評価・レビュー
☆5/5
35年前に起きた未解決のギンガ萬堂事件の記事を書くよう言われた記者 阿久津英士(小栗旬)と、家の物置からギンガ萬堂事件で使われたテープとその声が自分であることに気づいたテーラー 曽根俊也(星野源)が、細い糸をたどるようにギンガ萬堂事件を解明していく物語。
本作はグリコ・森永事件をモチーフにした塩田武士先生の同名小説の映画化です。そのため、グリコ・森永事件を想起させる内容がてんこ盛りとなっています。
主演の二人の演技も素晴らしく、ストーリーも面白かったです。個人的に☆5かなと思ったのはやはり本作のテーマというか、メッセージ性に面白さを感じたため。
本作は犯人が使った音声テープに使われた子どもの声の主たちが、その後どんな人生を辿っていったのかにフォーカスし、未だに逃亡している者、家庭を築き幸せになっている者との対比によって、子どもたちを犯罪に関わらせることの罪深さを表現しています。
ただ個人的にですが本作のメインは、グリコ・森永事件で使われて音声テープの子どもたちへのメッセージなのでは?と思いました。
つまり、映画では子どもたちが誰なのかが明らかにされていくのですが、同じようにグリコ・森永事件についても表に出てきてほしいのかなと。
グリコ・森永事件は1984〜5年に発生し、時効が成立した初の未解決事件。多くの人がその真相を知りたいと思っていることは間違いありません。時効成立後に何かしらの情報が出てくるのでは?という推測もありましたが、結果として犯人は現れず、特に追加の情報はありませんでした。
当時例えば10歳だったとしたら2022年なら48歳ぐらい。生きていれば目にする可能性もあるかなと思います。
そんな子どもたちへのメッセージ的な意味合いがかなり強いようにも感じました。本作をきっかけに当時の人達が表に出てきてグリコ・森永事件の真相が明らかにされたら、とても興味深いなと思います。
あらすじ
35年前、日本中を巻き込み震撼させた驚愕の大事件。食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件は、誘拐や身代金要求、そして毒物混入など数々の犯罪を繰り返す凶悪さと同時に、警察やマスコミまでも挑発し、世間の関心を引き続けた挙句に忽然と姿を消した謎の犯人グループによる、日本の犯罪史上類を見ない劇場型犯罪だった。大日新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は、既に時効となっているこの未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、取材を重ねる毎日を過ごしていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)は、家族3人で幸せに暮らしていたが、ある日、父の遺品の中に古いカセットテープを見つける。「俺の声だ-」それは、あの未解決の大事件で犯人グループが身代金の受け渡しに使用した脅迫テープと全く同じ声だった!やがて運命に導かれるように2人は出会い、ある大きな決断へと向かう。(C)2020 映画「罪の声」製作委員会
アマプラ:罪の声
2020年公開作品。
リンク
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- 映画『罪の声』公式サイト
- 罪の声 – Wikipedia
- グリコ・森永事件 – Wikipedia