映画 ワイルド・スピード/ジェットブレイク レビュー ツッコミ所は多いが派手な演出のためと割り切れば楽しめる

投稿者: | 2022年4月16日

評価

☆4/5

とにかくド派手な映像と、めちゃくちゃ金がかかってるなあって感じさせる映画です。ストーリーはいろいろとアレですが、回を重ねるごとにこういうシーンかっこよいよね!みたいなのを追求しているように感じます。

派手な作品が好きなら楽しめると思います。ただ、ツッコミどころもいろいろとあるのと、ストーリーを楽しみたい方はシリーズを観てないと誰が誰だかよくわからんことになるので、過去作を観てからが良いかなと。

一応、過去作を全部観てはいるのですが、もう20年ぐらいやっているシリーズなので、個人的に結構忘れていることも多かったです。まあ、自分の場合、この手の作品では細かいことはあんまり気にしない人なのでエンタメ作品としては楽しめました。

話としては

様々な事件を経て田舎でレティ(ミシェル・ロドリゲス)と息子 ブライアンの3人で過ごしていたドミニク(ヴィン・ディーゼル)のもとに仲間が訪れ、世界のあらゆるコンピュータをハックできる装置が盗まれたことを告げる。もう危ないことには関わらないと決めたドミニクだったが、映像に見覚えのあるペンダントを付けた男を見つける。それは若き日に決別した弟 ジェイコブ(ジョン・シナ)のものだった。


ちょいネタバレありの気になった点

それでも観ていて、うーんと思ってしまった点がいくつかあります。ただ、ある程度説明はつかなくもないかなと。

電磁石で車を吹っ飛ばす

強力な電磁石で車を吹っ飛ばすシーンがあるのですが、鉄は軟磁性体なので、磁石を離すと基本的に鉄の磁力もなくなるんですよね。

原理としては鉄を強力な電磁石でくっつけて、その時に鉄が磁石化して、電磁石の磁極を逆にして磁力の反発力で飛ばしたということだと思います。ただ、あれほど吹っ飛ぶかは疑問。車は鉄だけでできてるわけではないですし、そこまで磁力が強くなるとも思えないので。永久磁石だったら、あり得るかなとは思いますが。

まあ、吹っ飛ばないと映像的にというのはあるんだろうなと。

狙ったものだけ電磁石にひっつく

これもちょっと観ていて気になってしまいました。電磁石で敵の車をひっつけて捕獲するのですが、逆側にも車が走っていたりして、なぜ片方だけにくっつくのかは謎。また、そのシーンでは車以外のものはひっつかないんですよね。

加えて建物は鉄筋のものもあると思うので、それらも引っ張られないと変な感じもあります。まあ、昔からの建物で鉄を使っていないという話なのかもしれませんが。

まあ、見せ方として本当になんでもひっついてしまうと、よくわからなくなるというのはあるので。ただ、あまりにも都合よく狙ったものだけひっついているはちょっと気になってしまいましたね。

電磁石で電子機器が壊れない

前述のように狙ったものだけひっつく電磁石なので、まあ電子機器を磁力が避けているのかなと思うほど。

現在の車はコンピュータを積んでいるものもあるので、あれほど強力な電磁石による磁力の影響がまったくないとは思えないかなと。

何か磁力を防ぐシールドがついていたのかもしれません。よく使われるのが鉄なのですが、そうなると引っ張られないとおかしいんですよね。

落ちる吊橋から登ってくる

自由落下状態に入ると普通の車ではどうしようもありません。ある意味、後半に出てきたロケットエンジンを積んでいるなら話はわかりますが。

まあ、原理としてはほぼ垂直になった崖を登ったということなのだと思います。摩擦があれば、なんとかならなくもないとは思うので。

これも映像としての面白さから作られたシーンかなと思います。

衛星軌道低くない?

人工衛星の実用上高度は最低でも100km以上必要らしいので。低すぎると空気があることで衛星の速度を保てなくなり、落下してしまうからです。

落下してしまうと、そもそも悪の軍団の目論見が終わってしまうと思うので、もう少し高い必要があるんじゃないかなと。

まあ、80kmも100kmもそれほど変わらないという話もあるらしいので、そこから80kmにしたのかも。

というのも、現在宇宙空間は高度100km以上とされていますが(カーマン・ライン)、この見直しが提案されているようで80kmになるかもしれないからです。そもそもアメリカの連邦航空局は80km以上を宇宙空間と定義しているので、作中の話は一概に間違いとは言えないかなとも思いました。

ただ、低すぎると衛星として機能しないので、どのみちもう少し高度が高くないとダメなのでは?と思います。

宇宙ステーション的なやつと遭遇

車で宇宙に行って衛星を破壊した二人は宇宙ステーション的なものに遭遇して助かったというストーリーになっています。

ただ、宇宙ステーション的なものって高度200kmなんですよね。劇中では80kmまでしか上がっておらず、のこりの高さ120kmをどうやって上がったのかは謎。地球側から衛星に向かってロケットエンジン全開なら、まだわからなくも無いですが、劇中では横に向かって突き進んでいるので。

いろいろツッコミどころはあるけど

まあ他にもいろいろと気になる点はあるかと思いますが、それでもド派手な演出のためということであれば、個人的にはうけいれてしまう人なので、評価は☆4としています。

やっぱりかっこいい映像は、それだけで楽しいです。映画はフィクションですから。

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