なぜ新聞やテレビはゲームを批判するのか?

投稿者: | 2021年4月7日

こんな記事がありました。

ゲームをしたことのある10~70歳代を対象とした厚生労働省の全国実態調査で、休日の平均ゲーム時間が「3時間以上」と回答した人が25%に上ることがわかった。「ゲームをやめられない」と回答した40~50歳代は1割を超え、中高年でも生活や健康に影響が出ている実態が浮き彫りとなった。

ゲームやめられない中年、高まる依存症リスク…医師「スマホで手軽に始めてしまう」 : 医療・健康 : 読売新聞オンライン

とても興味深いですね。

ただ、この記事、あまりにも一方的で批判を浴びているようです。

そこで個人的にいろいろと考えたことをまとめていきます。

ワーカーホリック

1週間のうち40時間以上(1日8時間5日勤務)働いている人は全体の何%なのでしょうか?

休日に3時間以上して依存症と言われるなら、もはやこれはワーカーホリックと言わざるを得ません。

ゲームに依存したことで起きた生活や健康への影響と、仕事に依存したことで起きた生活や健康への影響、どちらが大きいかは明白ですよね。まったくもって論点がズレています。

仕事はお金を稼ぐためのものだから別という反論もあるかもしれません。それはお金に対する依存症ではないでしょうか?

先ほどと同様にゲーム依存で起きたトラブルと、お金依存で起きたトラブル、どちらが大きな問題になっているでしょうか? これも明白ですよね。

テレビ依存の方が深刻

ゲームが休日に3時間プレイしただけで問題になるというのであれば、やはりテレビの方が問題でしょう。

とりあえず家に帰ったらテレビをつけるという人は、未だに多いのではないでしょうか?

テレビをつけていても、ながら見だったり、あんまり考えずにダラダラ見るだけってことが多いですよね。で、気づけば数時間テレビがつきっぱなしってことがないでしょうか?

正直、ゲームよりもこちらの方が大問題でしょう。

1日のテレビ視聴時間の平均は、

全体の平均利用時間は「テレビ(リアルタイム)視聴」が最も長く、平日が168.3分、休日が225.4分であり、休日は平日より60分近く長かった。 

総務省|平成26年版 情報通信白書|主なメディアの利用時間と行為者率

というデータが出ています。少し前のデータですが、ゲームよりもテレビを視聴している時間の方が圧倒的に長いんですよね。まさにテレビ依存。

こちらの方がゲームよりも先に糾弾されるべきです。

昔はテレビ依存について指摘されたことはありましたが、今はめっきり減ってしまいました。それには別の意味があるからです。

新聞・テレビへの情報依存

別な視点で考えてみましょう。世の中には新聞やテレビに依存している人が多くいます。新聞やテレビの情報だから正しいといった論拠です。

しかし、新聞やテレビはたびたび誤情報を発信したり、デマを流したりします。過去何度も謝罪していますよね。それによって、殺人が起きてしまうこともありました。

この新聞やテレビに対する情報依存の方が、ゲーム依存よりも問題ではないでしょうか?

けれど、新聞やテレビは自身への情報依存に対しては何ら言及しません。なぜでしょうか?

自らの快楽に溺れるマスメディア

これは依存される側に快楽があるからです。それは支配欲求という言い方もできるかもしれません。特に情報を支配するというのはとても大きな武器であり、そして快楽を伴います。

年々マスメディアに対する信用度は落ち、インターネットの普及やYoutubeなどの動画サイトなど、段々と新聞・テレビ離れが進んできました。それにより、大手マスメディアは情報依存の力を失っています。つまり、雌メディア自身が快楽を得られなくなってきているのです。

実はこれがゲーム依存などを糾弾する根本です。インターネットが登場し拡大していくときもネット依存という言葉で多くのマスメディアが非難しました。

彼らは自分たちの情報に依存する人がいなくなることで支配という快楽が失われるのが怖いのです。だから徹底的に他への依存を叩こうとします。

依存してよいのは自分たちだけだと暗に言いたいのです。信用できるのは自分たちだけだと言い続けているのです。

日本のジャーナリズムはなぜ死んだのか?

本来報道には、中立性や正確性が求められます。

しかし、日本のマスメディアは言論の自由、表現の自由を盾に中立性や正確性を無視し、自らの快楽を貪るための情報発信をしています。

だから「日本のジャーナリズムは死んだ」と言われるのです。

ジャーナリズムの必要な要素として、

  • バイライン(署名)
  • ソース(情報源)
  • クレジット(引用・参照元)
  • オプ・エド(反対意見)
  • コレクション(訂正欄)

があります(ソース:報道 – Wikipedia)。

今の日本のマスメディアは飛ばし記事の場合、署名をせず、情報源は明かさず、引用・参照元も載せず、反対意見は書かないことが多いです。特に、日本のマスメディアは情報源と反対意見はほとんどの記事で載せていないと言えるでしょう。

これは自分たちマスメディアの意見が正しいという前提で情報発信をしているからです。前述したように彼らは情報依存による支配の快楽にとらわれているため、自分たちへの情報依存から逃れる術を徹底的に排除します。反対意見や情報源を載せないのはそのためです。

本来あるべき姿は、自らの快楽を追求することではなく、中立的な情報を多くの人に伝えることでしょう。

そろそろ日本のマスメディアも新しい体制に変わっていく必要がある時期なのではないでしょうか?