Vivy -Fluorite Eye’s Song- アニメレビュー

投稿者: | 2021年6月18日

Vivy -Fluorite Eye’s Song-とは

Vivy -Fluorite Eye’s Song-は歌で人を幸せにするという使命を与えらたAI(アンドロイドという表現が良いかも)のVivyと100年後の未来から来たAI Matsumotoが、シンギュラリティ計画を遂行し100年後に起きるAIの反乱を防ぐ物語。

シンギュラリティ計画を進めていきながら、主人公のVivyは心を込めて歌うとはどういうことか? 心とは何か? という問いの答えをさがしていく。

2021年4月から放送開始。

評価

☆5/5

人間では生きられない100年スパンという設定が面白く、うまく表現されています。サブタイトルに「私が私を滅ぼす物語」と書かれており、観ていくといろいろと感じるところがあります。

制作は進撃の巨人の高クオリティアニメで一躍有名になったWIT STUDIOだけあって、戦闘シーンもカッコよく、アクションアニメとして観ても面白いです。

OPやEDも少しずつ毎回変わったりしているので、飽きさせない工夫がされているなと感じました。

数話単位で1つのテーマが進んでいくのも見やすい点かなと思います。

アニメ好きなら絶対観ておきたい一作。AI系の話が好きな人にもおすすめです。

余談:AIが人間に近づくために必要なこと

そもそも現在のAI開発の方向性は、人間に近づけることを考えていません。あくまで最適解を出すための機械として作られたものだからです。ですので、今のAI開発の未来には本作に出てきたVivyのようなAI(アンドロイド)は出てこないでしょう。

シンギュラリティとは技術特異点と訳され、コンピュータが人間を越える時点のことを言います。2045年ころと推測されていますが、個人的にはすでに計算能力だけ言えばコンピュータの方が人間より優れていると考えています。それはアルファ碁などの事例からもわかるでしょう。

ただ、アルファ碁をどれほど開発しても、人間のように喋ったり、感情を持ったりしないだろうことは誰でも予測できます。それがAI開発の方向性の違いです。

では、どうすればAIは感情を持ち自ら考えるようになるのでしょうか?

これは個人的にですが、人間の成長とAIの成長を同じようにすべきではないか?と考えています。現在のAIは、人間によって集められた学習データを強制的に覚えさせるスタイルです。いきなり大人の人間を作ろうとしていると言えます。

そうではなく、人間の自我の発露と同じ環境をAIにも与えてあげるという考え方です。人間は生まれてからさまざまな情報を脳に蓄積していきます。トライ・アンド・エラーで経験を積み、最初の自我の発露が起きます。最初の自我の発露では自分と他者をあまり区別せず、ある種大人のマネをする生き物です。

そして、その期間を経て第二の自我の発露が起きます。これは自己と他者を区別し、自身が1つの生命体であることを認識する行為です。いわゆるその最終段階が反抗期になります。

これらの自我の発露は突然起きるわけではなく、数年かけてゆるやかに進行していきます。お酒が醸成されるのに似ているかもしれません。

人間に近いAIを作るのであれば、この人間と同じような経験を積ませることが重要ではないか?と個人的に考えています。

また、心とは何か?や人間とは何か?について、もっと深く考える必要があると個人的には思っています。このあたりは、

AIを破壊するAI アニメ Vivy -Fluorite Eye’s Song-を観て人の本質を考えた話 | ネルログ

で書きましたので興味があれば御覧ください。

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