映画 人狼ゲーム デスゲームの運営人 – 設定やストーリーは面白いがもう少し尺を長くして説明が欲しかったかも

投稿者: | 2024年4月15日

評価・レビュー

☆4/5

人狼ゲーム(デスゲーム)の運営を手伝っている正宗は、いつものように高校生の参加者たちを施設に運び込み、参加者たちに一撃で人を殺せる首輪を嵌めようとしたところ、参加者の1人に自分が昔勉強を教えていた夏目柚月がいることに気づき、彼女を助けるためにヒントを伝え、彼女を救おうとするのだが・・・。

という感じの話。

人狼ゲームシリーズでは初めてのデスゲームの運営側にもスポットを当てた作品です。

川上亮先生の同名の小説が原作で、さらに脚本・監督をしているのが本作の最大の特徴かなと思います。

細かいところまで練られていて、非常に面白かったです。

アイデア、ストーリーは☆5で本当に素晴らしいのですが、個人的に残念な点が2つ。

1つは尺が短い

おそらくですが、平均的な映画の時間内に収めようとしたせいだと思いますが、少し説明不足な点がある気がしました。

このあたりは原作・脚本・監督をした川上亮先生もかなり苦渋の決断だったのではと思います。

個人的にはもう少し時間は長くても良かったのではと。

というのも話の展開も面白かったですし、時間の長さをそれほど感じず、引き込まれる作品に仕上がっていたので、もう少し尺を取って背景などの説明が欲しかったです。

2つ目は声の大きさとBGMのバランスが悪い

こっちの方が致命的で、BGMの大きさに音量を合わせると、役者さんの声が小さすぎて何を言ってるかわらないんですよね。

かといって、役者さんの声に合わせると、今度はBGMがでかすぎるという・・・。

特に日本映画やドラマは、この声とBGMの大きさがチグハグな作品が多い印象。

この点はちゃんと調整してほしかったなと。他の作品もそうですけど。

どうしてもこの2つが気になってしまって☆-1の☆4評価です。

それ以外の点は細かいツッコミどころはあったとしても、個人的には気になるレベルではなく、とても良かったです。

原作未読ですが、原作の出来が非常に良いんだろうなと思いました。

人狼ゲーム シリーズが好きなら運営側という新しい切り口は楽しめると思いますし、普通に人狼ゲームが好きな人も楽しめるんじゃないかなと感じました。

ネタバレあり&若干考察

アマプラで見たのですが、低評価レビューを見ていると、勘違いしている人が多い印象です。

でもそれは仕方ないかなと。

前述したように尺が短くて、説明が不足していたのが原因だと思います。

小説や漫画などは、すぐにちょっと前を見返すことができますが、映画やドラマはその場で見返して見ることってあまり無いですよね。

なので、少しくどいくらいに説明しないと、気づかないことも多いと思います。

ラストの意味

まずラストの意味というか、オチですが、今回撮られていたのは、人狼ゲーム自体ではなくて、運営側の人間模様だったということです。

言ってしまえば、「運営側の知人が人狼ゲームに参加した場合、運営側の人間はどういう行動を取るのか?」を観察されていたという話。

描かれてはいませんが、運営側が人狼ゲームに介入することを前提でので賭け事がされていたのかなと思います。

主人公の正宗は最後にそれに気づくのですが時すでに遅し。

ラストで、運営側も監視されていたという表現として、PCから見た監視カメラの映像で終わっているのは、そういう理由です。

アマプラの説明では陰謀と書かれていますが、陰謀というよりも、人狼ゲームを運営している上の組織のお遊びと考えた方がわかりやすいかなと。

おそらく物語の構図

今回、運営側の人物は5人登場します。

そして人狼ゲーム参加者の中に、運営側の人物と繋がりのあった人が参加しているというのが全体の構図です。

作品の中で明確に明言されているのは、

  • 主人公の正宗と夏目柚月(用心棒で霊媒騙り)
  • くるみと一ノ瀬悠輝(人狼)
  • 姫菜と秦心春(村人で妹)

になります。

これは普通に見ていたらネタバラシがあるのでわかりやすいかなと。

また琥太郎と天野すみれ(預言者)にも何か関係があると思います。

理由として、

  • 天野すみれの電流が流れる首輪が壊れていたこと
  • その首輪をつけたのは琥太郎であること
  • 主人公の正宗に協力して霊媒騙りなどを提案したこと(村の勝利へ誘導)
  • 中立なはずなのに天野すみれが捕まった時に棒立ち、首輪を持ってきた時に躊躇
  • 首輪で処刑された時に立ち尽くし、上を見上げため息、その後に何かを蹴ったような音
  • 戻ってきたときも、それまでの感じとは雰囲気が異なる

という感じ。

次に、

鬼頭と末吉萌々香(村人)については、

  • 襲撃先が末吉萌々香に変更された後に鬼頭のアップがあり、驚きの表情を見せている
  • 末吉萌々香が殺された時に、机を叩いて激昂後、部屋をすぐに立ち去る

から、何かしら関係性があると思われます。

くるみから、お気に入りの娘が殺されただけでそこまで怒る?みたいなことも言われていて、鬼頭が通常とは違う行動をしているのは明らかです。

また、運営をちゃんとやろうぜ的なことをずっと言っているのに、1人殺されたぐらいで仕事を放棄している点もそうですね。

あと、ちょこちょこあまり主張しそうな性格ではない末吉萌々香が、処刑の数や進行などについて話すシーンがあります。

これも鬼頭との関係を匂わせているのかなとは思いました。

鬼頭と末吉萌々香については、もう少し何かしらの伏線があったほうが良かった気がしています。

もしかしたら自分が気づいてないだけかもしれませんが。

もしくは激昂の表現をもっとオーバーにして壁を蹴るとかがあっても良かったのかもしれません。

以上から、今回の人狼ゲームには、運営者側全員の知人が参加しているというのが全体の構図です。

人狼が襲撃先を変更した理由

人狼である一ノ瀬悠輝が、最後の晩に襲撃先を変更した理由は、単純に最終日に夏目柚月を人狼に仕立てるためです。

夏目柚月は用心棒であることを明かしました。

ですので、人狼ゲームのセオリーとしては用心棒から噛むのが定石。

しかし、夏目柚月が最終日に残っていたら、夏目柚月が人狼だったから襲撃されなかったと言うことができます。

そのため、一ノ瀬悠輝は夏目柚月以外を襲撃したかったわけです。

しかし、くるみから連絡が無かったので、用心棒の夏目柚月以外を襲撃のはリスクがあります。

もし、用心棒にガードされてしまったら夏目柚月が用心棒であることが確定してしまうからです。

そうなると、残りの村人は夏目柚月の言動を信じてしまうでしょう。

少なくとも人狼ではないことが証明された唯一の人間になるので。

しかし、くるみから連絡(実際には姫菜)から連絡があり、一ノ瀬悠輝は夏目柚月から秦心春へ襲撃先を変更します。

より勝率が高い方を選んだわけです。

なので、とても自然な流れだと思います。

序盤の伏線回収

5人が生き残った状態で、預言者騙りをしている佐竹澪が処刑される日があります。

夏目柚月が霊媒を騙っていたことを告白し、用心棒であることを宣言し、最終的に佐竹澪が処刑されるという流れです。

この日は、何をどう考えても佐竹澪が処刑される日かなと思います。

というか、預言者の処刑がセオリー。

というのも、預言者が2人いて、どちらが人狼かわからない状態ですから、両方の預言者を処刑すれば、確実に人狼を1人村から追放できるわけです。

佐竹澪が本物の預言者だったとしても、佐竹澪を処刑しないといけません。

なぜなら、佐竹澪を処刑すれば、絶対に最終日が来るため。

人狼をプレイしている人なら、預言者ローラーと言えばわかりやすいかなと。

なので、このあたりのやり取りは説明不足に最初感じたのですが、よくよく考えてみると佐竹澪は最初に人狼して半年ぐらいという話をしていました。

そう考えると、いろいろと納得できるなと。

リアルな話をすると、人狼を毎日プレイするのって難しいですよ。

人数がある程度揃わないといけないので。

ですから、プレイして半年というのは、まだまだ人狼のセオリーでわかってない点が多いということです。

正直、裏切り者(狂人)が居ない状態で、預言者が2人出たら、確実に両方の預言者を処刑します。

それを知らなかったというか、考えられなかった、想定できなかったというわけです。

そもそもこの日に勝ちに行くなら、人狼を見つける必要があります。

一ノ瀬悠輝に村人判定なんて出している場合では無いのです。

通常の人狼ゲームならいざしらず、デスゲームの人狼ゲームで人狼の預言者騙りは、かなりリスクが高いというか、ほぼありえないかなと。

実際に本編では同じ人狼側の一ノ瀬悠輝に裏切られます。

人狼ゲームではよくあるライン切りという方法で、人狼が味方を裏切るような行為をして、自分が村人だと周囲に思わせる方法です。

このあたりも佐竹澪がまだまだ人狼初心者の域を出ていないことを暗に示している点かなと思います。

最初の伏線回収と言っても良いかもしれません。

という感じで、非常に内容の濃い話ではあるのですが、やはりもう少し時間をかけて説明があったほうが良かったのかなあと。

そこが惜しいと思った点です。

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