日本語訳の際に前後の文脈などから、覚悟という言葉に訳されたと思われます。
ただ、原文のニュアンスだとしても、そもそも覚悟ができる状態というのは、それまでに準備をしっかりしている、その後に起きるがマイナスだったとしてもそれを理解した上で、行動するということでもあるのかなと。
つまり、覚悟というのは、何もしてない状態ではできず、やることをやった上でするものなのかもしれないという話です。
無謀とは違うというか。そんな風に理解しました。
リンク
- 夢をかなえるゾウ2 Kindle版
- Unreal Engine – Wikipedia
- 撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ (うっていいのはうたれるかくごのあるやつだけだ)とは【ピクシブ百科事典】
- 書籍レビューまとめ | ネルログ