評価・レビュー
☆4/5
麻薬密輸業をしていた兄とは違い、真面目に大学に行き、金融業界を目指していたドリスだったが、兄が逮捕されてしまったことで、関わり合いたくなかった裏社会に足を踏み入れてしまう。一方で、新人の麻薬取締官のウィリアムは名前を挙げるために、無茶な捜査を続けていた。そして二人の運命が重なり合うことで、大きなうねりとなっていくのだった。
みたいな話。
全体的に緊迫感のあるシーンが多く、また話が二転三転していくのが面白かったです。
何だろう、問題を解決しようとすると、深みにハマっていくというか。
ドツボにハマりつつも、またそこから這い上がっていき、そこに各登場人物の思惑が交錯して、事態が複雑になっていく感じ。
でも、そんな中で、人と人の心の絆というか、心の繋がりというか、それが本作のテーマなのかなと思いました。
フランスの作品だからなのか、あまり熱い思いみたいなものは無くて、結構綺麗に描かれているのが特徴。
なので、逆にそのあたりが個人的に物足りなさを感じてしまったポイントなのかも。
アメリカの作品だったら、こうもっと胸熱な感じに仕上げるだろうなあと。
そういう意味では他にはあまりないテイストなので、新鮮味はあります。
あと、ふと思ったのは親ガチャ的な話。
主に話されるのは、金持ちとか貧乏とか、虐待とかそういう系の話が多いですが、こういうギャングというか、裏社会に生きる親の子どもというのも大変だなと。
主人公のドリスの恋人は弁護士なので、そういう意味でドリスが普通の家に生まれていたら、また違った人生だったんだろうなあと感じました。
Amazonオリジナル作品。