評価・レビュー
☆5/5
個人的にずっと考えていたことがかなり書かれていて、共感できました。
内容をざっくりいうと、「短期的な利益に惑わされず自分の目標に向かって一歩一歩進んで行けばゴールに着く」という感じ。
個人的に大切だなと感じたポイントは、
- 努力を積み重ねると、ある時に一気に成果になる
- 自分がやりたいことを目標にする
です。
努力を積み重ねると、ある時に一気に成果になる
これは昔から言われていることではありますね。継続は力なりなんて言葉もそれを表しています。
近年ではインターネットの発達によって情報の取得が格段に早くなりました。その結果短期的なことに目が行きがちになってしまい、結果として大成しないという話です。
ドリー・クラーク氏は、その分野で有名になるには最低でも2、3年かかるとしていて、エキスパートとして認められるには5年は努力が必要としています。
最近のスピード重視の考え方とは逆を行くような感じですが、言ってしまえば急がば回れということかなと。
ちなみに著者のドリー・クラーク氏は2年に1度選ばれる世界の経営思想家トップ50「Thinkers 50」に2019年と2021年の2回選ばれています。
その著者自身もかなり最初は苦労したことが書かれていて、最初は全然うまくいかなかったとのこと。
なので、言葉の重みがあるなと感じました。
自分がやりたいことを目標にする
個人的に本書のキモはこの「自分がやりたいことを目標にする」ことかなと思っています。
著者は自分がやりたいことだから続けやすいことを理由の1つとして挙げていました。
また、単純にお金が目的だけになってしまうと、結局今の雇われてお金を稼ぐという状況と変わらないというのもあるのかなと。
つまり、何が言いたいかというと、成功は人によって違うということ。
自分がやりたいことは、本当にお金をたくさん稼ぐことか?という話です。
これは人生においてとても大切なことかなと個人的に思っています。
自分はベンチャーなどで働いていて、ほんとうにずっと仕事をしていたのですが、上手くいかなかったこともありますが、その時間が今はもったいなかったなと。
それは本当に自分がやりたいことではなかったから。運良く成功したとしても、体力もあって頭の回転も今より全然早かった若いときの貴重な時間の方が、大切だったなと今は思っています。
これは私が歳を取ったからかもしれません。何でもかんでも飛びついていた時期もあって、そりゃあうまくいかないなあとも感じています。
あくせくした毎日を変えたいなら一読したい
ということで、本書はあくせくした毎日を変えたいと考えているなら一読してほしいかなと個人的には思いました。
けれども今の仕事を辞め、自分の人生を切り開くというのは、非常にエネルギーが必要ですし、成功も保証されていません。
なので、多くの人にとっては本書は参考にはなっても、あまり役に立たないようにも思えます。
ただ、本書は主にビジネスについての話ではありますが、個人的にはビジネス以外の分野でも使える考え方かなと。
仕事は生活のためと割り切って、残りの時間の使い方を考える時に本書の考え方を適用するという話。
例えば、人生のパートナーとかは一番わかりやすいかなという気もしています。
単純に目先のことにとらわれるのではなくて、自分が目指している未来のために、一歩一歩努力していくということ。
わかりやすい例で言えば、Howto本を読んですぐ上手く行くことは無いという話です。
何にせよ、大切なことは長期的な視点を持ち続けることかなと思いました。
心に刺さった言葉メモ
個人的に刺さった言葉を少しだけ。
あとから考えれば、
本当の自分も、本当にやりたいこともはっきり見える。
しかし、この「忙しさがすべて」のような社会で暮らしていると、
それに気づくのは難しい。
「忙しい人」は「仕事ができる人」ではない。
むしろ「自分のスケジュールさえコントロールできない人」だ。
そう考えれば、忙しさの魅力も半減するだろう。
自分で勝手にハードルを設置し、始めるのを難しくしている。
その間に目標に向かって行動を起こしていれば、
どれほど多くのことを達成できたか気づいていない。
他にもたくさん良い言葉があるのでぜひ読んで欲しいなと。