アラン 幸福論 (岩波文庫)を読んで会社組織について感じたことを、つらつらと書いていきます。
仕事というのはすべて、自分が支配者であるかぎりはおもしろいが、支配されるようになると、おもしろくない。
仕事というのはすべて、
自分が支配者であるかぎりはおもしろいが、
支配されるようになると、おもしろくない。
これは至言かなと。
やらされ仕事はモチベが上がりにくい
仕事をしていた時期にいろいろと感じることがありました。やはり自分がある程度裁量権があってやっている仕事は楽しかったですが、やらされ仕事というのはモチベが上がりにくかったです。
会社では上司と部下の関係があって、管理しているのは上司、つまり支配しているのは上司だと考えている人が多いかなと。
ただ、これは実際には違うと思っています。
確かに決定権は上司にあるのですが、部下が自走してどんどんやってくれるような組織にするのであれば、部下の思うようにやらせるのが一番なんですよね。
で、上司が責任を取ると。
ただ、これってとてもむずかしいです。上司にも家族がいて、お金も欲しいでしょうし、もっと地位を上げて自己承認欲求を満たしたいと思っているため。
でも理想的な組織としては、部下がのびのび仕事ができる組織なんですよね。
自分の失敗と成功例
というか、自分の実体験ではそうでした。人生で初めて長と名のつく地位について、社長の次に偉くなった時、組織を自分の思い通りに動かそうと躍起になっていました。しかし、まったくうまくいかず、不協和音が鳴り響いていて、結構辛かったです。
ただ、無礼講ということで部下に何でも自分の悪い点を指摘してもらう機会を設けたところ、なんとその週に友人からも同じ点を指摘され、ああ部下は良く見てるんだなあと感じました。
で、それも含めで全部ぶっちゃけて、悪いところを直していったら、急に組織が回り始めたんですよね。
それまで残業もかなりしていたのですが、段々と残業が減り、自分の時間が増えるようになりました。また、部下からその仕事はこっちでやっておきますよ!って言われて、仕事をガンガン奪われていきました。あなたは長なんだから、どーんと構えていれば良いんですよって言われて、マジかと。
当然部下とぶつかることもありましたが、お互いにちゃんと言い合える組織だったので、後腐れもほぼ無く、折り合いも付けやすかったです。
あと、あれだ部下から飲み会とかランチミーティングをしましょう!って提案もされました。
上司から飲み会とかランチミーティングをしよう!となれば、支配権は上司にあって部下はいやいやですが、部下からの提案であれば部下に支配権があるので、部下も楽しいわけです。
これは個人的に非常に大きな経験だったなあと思っています。日本の組織でうまくいっていない理由は、正直これが理由だろうなと、いくつかの会社を経験して感じています。