戦では決断遅延と躊躇が負けを生む 呉子

投稿者: | 2021年3月7日

呉子曰く

呉子の一節に、

故曰、用兵之害、猶予最大。三軍之災、生於狐疑。

という言葉があります。

意味は、

戦争の害は決断遅延が最も大きい。三軍の災は狐疑より生まれる。

という感じ。

三軍とは軍隊のこと。昔は左右の軍と中軍合わせて三軍と言いました。

狐疑とは相手のことを疑うことで、日本語では狐疑逡巡と訳されます。狐疑逡巡は疑いためらってぐずぐずすること。

eスポーツでも求められる決断力

eスポーツの発祥というと、やはりマジック・ザ・ギャザリングが挙げられるかなと思います。かなり昔からプロが存在し、賞金もとても大きかったです。

その後、格闘ゲームがeスポーツとして盛り上がり、日本でもウメハラ氏を筆頭に多くのプロゲーマーが生まれました。

格闘ゲームの隆盛後、eスポーツ業界ではマジック・ザ・ギャザリングのようなターン制のゲームではなく、リアルタイム系のゲームが多くなっています。

代表的なゲームとしては、PUBG、SMITEなどがありますね。賞金が出る大会も増えています。そして、それらほとんどがリアルタイム系のゲームです。

リアルタイムで対戦するということは、やはりその場のその場での素早い判断が求められ、迷っていたら負けてしまうでしょう。

呉子は中国の春秋戦国時代に書かれた兵法書。つまり、今から2000年以上前のものですが、現代のeスポーツに通じるところがあるのが興味深いですね。

今も昔もそれほど変わらないということかもしれません。昔は戦争で実際に人の生き死にがかかっていましたが、それがeスポーツになり形は変わったものの、人と人が戦うという本質的な部分はそれほど変わっていないとも考えられます。

呉子のこの一節を読んでそんなことを感じました。