残穢 – ヒタヒタと何かが迫ってくるような恐ろしさ、得も言われぬ不安感

投稿者: | 2025年4月9日

☆5/5

小野不由美先生によるホラー小説。

読者から寄せられた「部屋で奇妙な音がする」という手紙をきっかけに、小説家である「私」は、怪異現象の調査をしていくと、怪異現象のはその部屋だけでないことや、過去の住人たちが引っ越し先で不幸な出来事に遭遇していた事実が明らかになっていく。1つ1つは別の事件だが、もしかすると関係性があるようにも思える。そして、それは「穢れ」が原因で、「穢れ」が人から人へと伝播していくのではないかと推測するのだが・・・私自身も体調が悪くなっていくのだった・・・。

という感じの内容。

全体として淡々とした語り口調で進み、「きゃー」とか「わー」とかはなく、ヒタヒタと何かが迫ってくるような恐ろしさ、得も言われぬ不安感が、本作の特徴かなと思います。

ジャパニーズホラーという感じなので、そっち系が好きな方は楽しめるかなと。

また、個人的には、タイトルの残穢というのが素晴らしいと感じました。

詳細は省きますが、本書自体が残穢的な役割も果たしているんだろうなと。

家に置いておきたくない本という感想も分かる気がするなあと。

図書館で借りた本なので、良かった(笑)

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