評価・レビュー
☆4/5
「ChatGPTで小説を書く魔法のレシピ!: プロ作家とストーリーデザイナーが教える物語の秘密」は、ChatGPTを物語分析に活用する方法を紹介している書籍。物語や創作において、ChatGPTとの対話を通じて本質を深く掘り下げていきながら、物語のあらすじを作っていく感じ。
小説を書くのにAIを使いたいが、どうやればよいかわからないなら、一読すると面白いと思います。また、小説だけでなく、例えば新規企画の練り込みにも使える手法ではあるので、ビジネスでも活用できるかなと感じました。
本書の驚異的な点
本書が驚異的なのは、ChatGPTによって出力された文章をそのまま掲載しており、それがかなり大量にあるということです。
現状ではChatGPTで小説を書くのは難しいですが、ChatGPTの出力を使って本を書くことはできるというわけ。
この点が本書が素晴らしい点かなと個人的には思いました。
物語の構造をプロンプトに組み込む
個人的に非常に参考になったのは物語の構造と、それをそのままAIのプロンプト(質問)にも組み込んでしまうという点。
構造を組み込むことで、AIがそれに対応した物語の流れを作ってくれるというわけです。
本書では物語の構造を、
- 問題
- 敵
- 目的
として、それによって8つの物語のパターンが生まれるとしています。
結末は3種類
そのパターンから生まれる結末は、
- ハッピーエンド
- バッドエンド
- オープンエンド
で、結局このどれかに収束するというわけです。
つまり、何が言いたいかというと、小説の構造はすでにパターン化(標準化と言っても良いかな)されているということ。
これを知っているかどうかで、小説の書き方も変わってきますし、もちろんAIを使う際にもより求める回答を得やすいと言えます。
対話で深掘り
もう1つ本書で興味深かったのは、AIと対話しながら、物語を深掘りしていくという点です。これは人に寄るのかもしまれせんが、物語に深みを出したいとき、設定を詰めたいときに、AIと対話するというのは良い手法だと思いました。
つまり、昔は編集者と話しながら物語を詰めていたのをAI代替しようというわけです。
このやり方は前述したように、小説だけでなくビジネスでも使える手法のように感じました。自分の視野を広げるという意味でも使えますし、知識が不安な部分の補完にもなります。
もちろん、AIの精度はまだまだなので、ある程度裏取りも必要なことはありますが、とっかかりとしてAIと対話しながらビジネスを考えるというのは、手軽で良いと感じました。