ドラマ テセウスの船 – 自分が脚本家だったら名前を出したくないと思った作品

投稿者: | 2024年3月5日

評価・レビュー

☆2/5

殺人犯の息子として辛い人生を送っていた田村心(竹内涼真)は、妻の言葉がきっかけで父親 佐野文吾(鈴木亮平)が起こした音臼小無差別殺人事件と向き合うため、音臼小の跡地へ行くのだが、そこで謎の吹雪にあい、事件が起きた当時にタイムスリップしてしまい、事件を防ぐために動き出すのだった・・・みたいな話。

原作は東元俊哉先生の同名の漫画です。

設定や話の流れが面白く、9話まで一気見するレベル。キャストも豪華ですし、演者の方々の演技や表現も良かったと思います。

特に子役は結構光っていたと感じました。

ただ・・・、最終話で冷水をぶっかけられます・・・。

正直、今までの9話の前フリって何だったの?みたいな感じです。

最終話まで積み上げてきた積み木をいきなりうっちゃり、お医者さんごっこを始めるぐらいのぶった切り感。

で、気になって調べてみたら、原作とは犯人が違うとのこと。ああ、そういうことかと思いました。

あまりにも9話までのクオリティが高かっただけに、最終話の酷さが目立ち、個人的にはドラマは☆2という評価です。

これは正直、自分が脚本家だったら、名前を出して欲しくないレベルでした。

原作改変が悪いという話ではない

最近ではセクシー田中さんの件で、原作改変の問題がありました。

本作も原作改変ではあるのですが、個人的には原作者がOKを出しているなら、ドラマや映画などで原作とは異なる展開でも問題無いと思っています。

あくまでドラマや映画は二次創作で、別物と捉えているからです。

ただ、改変するのであれば、ちゃんと改変してほしいなと。

本作は9話まででかなり伏線がはられていて、もう明らかに展開が見えていました。

これは原作が素晴らしいからでしょう。非常によく出来ていて、原作者の練り込み具合がよくわかります。

ところが、ドラマではそれらの伏線をすべて無かったことにして、話がまったく違うものに変化するのです。

流石にこの最終回は、脚本家だけで決めたものではないでしょう。

もし、脚本家の独断であれば、干されても良いレベル。おそらく、セクシー田中さんの件と同様、様々な利害関係者によって、無理やり変更させられたのではないかなと。

それゆえに、自分が脚本家だったら、名前を出したくないなと思いました。

例えばロケ番組で仙台に行き、仙台と言えば牛タンですよねという前フリがあって、牛タンの歴史などを語って、牛タンのお店に入って、マクドナルドのテリヤキバーガーを頼む感じ。

それを意外性というのであれば、そのなのかもしれませんが、見てる側はすでに牛タンの口になっているわけで、そもそも牛タンの説明もいらないし、牛タンのお店に入る必要すらないです。

詳細なネタバレは書きませんが、そのぐらい違和感のあるラストでした。

個人的にどんな作品も良い点がありますし、面白さはあるので低評価を付けることはほぼ無いのですが、本作については流石に高評価を付けるのは厳しかったです。

本当に設定や話の流れなど9話までが良すぎました。

あと終盤はずっと犯人を見ていた佐々木紀子はどうなったの?という疑問がずっと頭から離れませんでした。

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