破天荒フェニックス ドラマレビュー ベンチャー企業にいたからわかる田村社長の凄さ

投稿者: | 2021年10月22日

破天荒フェニックスとは

負債14億円を抱えた倒産目前のメガネチェーンを3千万で買収した小さなデザイン会社社長 田村雄司とその仲間たちの実話を元にしたサクセスストーリー。全3話。

原作は破天荒フェニックス オンデーズ再生物語。元になっているのは世界に300店舗を構えるオンデーズというメガネチェーン。

主演 勝地涼。2020年作品。

評価

☆5/5

原作をギュッとまとめて凝縮したドラマになっていて見応えのあるドラマです。

サクセスストーリーというと、近年はなかなか成立がしづらくなりつつあります。また旧来から存在する業種よりも、新しい産業特にインターネット界隈でのサクセスストーリーというのが多いのが現状です。

そんな中メガネという業界での成功というのは本当に素晴らしいなと思いました。

個人的にベンチャー企業で働いていた期間が長かったのもあって、いろいろと苦労、特に金銭面の苦労は身にしみて感じています。そのあたりはもっとフィーチャーしても良かったのかなと思いますが、めんどくさい話ではあるので省いて正解かなと。

主演の勝地涼さんは結構脇役が多い印象でしたが、演技がナチュラルでとても良い感じだと思いました。

3話完結ということでサクッと見れて、丁度よい長さ。

次々と襲いかかる難題をどうやってのりきっていくのかが見ていて気持ちが良いドラマでした。誰が見ても楽しめる良作だと思います。


田村社長の凄さ

個人的にですが、田村社長の考え方がとても良いですね。ベンチャー企業に限らずですが、多くの企業においてトラブルや失敗というのはよくあります。しかし、大概の場合は失敗に対して責任問題の追求に終わり、次に進めなくなります。

しかし、田村社長は失敗しても執拗に部下を責めるわけでもなく、自身の失敗についても認め謝罪をし、そして次に進むことを選択しています。長々と失敗の責任追求に時間を要さず、失敗から学び次に活かしているのです。これはとても簡単なようですが、なかなかできることではありません。

特に企業においては出世というのが個々人のモチベーションにもなっており、他者の失敗は自身の出世に繋がるため、叩いておきたいという心理が働きます。また出世に響くため自身の責任を逃れるためにあの手この手を使います。

結果として、責任追求に時間をかけてしまうのです。そして新しいプロジェクトは結局駄目だねということで企業成長が停滞します。市場が拡大しているうちは問題ないですが、多くの場合市場には限界があり、その限界に到達した時点で後は落ちていくだけになります。これは普通の企業だったら当たり前のことです。

本作ではさらっと流されてはいますが、この次の一歩を進めることができる田村社長の考え方が成功するために重要なポイントと言えると思います。何が言いたいかというと、失敗の原因追求をするのではなく、成功するための方法を試すというのが大切という話。

自分がいた会社では本当に足の引っ張りあいや、失敗に対して責任追及の時間が長すぎて、無駄な時間が多かったです。失敗の原因は何かについてずーっと考え続けさせられ、まったくもって意味をなしてないなと。

大切なのは失敗しないことではなく、成功すること、言葉を変えれば成果を上げることです。そして多くの場合、この成功することや成果を上げることに対して考える時間がほとんど与えられません。失敗の原因追求の方が時間が多いのです。正直、失敗の原因なんて多くの場合すぐにわかります。原因がまったくわからない時は原因追求が必要ですが、大概はプロジェクトを始める前にわかっていることが多いです。

また部下に対しての信頼が厚いのも田村社長の凄さかなと思います。普通はできないんですね、こういうこと。ちゃんと適材適所で配置するというのもありますが、それぞれがしっかり役割をこなしていて、社長がそれをしっかりと認めているところが素晴らしいです。当たり前のことなのに、部下がしっかり働いても労うことすらしない上司や経営者は多いもの。そんな当たり前のことができるのも田村社長の凄さの1つだと思います。

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