マッド・ハウス ホラー映画レビュー

投稿者: | 2021年10月14日

マッド・ハウスとは

LAに引っ越して新たな出発をはじめようとしたサラ。とても雰囲気の良い共同マンションがありペット禁止だったが嘘を付いて申し込んだらOKをもらい引っ越すことに。

歓迎パーティーを開かれ好印象だったのだが、夜中は配管工事のような音で眠れず、ペットを持ち込んだことが誰かにバレ脅迫され、心身的にとても疲れていた。

そんなある日、家に誰かが侵入し、捉えられてしまう・・・。

2020年作品。

評価

☆4/5

わかりやすい設定のホラー。時間も1時間30分と見やすい長さで、それほど無駄なシーンもなくよくまとめられていると思いました。

ネタ的には結構あるあるといえばあるあるなのですが、本作にはいろいろと興味深い示唆が込められていて、その点はとてもおもしろいなと思いました。これについては後ほどネタバレありの感想で書きたいと思います。

低予算映画ではあるので、そのあたりで評価は分かれるかも。若干万人受けはしにくいかなと。

ただ、ホラー映画やサスペンス映画好きなら、結構安心してみれる良作だと思います。

ネタバレありの感想

ネタとしては洗脳によって強い共同体を作る的な話なんだと思います。個々の能力で共同体を強くするのではなく、組織として共同体を強くする的な感じ。

ここでは共同体を強化する方法として洗脳や監視が出てきます。

本作では4つの基本原則として、

  • 無私
  • 心の解放
  • 受容
  • 監視

を挙げています。

これはネタのように思われるかもしれませんが、一般的な企業でも求められていることですね。特に大企業ではこの傾向が強いです。

無私というのは個を捨てること。これは組織としては当然ですね。個人の利益よりも組織としての利益を優先するのは当たり前です。

心の解放は秘密を無くすこと。映画では初体験の話などが出てきますが、企業では失敗や不正などですね。現在の会社のシステムでは失敗や不正を隠蔽してしまう傾向がありますが、企業としてはそのような隠蔽を無くすことが求められています。

そして受容。失敗に対する罰符もそうですが、他者の出世などもそうしょう。これを受け入れられないと、無駄な人間関係や足の引っ張り合いにリソースが割かれてしまい結果として成果が出にくくなってしまいます。

監視は言わずもがなですね。みんな他者のあら探しをすることに躍起になっていますが、企業としては相互監視によって不正が行われにくくしようとします。また、監視によって成果をあげる方法としてペアプログラミングなどもありますね。

これらの4つの基本原則がうまくできている企業は強い組織ができていると言えるでしょう。

しかし、現実にはなかなか難しいものです。だから度々企業で不正が明るみになったり、無駄な出世争いや跡目争いが起きるわけです。

会社で働くというのは、それだけ心を摩耗すると言えるでしょう。映画は笑い事ではないのです。

そしてもう1つ本作で興味深かったのは、創始者が亡くなっているのに、共同体がその基本原則に則って脈々と続いていることでしょう。個人的にはここが一番の怖さだと思いました。

当たり前の話ですが、昔の常識と今の常識というのは変わっています。それは当時には無かった情報が増えているからです。様々な情報によって変化していくのは当然なのですが、現実の世界では意外とそうでないことも多いですよね。

Twitterなどを見ているとそれがよくわかります。自身が出した考えに対して自分が知らなかった情報とともに反論された場合、本来あるべき姿はその情報も含めて改めて自身の考えを再構築するのが当然です。そのときに、最初に出した自身の考えが間違っていれば謝罪や撤回をし、新たな考えを提示するのが良いと個人的には思っています。

しかしながら、多くの場合、自身の考えに不利な情報が出てくると、それをブロックしたり、情報を握りつぶそうとしたり、情報自身ではなく情報の発信者の人格否定をしたりなど、自身の考えを押し通すことに専念してしまいます。歳を取った人にそのような傾向が多いことから老害などと言われることも多いですね。

ただ、Twitterが示しているのは老害は別に歳を取ったから起きる現象ではないということです。

本来何か考えを発信する際には、何か目的があるはずです。しかし、その発信した考えを否定されると、議論の論点がズレ、本来の目的ではなく、自身の考えを押し通すことが目的になってしまうことが多いのです。いわゆる目的と手段が変化してしまうという話です。

で、本作でもそれがまさに描かれていて、本来の目的は強い共同体を作ることなのですが、それが基本原則を守ることという目的にすり替わっているんですね。これは経営者や上司などがまさに陥りやすい組織あるある。だから、本作は耳が痛い話でもあるかなと思っています。

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