
評価・レビュー
☆5/5
端的に言えば、良心を持たないサイコパスやソシオパスの特性について書かれた本です。
事例をもとに、サイコパスやソシオパスの行動、性格、態度などが紹介され、サイコパスに対処する13のルールが最後にまとめられています。
サイコパスとソシオパスについては、違う性格ですが、本書では「良心を持っていないこと」にフォーカスし、反社会性人格として一括りにして書かれています。
違いなどについては書かれていないので、あくまで、良心を持たない人の特徴として読んだ方が良いかもしれません。
表紙の裏には、良心をもたない人の特徴がまとめられています。
- 一見、魅力的でカリスマ性がある
- 嘘をついて人をあやつる
- 空涙を流して同情をひく
- 追いつめられると逆ギレする
- 自分にしか関心がなく、退屈刺激を求めて「支配ゲーム」に走る
- 人に依存したがる
- チームプレイがへた
- 近視眼的で世間知らず
すべてに当てはまるというわけではく、人によって違いはあるので、ご注意ください。
個人的に、読んでいてちょっと恐ろしかったのは、実際に自分が過去に出会った人と特徴が似ていると言うか、出てくるセリフまで似ていて、引いてしまいました。読んでいて、吐きそうになるほど・・・。
ただ、いろいろなことに納得はできたので、多少は消化できたかなと。
ちなみに、100人に4人というはアメリカのデータで、アジア圏はもっと数値が低いようです。
興味深いことに、東アジアの国々、とくに日本と中国では、かなりサイコパシーの割合が低い。台湾の地方と都市の両方でおこなわれた調査では、反社会性人格障害の割合が〇・〇三から〇・一四パーセント。西欧世界における平均約四パーセントとくらべて、きわめて低い数字である。
しかし、データも古いですし、時代はどんどん変化しているので、あくまで参考数値として考えた方が良いかなと思います。
以下、本書を引用しつつ個人的なメモ。
へんな目つき
スキップのへんな目つき
本書の事例にスキップというサイコパスが登場します。彼の特徴の1つにへんな目つきというのが出てきました。
この「へんな目つき」で見られる、睨まれると、何も言えなくなってしまうというものです。
で、自分の場合、似たようなことを経験していて、へんな目つきというわけではないですが、「相手に物を言わせないような強い目でジッと見てくる」というのがありました。
睨んでいるわけでもなく、見つめるでもなく、ただジッと見てくるというもの。
今でもこの目を思い出すことがありますが、スキップのへんな目つきと似たものだったんじゃないかなと思っています。
自分以外に関心がない
スキップは愛の対象としてだれかを求めたことは一度もない。彼は愛せないのだ。友人や家族が病気になったり困ったりしても、心配をしない。自分以外の人間には関心がないので、仕事で成功した話を両親や妻に聞かせることもない。
以前に、自分の悪い点を良い点に言い換えるというのをやったことがあります。これは、心理学で言うところのリフレーミングという手法です。
その中で、ある人が「関心はない」という項目を出していました。
その時は、それほど感じなかったのですが、関心がないというのは、このスキップの事例と似ているところがあるなと。
というのも、宗教の話をしたときに、その人は自分教だと言っていたからです。
自分を信じている人というのは日本では多いかもしれませんが、他者に関心が無いというのは、結構レアなのかなと。
似ているところがある
サイコパスはだれかを恰好の獲物と見てとると、その相手をじっくり観察する。どのように相手を操作し利用すべきか、そのためには相手をどのようにうれしがらせ魅了すべきか、考える。そしてさらに、サイコパスは親近感を強めるこつを心得ていて、犠牲者に自分と似たところがあると言って近づく。犠牲者はサイコパスと縁が切れたあとまで、自分の心をつかんだ台詞をよく覚えている。「ぼくと君とは似た者同士だ」「あなたとは心が通じあえるの」などだ。
これも自分が仕掛けられたテクニックです。
相手に、何度も似ていると言われ、かなり自分の中で親近感が高まりました。
似ているぐらいなら、誰でも言うだろうと思っているのですが、ちょっと特徴的というか、そこにこだわりすぎていると感じた時がありました。
具体的には、MBTIの性格診断です。
きっと似ているからやろうと言われたのですが、実際には特に相性が良かったMBTIではありませんでした。
しかし、相手はやっぱり似ているところがあると言っていました。
なので、テクニックの1つとして使っているんだろうなと。それを本書を読んで確信しました。
また、相手によって態度を変えるというのもまさにその通りで、人によって印象がかなり違うんですよね。
相手の好きなツボを見極めるのが上手いというか。
同情を買う
二五年にわたって被害者たちから話を聞いてきた現在では、サイコパスはなぜ同情を買うのが好きなのか、私にはとてもよくわかる。その理由は、善良な人たちが、かわいそうな人間にたいしては、殺人をも見逃しがちだからだ。そのため、ゲームの続行を望むサイコパスは、同情を誘うような演技をくり返す。
これもまさにその通りだなと。
そして、同情させるエピソードも違いがあることが後からわかりました。
つまり、前述したように人によって変えているということです。
さらに、人を動かすのにもこのテクニックを使っていて、男性だったらほぼ間違いなく騙されると思います。
本書でも書かれているのですが、外見はそういうことをする人に見えないんですよね。
そして恐ろしいことをする人間は、外見的には恐ろしいことをしそうに見えない。〝悪魔の顔〟はしていないのだ。
だから、言葉が刺さる。信じてしまう。
自分は、何故かこの手の人を惹きつける能力があるのか、何人かに引っかかっています。。。
ただ、これまで出会ってきた人は、基本、性的に魅力的な容姿の人が多かったです。
しかし、自分が完全にやられてしまった人は、それとは真逆の容姿。
だからこそ、周囲の人も皆騙されてしまうんだろうなと思いました。
興味が強い
皮肉にも、自在な感情表現がサイコパスの第二の天性になる。相手の悩みや情熱にたいする興味津々な態度、胸を叩いて訴える愛国心、正義感あふれる憤り、謙虚に赤らめる顔、悲しげなすすり泣き。思いどおりに流す空涙は、サイコパスの得意わざだ。
この中の「相手の悩みや情熱にたいする興味津々な態度」というのは、まさにその通りだったなあと。
実際に、興味はかなり強いのは確かなようです。
しかし、関心はない。
この関心はないというは、人を好きになることは無いということです。
また、同情と同様に空涙的なことをしているのが、後から判明しました。
あまりにも恐ろしすぎて、ブロックして正解だったなと。
単独行動
そしてサイコパスはほとんどつねに単独で活動するが、これも一時的には成功しても、長つづきしない原因のひとつだ。あくまで利己的なため、彼らはチームプレイが非常にへただ。サイコパスは自分にしか関心がない。べつの人間を相手にするときは、嘘やお世辞や脅しを使う。
これも当てはまる項目でした。
いろいろな話をしたのですが、友人の存在がいっさい感じられませんでした。
話にすら出てこないですし、友人はいないと言っていました。
さらに、今回、自分以外にもモメている人がいて、ああと納得。
そして、今も嘘で人を操っています。
嘘を吐き続けて、良心が傷まないのかとずっと思っていたのですが、そもそも良心が無い可能性があって、対処方法を間違えていたんだなと改めて思います。
三回の原則
どんな種類の関係であれ、新たなつきあいがはじまったときは、相手の言葉、約束、責任について、「三回の原則」をあてはめてみること。
これは、個人的にもやっているというか、ずっと小さい頃から3回というのをしきい値にしています。
端的に言えば、3回嘘を吐いたら、絶対に信用しないということです。
最近出会った中では他にも、3回金をちょろまかそうとする人がいます。
人間ですから、計算間違いもあるし、勘違いもあるでしょう。そういうときに、素直にそう言った場合には、個人的にはカウントしてません。
ただ、明らかにとぼけて、金をだまし取ろうしていて、それが4〜5回あったので、そういう人なんだなと諦めました。
また、本書を読んで、まさに様々な特性が当てはまった人の場合も、同じようにアレ?と思ったことがあって、結果として自分から離れる決断をしました。
1つ加えておくと、自分がおかしいなと思ったのは、あまりにも清廉潔白というか、話していて欲望感がほとんど感じられなかったですよね。
実際にはそんなことはなく、かなり強い支配感情を持っていることが後からわかりました。
相手に対して、対等だと思っていた人間関係において、「要求」という言葉を使っていたからです。
xxして欲しいならわかりますが、要求って・・・。完全に相手を下に見ていて、無理やり従わせようとしている感じ。
で、サイコパスの特徴として支配ゲームをしたがるというのがあって、ああ、そうかと。
自分が相手を支配している側だと思っているから、そういう言葉が出てくるんだなと思いました。
この支配ゲームという点に関しては、他にも感じた点があり、当てはまる項目でした。
他にも、今回自分が出会った人物に当てはまる点があり、かなり恐ろしいなと感じています。
対処方法は、近づかないことしかないだろうなと。
良心があれば、愛という最高のリスクを受け入れるチャンスもあたえられる
良心をもっていると、あなたは自分の思いどおりにできないかもしれない。物質世界で素早い成功をなしとげるために必要なことができないかもしれない。富も名声も手に入らず、つらい目に遭うかもしれない。でも、良心の欠けたうつろな、危険好きの人たちとちがって、あなたの人生にはほかの人たちといることから生まれる温かさがある。そして迷いも、激しい怒りも、快さも、喜びも感じることができる。そして良心があれば、愛という最高のリスクを受け入れるチャンスもあたえられる。
と、ちょっと暗いというか、ネガティブな内容ばかりを書いてきましたが、本書のまとめが良かったので最後に紹介しておきます。
良心があるなら、愛を得られるチャンスがあるという話。
まあ、チャンスなので、手に入らない場合もありますが(笑)
皆様も良心を持たない人には、十分注意してください。
アレ?っと思ったら、それは相手が良心を持たない人の可能性があります。
もちろん人間ですから、完璧な人はいません。
単純にそういう性格で、害がない場合も多いです。
ただ、嘘を吐き続ける人は、やはり付き合わない方が良いでしょう。