悪魔が教える 願いが叶う毒と薬 書籍レビュー

投稿者: | 2021年6月21日

悪魔が教える 願いが叶う毒と薬は、ちゃんとした知識を元に様々なクスリの効用について書かれた本です。例えば目を覚ますクスリや頭痛を治すクスリなどから、アンチエイジングや痩せるクスリ、花粉症や蟲が嫌がるクスリ、男性の性にまつわるクスリなどかなり幅広い分野のクスリについて、化学成分や効用、そして裏の使い方をするとどうなるのか?といった内容です。

評価

☆5/5

1つ1つの項目は数ページなので、さらっと書かれていて知識として読む分にはちょうどよい分量です。知らないことがかなり多く大変勉強になりました。タイトルと表紙から少しヤバい感じの本かなと思いますが、カジュアルにかかれているので読みやすいです。

目次を見て興味が出たら買いだと思います。

  • 目覚ましクスリ
  • 幻覚を見るクスリ
  • 夢を操るクスリ
  • 睡眠薬のおはなし
  • 頭がよくなるクスリ
  • ウツ病に効くクスリ
  • 頭痛を治すクスリ
  • アンチエイジングのクスリ
  • 美肌になるクスリ
  • 甘さを感じるクスリ
  • 加齢臭を消すクスリ
  • 花粉症のクスリ
  • 「傷薬」はてさて何をどうすれば?
  • 白血病に効くクスリ
  • 日焼け止めのクスリ
  • 封じられた禁断の美容薬
  • 風を治すクスリ
  • 生活習慣病のクスリ
  • 臭くなるクスリ
  • 痩せるクスリ
  • 水虫を治すクスリ
  • 屋内カビに効くクスリ
  • 食品カビに効くクスリ
  • 催涙剤
  • お腹が痛くなるクスリ
  • 「胃」に効くクスリ
  • 蟲が嫌がるクスリ
  • その気になるクスリ
  • 勃起するクスリ
  • 精液を増やすクスリ
  • 性病のクスリ
  • 女の子になるクスリ
  • 女の子の匂いを合成する

物質の名前がしっかり書かれているので、化学を学んでいない人はちょっと抵抗があるかもしれません。


勉強メモ

悪魔が教える 願いが叶う毒と薬で個人的に面白かった内容をメモとして。あくまで個人的なメモなので、詳しくは直接書籍を見てください。

毛を生やすミノキシジルは服用すると悪夢を見る

夢を操るクスリの章で出てくる話なのですが、育毛剤として最近CMなどでも出てくるミノキシジルという成分は、1日に10mg服用すると悪夢を見る可能性が高いそうです。基本的に育毛剤なので服用はしないと思いますが、まったく別の効果があるのが面白いと思いました。どうも、レム睡眠時に血圧が下がると悪夢を見やすくなるらしいです。

老化にまつわる話

アンチエイジングのクスリの章で、老化によって減る物質にDEHA(ジヒドロエピアンドロステロン)というのがあり、アメリカではサプリメントとしても販売されているそうです。プロホルモンなので通常のホルモン剤よりも副作用が少なく、45歳以上には結構効果があるとのこと。

また血液年齢測定に使われる糖化タンパク質(AGE)の量で計測しており、糖化タンパク質を減らすことで老化をへらすことを研究しているみたい(2016年)。

2011年のスタンフォード大学でのマウスを使った動物事件ですが、若いマウスの血液を歳をとったマウスと交換したら歳を取ったマウスは若返り、若いマウスは老け込んだという実験があったそうです。なんか、ドラキュラみたいですね。

人工甘味料

甘さを感じるクスリの章より、人工甘味料としてサイクラミン酸ナトリウム(別名 チクロ)、アセスルファムK、ステビア、スクラロースが紹介されていました。とりあえず、原材料を見る時に知っておいて損はない名前かなと思います。

糖尿病関連の薬はメタボ対策の薬としても注目されている

生活習慣病のクスリの章で書かれていたのですが、糖尿病関連のkスリとしてビクアナイド系や吸収阻害剤はメタボ関連の効果が期待できるそうです。気になるところですね。

体臭を改善するクスリ

臭くなるクスリの章では、体臭を改善するクスリとしてグルクロノラクトンやグリチルリチンなどの肝臓機能の解毒をするクスリが紹介されていました。市販薬ではグルクロン酸がペアAに使わており、グリチルリチンは甘草の主成分だそうです。また、ゲラニオールというくすりはバラのような香りで汗と一緒に出るそうです。うむ。

防腐剤

食品の原材料を見ているとよくわからない成分が含まれていることがあって気になっていたのですが、本書ではそれについても紹介されています。ソルビン酸カリウム、白子蛋白排出物、グリシンなどです。

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