小説 運転者 未来を変える過去からの使者 – 自分は運が悪いと思っている人にこそ読んで欲しい

投稿者: | 2024年5月3日

評価・レビュー

☆5/5

急な多数の保険解約によって窮地に立たされていた保険営業の修一は、家族のこともあり、何とか挽回しようともがいていたが上手く行かず、不機嫌な日々を送っていたのだが、ふと乗ったタクシーによって、人生が大きく変わっていくのだった。

みたいな話。

小説でありながら、自己啓発本的な側面もあって、とても楽しめました。

テーマは運

本作のテーマは運です。

運が良いとか、運が悪いとか、自分も良く言うセリフではありますが、その運というのは一体何なのか?について書かれています。

正確には運というものの捉え方なのかな。

その捉え方によって、生き方が変わるというか、世界の見え方が変わるという感じです。

なので、自分は運が無いなあと思っている人に、一読して欲しいと思いました。

文体的にも非常に読みやすくてサクサク読めるのでおすすめです。

以下は個人的に良かった言葉のメモ。

アンテナの感度は、上機嫌のときに最大になる

運が劇的に変わるとき、そんな場、というのが人生にはあるんですよ。それを捕まえられるアンテナがすべての人にあると思ってください。そのアンテナの感度は、上機嫌のときに最大になるんです。逆に機嫌が悪いと、アンテナは働かない。最高の運気がやってきているのに、機嫌が悪いだけでアンテナがまったく働かないから、すべての運が逃げていっちゃうんです。

喜多川泰. 運転者 未来を変える過去からの使者(Amazon Kindle)

これは個人的にも納得できるというか。

上機嫌である必要があるかどうかはわかりませんが、不機嫌だったり、心が病んでいる時というのは、結構視野が狭くなっていることが多いかなと。

なので、大切なことを見逃しがちな気がします。

イライラして、早くその場を立ち去りたいということばかり考える

機嫌が悪い人は、最高の運気がやってきている場にいても、それに気づかないでイライラして、早くその場を立ち去りたいということばかり考えるんです。上機嫌でいないと。

喜多川泰. 運転者 未来を変える過去からの使者(Amazon Kindle)

自分も若いときは、そうだったかなと思います。

いろいろなことにイライラしていたような気がしますし、不満ばかり抱えていたというか。

また、客観的というか、周囲の人からしても、イライラしている人がいると雰囲気が悪くなるので、居なくなって欲しいというのは、ある気がします。

そういう見えないプレッシャも、その場を立ち去りたいと考えてしまう理由なのかもしれません。

不機嫌な人が成功したことなんてない

保険の営業だけじゃなく、どんな仕事をしている人でも、不機嫌な人が成功したことなんてないですよ。逆に、上機嫌でさえいれば運が好転する場面が自分でわかるのに。もったいない……。

喜多川泰. 運転者 未来を変える過去からの使者(Amazon Kindle)

これは何となくの肌感ですが、合っているような気がします。

基本的にビジネスの場において、相手が不機嫌だったら、一緒に仕事をしたくはないなと思う人がほとんどではないでしょうか。

それは一緒に仕事をする仲間であっても、ビジネスパートナーであっても。

また、顧客でも不機嫌な人が相手だと、ちょっとやりにくいと感じますよね。

逆に機嫌が良い人なら、ついサービスしてしまうこともあるような気がします。

そういう意味で、不機嫌というのは、見えないところで損をしているのかもしれません。

収入がなくなっても、仕事がなくなっても終わりなんてない

収入がなくなっても、仕事がなくなっても終わりなんてないです。そこからまた始めるだけです。その強さは誰にだってあります。だから心配しなくていい。

喜多川泰. 運転者 未来を変える過去からの使者(Amazon Kindle)

自分がメンタルを病んでしまい会社を辞めることになったとき、収入が無くなりました。

仕事もありません。

そもそも仕事をする気力も湧かなかったのですが。

それでも、まあなんとか生きてます。

歳を取って、いろいろと大変だなと感じることは多々ありますが、結局、また歩き出すしか無いんですよね。

正確には歩きたいんだろうなって思います。

絶望した時、そこで歩みを止めてしまう人もいますし、その気持ちはすごくよく分かるというか、自分もそんな風に考えていたので。

ただ、時間なのか、何なのかはわかりませんが、今は心のどん底からは脱することができています。

本作ではどん底から始める勇気さえあればと表現はしていますが、その点については、勇気では無いのかなって。

どちらかというと、個人的にですが、人の温かさ、温もりによって、自分の心が温められるという感覚でした。

それは優しくされるとか、気にかけてもらうということではなくて、人と話したり、人と関わること自体の大切さという感じです。

なので、家族だったり、友人だったり、恋人というのは、とても大切な気がしています。

自分に都合のいいことをイメージしていれば、それが起こるなんて、プラス思考じゃない

自分に都合のいいことをイメージしていれば、それが起こるなんて、プラス思考じゃないですよ。本当のプラス思考というのは、自分の人生でどんなことが起こっても、それが自分の人生においてどうしても必要だから起こった大切な経験だと思えるってことでしょう

喜多川泰. 運転者 未来を変える過去からの使者(Amazon Kindle)

これはとてもいい得て妙ですね。

思っていることが勝手に実現するということはありません。

行動しなければ何も起きないからです。

そして、行動すれば善いことも悪いことも起きます。

それらの経験を経て、人間は成長していくわけです。

行動すれば必ず成功するわけではないですが、少なくとも成長はできるでしょう。

RPGで言えば、経験値が溜まってレベルアップしていく感じ。

レベルが足りなくてボスは倒せないかもしれないけれど、着実にレベルアップしていけば、いつかはボスを倒せるようになります。

最初から『むしろよかったんじゃないか』って思うと、結構いろんなことが楽しめる

起こった直後は『最悪』と思っても、時間が経って考えてみると『むしろよかったんじゃないか』って思えることばかりですからね、人生なんて。だから、最初から『むしろよかったんじゃないか』って思うと、結構いろんなことが楽しめるもんですよ

喜多川泰. 運転者 未来を変える過去からの使者(Amazon Kindle)

物事の捉え方で、世界の見え方が変わるというか、人生が変わるのかなって思います。

良い例かどうかはわかりませんが、自分の場合、ゲームの配信をしていて、最悪なことが起きた時、本当に最悪だーと思う反面、これはショート動画で出そうと思っている自分がいます。

まあ、底辺Youtuberにすらなっていないので、微妙な話ですが、お笑い芸人の方たちも結構こういうところありますよね。

悪い結果になっても、それがお笑いとして「おいしい」みたいな考え方です。

それによって放送で使わることになるので。

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