孫子兵法とは
孫子兵法は、かの世界的名著 孫子の兵法を書いた孫武の人生を描いた全41話の超大作ドラマ。
前半は友人であった孫武と国無咎を中心とした物語で、後半は孫武が使えた呉と敵対関係にあった越の戦いを中心とした物語になっています。
2008年作品。
評価
☆4/5
なかなか孫子、それも孫武を主人公にした作品ってないので非常に希少な作品かなと思います。
というのも、そもそも孫武は近年まで存在しないという説が有力でした。しかし、新たに孫子の兵法 十三篇が見つかったことでその存在が証明とまではいきませんが、信憑性がかなり高まりました。
また、孫武に関する文献も少ないことから、話を作るのもかなり想像の部分が必要なせいもあって、世界的に知られた兵法書でありながら孫武の物語というのはあまり作られてこなかったのかなと思います。
本作では架空の登場人物をかなり登場させ、史実をかなり肉付けしていますが、孫武の有名な侍女の練兵の話や孫子の兵法の話も取り込んでいるので、孫子が好きなら楽しめる作品に仕上がっています。
ただ、お金はかかっているものの2008年の作品ということもあって、ちょっと映像がしょぼいところもあります。そのあたりは時代かなと思いました。
個人的にはかなり楽しめたので☆4ですが、普通の人が見たら☆2とか☆3になるかなと思います。というのも、孫子の兵法などが好きでないと、楽しめない部分が多くあるからです。孫子の兵法などが好きならおすすめの作品。
個人的な見どころ
全41話を見まして、個人的に良かったところなどについてネタバレしない程度に紹介します。
伍子胥の目の演技
個人的に演技で一番良かったのは伍子胥の方。ちょいちょい目で演技してくるのですが、その目の演技がすごく良い感じです。
独特の表現方法だなあと思いつつ、ざまざまなシーンで伍子胥の目の動きが気になっちゃいます。
とにかく伍子胥めっちゃいいです。
干将・莫耶の逸話
呉王の命令で雌雄二振りの宝剣を作った干将と莫耶の物語が終盤に出てきます。陽剣(雄剣)・陰剣(雌剣)と名付けられたこの剣の話は、中国や日本の物語にちょこちょこ出てきます。その元の話がドラマとしてちゃんと描かれるのも少ない例かなと思います。
ですので、好きな人はこの話があるだけでテンションちょっと上がると思います。というか、個人的にはちょっと上がりました。
終盤のぶっ込み
正直本作、序盤がちょっとスロースタートで中盤から終盤にかけて中だるみ感があります。個人的にも中盤以降は惰性で見ていたのですが、終盤に1つ大きな仕掛けをぶっこんで来たので、それがかなり楽しめました。マジかあって感じでまったく想定していなかったので、個人的にビックリしました。ですのでできれば終盤まで観てほしいなと思います。
呉の水軍
三国志を知っているとやはり江東といえば水軍というイメージがあると思います。本作では水上戦はほとんど描かれませんが、終盤に水軍を整える話が出てきます。
三国志の呉といえば孫一族で、孫子の末裔とも言われており、なんとなくそこに繋がりを感じ、後につながっていくことを描きたかったのかなあと思い、すこし感慨深くなりました。