キングダム マンガレビュー 始皇帝の新たな顔

投稿者: | 2021年5月26日

キングダムとは

紀元前の中国、周王朝の力が衰えはじめ各地の王が力を持ち始めた時代。のちに中華を統一する秦の王 嬴政(のちの始皇帝)に仕える武将 信(のちの将軍 李信)の出世物語。

原泰久先生作品で、アニメ化、実写映画化もされた作品。

評価

☆5/5

単純に群雄活劇として面白い作品。序盤は嬴政が王につくまでの話で、王につき他国との戦争がはじまってからが、劇的に面白くなっていきます。

将軍たちの知略、そしてダイナミックな絵で描かれる武将たちの一騎打ち、迫力のある戦いにどんどん引き込まれていきます。

主人公の信については資料が少ないため、いろいろと諸説あります。また、日本でもそうですが、ある程度権威を付けるためにのちに実は名家の出だったなど付け加えられることも多いです。

逆に言えば、情報が少ないからこそ想像を膨らませて色々と書けるのが歴史物語良さではあるかなと個人的に思っています。その点でもキングダムは大胆な設定で面白いです。

また、当時の歴史の話を知らなくても楽しめるのも本作の特徴。それほどストーリーがよく出てきていると言えます。


始皇帝の新たな顔

個人的にキングダムの最大の面白さは、始皇帝の新たな顔が見えた点でしょう。

始皇帝と言うと焚書坑儒をはじめ悪名高き皇帝として歴史の教科書にも書かれており、誰しもが知るところでしょう。

しかし、キングダムにおける秦の王 嬴政はそれらの悪いイメージとは全然異なる描かれ方をしています。

もともとの話は司馬遷によって書かれた史記が元になっていますが、すべての事象について事細かく書かれているわけではありません。逆にそこからイメージを膨らませて作られたのがキングダムと言えます。

キングダムで良いイメージとして書かれたことによって、始皇帝が行った施策というのも見え方、捉え方が変わってきます。確かに始皇帝は少しやりすぎてしまった点があったかもしれませんが、それは中華として1つになることが結果として中華全土にとって良い結果につながるという意図がありました。

このあたりもいろいろと調べていくとかなり興味深いです。そういう意味でキングダムは歴史に残る漫画作品の1つだと個人的に思います。

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