あくまで個人的な考えをつらつらと書いたものです。時とともに考えは変わっていくので、書いている時点で思っていたことのメモ的なもの。
目次
性別変更に手術必要は違憲か?
まず最初に最高裁が下した判決は、戸籍の性別変更を認める5つの要件のうち「生殖腺や生殖機能がない」を違憲と判断。15人の裁判官が全員一致だそうです。
ただし、「変更後の性別の性器に似た外観を備える」については、高裁での議論が十分に行われておらず、高裁への差し戻しとなりました。
この段階では、性別変更に手術必要は違憲かどうかについては、まだ確定していない状況かなと。
というのも、「変更後の性別の性器に似た外観を備える」には手術が必要だからです。
動画ではすぐさま国会で法律変更をすべきだという話もありますが、個人的にはまだ早いかなという印象。
おそらく高裁での審議を経て、さらに状況を見てから国会審議になると思われます。
戸籍がサクッと変更できると
この裁判が注目されているのは、戸籍の性別の話です。
それを手術要件無しに変更できてしまうと、言ってしまえば犯罪が起きる可能性があるということ。
実際に海外では問題がいろいろと起きています。
これが日本でも起きる可能性があるということです。
極論を言えば、身体が男性で性自認も男性の人であってもサクッと戸籍を女性に変更でき、女子トイレや女湯などに普通に入っていけるという話。捕まった時に性自認は女性ですと言えば問題ないからです。
このように一部の人の特例を認めることで、多くの方に被害がでる可能性があることを踏まえた上で、考えるべき問題ではないかなと思っています。
正直、本来はもっと慎重に議論すべき内容で、最高裁のみで決めて良いものではないかなと。
海外ではという言説は意味を為さない
そもそも歴史も違うし、社会としてのあり方も違うため、海外ではすでにxxだという言説は、まったくもって意味を為しません。
また、海外でもトランスジェンダーについては様々な問題が起きています。
特に顕著なのはスポーツ業界でしょう。
女子スポーツに元男性が参加し、記録を塗り替えたり、優勝したりしています。
もし戸籍をサクッと変更できてしまったら、今よりも酷い状況になることは間違いありません。
一部のスポーツを除いて、スポーツ業界は男性が支配することになるでしょう。
これは遺伝子が原因なので仕方ありません。
それを差別と言ってしまうのは、個人的には違うと思っています。
言い過ぎかもしれませんが、犬と狼を同じ種として扱うようなものです。でも、それについては皆おかしいと感じますよね。
見た目が近いから一緒と考えるのは間違っています。男女というのはそのぐらい違うものだと考えた方が良いという話です。
結局、その認識が無いまま、トランスジェンダーの権利を認めることを急ぎ、今までにはなかった問題が新たに発生しているわけです。
トランスジェンダーを認めないのか?
個人的にはそういう話ではないかなと思っています。
トランスジェンダーの方たちの苦悩というのは、少しだけわかる気がするからです。
ただ、前述したように少数の権利を認めることで、多数の人の権利が損なわれる可能性がある場合、それを安易に認めるのは社会として正しく機能してないという話。
例えば、万引きをしないと心が辛くて辛くて仕方ない人がいたとしましょう。そういう人に対して万引きする権利を認めろと言っても、誰も認めないと思います。
万引きと性では違いがありすぎるという人もいるかもしれませんが、当事者にとっては死活問題だったらどうでしょうか?
月に1回万引きしないと発狂して自死をはかるような人だったら?
その人の万引きを認めないということは、その人を殺すに等しいわけです。
そんな状態でもきっと万引きは認められないでしょう。
その根幹には、個人の自由がどこまで認められるのか?という議論があります。
基本的には「他者に危害を加えない範囲において個人は自由であるべき」というのが、多くの人がぼんやりと思っていることかなと。
で、問題は他者に危害を加えないという点で、戸籍の性別を自由に変えられてしまうと、他者に危害を加える人がでてくるのが問題なわけです。
戸籍の性別を変更しても本人は悪いことはしないという意見
これは確かにその通りだと思います。
裁判まで起こして、戸籍の性別を変えたいという強い意思があるわけですから。
ただ、問題はそこじゃないんです。
前述したように他者に危害を加える人がでてくる可能性があってそこが問題。
自分には別に実害が無いから、他人の不利益は知りませんという考え方もあるでしょう。
しかし、我々は社会の中で生きています。
一人では生きていないのです。
だから、社会の中で個人の利益が優先されないこともある。たとえ、それが人権に関することであっても。
例えば、先程の万引きもそうでしょう。
また殺人犯が人質を取って立てこもっていた場合はどうでしょうか?
殺人犯の人権を守る必要はあるのでしょうか?
もちろん、捕まった後や裁判においては人権が守られる必要はあります。
ただ、殺人犯が人質を取っていたら、その人質の人権はどうなるのでしょうか?
その場合には、人質の人権を守るために殺人犯の人権が守られないこともあると思います。
結局、トランスジェンダーの戸籍性別問題は、人権 vs 人権の争いであり、正直正しい答えというのは存在しないと思っています。
解決策案
だからといって、トランスジェンダーの方たちの思いを一方的に踏みにじるのも違うでしょう。
しかし、現状のルール、法律ではもはや解決はできないのではないかというのが個人的な考えです。
そのため、まったく別の解決策を考える必要があるだろうと。
個人的には、
- 戸籍の性別と社会的な性別(性自認)を分ける
- 手術を必要としない戸籍変更については都度医師の診断や審査をする
あたりがあり得るかなと思っています。
戸籍の性別はあくまで遺伝子、つまり染色体です。身体の性別と言っても良いでしょう。社会的な性別は性自認、つまり心の性別です。
例えば、雇用の問題。雇用においては一部の業種を除いて、基本的に性別によって合否を判断してはいけません。ですので、履歴書の項目では社会的な性別(性自認)の記載で問題ありません。
トイレなどの場においては、現状では当然戸籍の性別が適用されます。公共の場ですから。
ただし、今後トイレなどは4種類作るのがベストかなと。それぞれを別の性として認識するので。
ビジネスの問題から4種類作るのは大変ですが、そこは需要と供給でバランスが取れるのではないかなとも思います。
そもそも、このシステムの場合、どのぐらいそれぞれの性が存在するかわかるというのもありますね。
ただ、現実問題としては難しいのかなと。
手術を必要としない戸籍変更については都度医師の診断や審査をする
で、第二案の「手術を必要としない戸籍変更については都度医師の診断や審査をする」が現実的な判断ではないかなというのが個人的な見解です。
法律で一律に決めてしまうのではなく、個別に判断するという話。
これであれば、現状の法律を変更する必要はありませんし、戸籍の性別変更の要件や手続きを変更する必要もありません。
法律としては、「手術が難しいような場合等について、個別に判断を行う」みたいな文言が追加されるという感じ。
この方法なら医師の診断や審査についての要件を議論すれば良くなります。
また、身体が男性、性自認男性の人が気軽に戸籍を女性にすることは難しくなるため、問題も起きにくいでしょう。
当事者が求めているのは法律の変更?
最後に個人的に疑問というか、本当にそれで良いのかなあ?と思った点について簡単に書いておきます。
そもそも当事者が求めているのは、法律の変更なのか?という話です。
おそらく当事者の人が求めているのは、戸籍の性別の変更ではないのかなと。
自分の性自認は女性or男性で女性or男性として認めて欲しいと考えていて、その根幹に戸籍の性別があって、どれほど頑張っても戸籍の性別からは逃れられない苦悩、国から認められていない苦しみがあるのかなと個人的には思いました。
つまり、本来の争点は「私の性自認を国として認めて欲しい」なのではないかなと。
法律を変えて欲しいわけでは無いんじゃないでしょうか。
まあ、実際に御本人に話を聞かないとわかりませんが。
ただ、今回の件って何か弁護士の方たちのショーの道具にされている気がして、それって御本人はどう思っているのかなと、そんなことを思いました。
活動家とかもそういうパターンがあるので、なんか本人不在の議論で、どうなんだろうなと。
LGBTQ法案の時もそうでしたけど、当事者たちの意見というか、思いをしっかり聞いた方が良いんじゃないかなって。
結局、そこがズレてしまうと、誰も幸せにならない気がしたからです。