春の庭 – 街も人も移り変わっていく

投稿者: | 2025年3月22日

評価・レビュー

☆4/5

取り壊しが決まっているアパートの住人たちと隣にある水色の家の話。

春の庭というのは、その水色の家をテーマに撮影された写真集の名前です。

純文学なのと、特に何かあるわけではないので、かなり好みは分かれるかなという印象。

個人的にスマホの描写が出てきたときに、壊と新、古と今みたいなアンバランスさ感を感じて面白いなと思いました。

街は生き物

昔、自分が住んでいた場所は、商業ビルが立ち並び、美しい公園もあって、一見きれいな町並みでした。

一方で、ちょっと脇道に入ると人が住んでいるんだろうか? みたいなボロ家もあって、春の庭を読みながら、そんなことを思い出しました。

先日、久しぶりにその場所に行ってみたら、ボロ屋は無くなっていて、新しいタワマンが建っていました。

春の庭の中で、主人公たちが住んでいるアパートも取り壊されて、きっと新しい何かが建つのか、駐車場になるのか。

少なくとも、街は時間とともに変化していくなあなんて。

なんか街自体が生き物のような感覚を自分は持っています。

で、人間の心ってのも、そうなのかもなあとか、思いました。


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