三国志 マンガレビュー 横山先生 大感謝

投稿者: | 2021年7月19日

三国志とは

三国志は中国の後漢末期から三国時代(180年頃〜280年頃)の物語。数多く小説やマンガ、映像化がされています。その中でも日本における三国志の礎を築いた三国志が本作です。通称 横山光輝 三国志と言われることが多く、後の三国志を扱った作品に多大な影響を与えています。

横山光輝 三国志は吉川英治先生の小説 三国志をベースにし横山光輝先生の独自の解釈を取り入れた作品。桃園の誓いからはじまり、蜀滅亡までを全60巻で描ききった傑作(愛蔵版は30巻)。

評価

☆5/5

今後 三国志をここまで描いた作品は登場しないだろなと思わせる作品。三国志における多くのエピソードを盛り込み、余計な部分を排除してサクサクと話を進める横山光輝先生の一貫した理念が生んだ傑作です。

個人的にもこの横山光輝 三国志で三国志を知り、三国志の世界にハマっていきました。横山光輝先生には大感謝です。

三国志の話をかいつまんでまとめたマンガは数多く存在します。また、赤壁の戦いに絞った作品などもあります。ただ、これだけ長大な話を網羅的に書いているマンガは他に存在しないでしょう。とても貴重な作品です。

最近ではマンガ版が入手しにくくなっているようですね。これも時代なのかもしれません。ただ、三国志が好きなら、確実に押さえておきたい、読んでおきたいマンガ。

「むむむ」など数々の名台詞!?も存在し、ネットでは長い間愛用されてきたのも、多くの人が本書を愛している証拠の1つかなと思います。


横山光輝先生の独自の解釈も結構入っているので、史実と違ったり、演義と違ったりする点もありますが、そもそも完璧に再現したものは存在していないので、そこは味として捉えています。

キングダムのようなドラマティックに描く作品も面白いのは間違いないのですが、キングダムも秦の中華統一まで描ききれるのか、個人的には不安になっています。そういう意味で最後まで描ききっている横山光輝 三国志の凄さがわかります。

横山光輝先生は他にも史記や水滸伝など数々の中国古典をマンガとして描いており、日本において中国古典を気軽に知ることができたのは、まさに偉大な功績だなあと個人的に思っています。

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