ドラマ 水滸伝 時代を感じるが今の日本では作れないドラマかも

投稿者: | 2022年5月9日

評価

☆4/5

1973年〜1974年に公開されたドラマということで、約50年前の作品。全26話。横山光輝 水滸伝で水滸伝に興味を持ったところ、アマプラにあったので視聴。

いやあ、いろいろな意味で時代を感じる作品でした。ただ、今このスケールのドラマを日本で作るのは難しいのではないかなと思わせる作品でもあります。

水滸伝に興味があるなら、一度は観て欲しいドラマ。ただ、古めかしさは拭えないので、ある程度優しさを持って観て欲しいかなと。

林冲と扈三娘がメイン

話は中村敦夫さん演じる林中(林冲)を中心に描かれているのが特徴で、独自のストーリーもありますが、基本的には施耐庵作の水滸伝に則っています。また、横山光輝先生のマンガ水滸伝を原案としているのも特徴です。

またヒロインとして扈三娘(土田早苗)が早々に登場し、林中と共に様々なエピソードに関わってきます。このあたりは好みが分かれるところかも。

まあ水滸伝の知識が無い人が観ることを考えると主人公とヒロインというわかりやすさが必要だったのかなと思います。

殺陣は・・・

やはり50年前ということで殺陣は若干アレな感じ。逆に言えば、今の殺陣が相当進化しているのがわかりますね。

このあたりも時代を感じさせる点かなと思います。

演技も・・・

演技も50年前ということで、若干違和感があります。当時にリアルタイムで見ている方からするとそうでも無いかもしれませんが、今の若い人が見るとちょっと厳しいと感じるのではないでしょうか。

まあ、これもこの50年でエンタメとして大いに進化したということかなと。

それでもスケールの大きさを感じる貴重な作品

時代を感じさせる点が多いですが、それでもスケールの大きさを感じることができる作品かなと思います。

そもそも水滸伝自体、登場人物がとても多いですから、キャスティングがそうとう大変でしょう。特に水滸伝は108星ということで、魅力的な人物が多く登場します。

単純に林冲だけ有名な人を配役して作品にすれば、今なら総バッシング間違いないでしょうね。そういう意味でも現代で作るのは大変そうだなあと。

またロケ地はどうも日本国内のようで、そう考えるとよく作ったなあと思います。調べてみると制作費は当時の金額で6億だそうです。日本テレビ開局20周年記念番組ということで相当力が入っていたことがわかります。

さらに全26話というのもすごいです。今この話数のドラマってほとんど無いですよね。そもそもそれだけのお金をかけて、ドラマ枠を取って、コケたら洒落になりません。また、現代の風潮というか、今、水滸伝を日本のドラマでやったとしても絶対にウケないだろうなと。

そういう意味で、とても貴重な作品であることは間違いありません。


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