軍隊にはゆるやかさが必要
軍旅は舒を以って主となす(軍旅以舒為主)とは、司馬法 天子之義に出てくる一節。
舒とは、ゆるやか、ゆったりなどの意味。
意味としては、軍隊は余裕をもたせることが大切ということ。
余裕をもつことで、兵士や軍馬は無駄に走ることもなく、隊列が崩れることもなく、混乱もしない。そして軍隊が整っていれば、指揮命令系統もうまくいくという。
ゆるやかさというよりも、柔軟性や遊びをもたせるという意味合いかなと個人的には思います。
常に余裕がない状態で軍隊を動かしていると、兵士も常に一杯一杯の状態ですから、いざ攻め時!という時に力が出なくなりますし、想定外のトラブルが出た時に対応ができなくなってしまいます。
そういう意味で、余力をもたせることが重要という話。
会社組織でも同様
これは会社組織でも同様ですね。常に残業、残業で回している組織は柔軟性が無く、常に場当たり的になります。
新しい仕事が追加されると、もはや大混乱。部下は不平不満ばかりで空気が悪い職場になります。
給料がたくさん出ていれば、不平不満も少ないでしょうが、実際にはサービス残業も多く誰かが犠牲になるというのが実情ではないでしょうか。そしてそのような状況が続くと離職率が高かったり、心を病んでしまう人が出たりしてしまいます。個人的な経験ですが、残業して働きまくっている人から辞めていくという職場をいくつか見てきました。
それもそのはず、そもそも常に100%以上の力で働いているわけですから、どんどん社員は疲弊していくわけです。
「軍旅は舒を以って主となす」のように、日々の業務は70%ぐらいの力で終えることができる程度にし余裕を持たせれば会社組織も整いますし、いざというときに混乱も起こらず柔軟な対応がすぐにできるというもの。日々に余裕があれば、新しいこともはじめやすくなりますし、不平不満も少なくなって離職率も下がっていくでしょう。
少し考えれば当たり前といえば当たり前のことなのですが、意外と実践されている職場は少なかったりします。