評価・レビュー
☆4/5
アメリカの大学リーグやNBAなどの監督として活躍をしたリック・ピティーノ氏による、成功するために最低限必要なことをまとめた本。
個人的に本書をざっくりまとると、「ポジティブに完璧な努力を続けること」かなと思いました。
ただ、努力をし続けるだけでは意味が無く、完璧な努力が必要という話です。けれど、完璧な努力というものについては、あまり分析がありません。
ヒントとしてはメンターなどの第三者による視点というのが大切な気がします。
というのも、eスポーツのプロプレイヤーになりたいと思っているのに、寿司屋に弟子入りして努力を続けても、夢は実現しないからです。
これは極端な例ですが、完璧な努力というものが、もう少し明確だと個人的にはわかりやすい気がしました。
自分の理解力不足かなと思います。
また、
超一流のスポーツ選手の共通点は粘り強さだということです。彼らは「そんな夢は実現しない」と言われてもくじけず、何があっても自分を信じ続けて目標を追い求めます。
と、自分自身を信じ続けることも重要と述べていて、もしかすると客観的な視点はそこまで重要ではないのかもしれません。
もう1点、個人的にわからなかったのは、完璧な努力をどうやって測るのか?という点。
例えば、藤原和博の必ず食える1%の人になる方法では、1万時間によってプロになれるという指標を提示しています。
何か努力の指標となるような数値などがあると、目標を立てやすいだろうなと思いました。
というのも、スポーツ選手で毎日8時間、休み無しに練習をするなんて話になったら、おそらく現在では、ちょっと待ったがかかりそうな気がしたからです。
人間の体には限界があるため、酷使しすぎても壊れてしまうだけ。休むことも完璧な努力の中に入るのだとは思いますが、そのような言及はなかったように思うので、余計に完璧な努力の指標が掴みくいと感じました。
このあたりは、わかる人にはわかる話なのかもしれません。
と、ちょっと否定的な感じに書いてしまいましたが、全体としては、努力の大切さ、努力し続けることの重要性について、著者の体験談を交えて語られており、説得力があります。
また、部下との接し方など、チームスポーツならではの考え方などもあって、とても学びになりました。
難解な点はほぼ無く、さらりと読めるのも本書の良い点です。あまり、くどくどとしていないので、すっと言葉が入ってくると思います。
という感じで、書籍としては良書。
以下は、本書の言葉を引用しつつ、個人的なメモ。
ひたむきな努力なしに成功する方法は無い
ひたむきな努力なしに成功する方法というのは偽物です。
何でもかんでも美味しい話ってのは、ほとんど無いという話。実際に美味しい話も世の中には無くは無いです。
ただ、個人的な経験から言うと、美味しい話って得るものがほとんど無いことが多く、お金は得られるものの自分の時間を浪費してしまっていたなと感じることばかりかなと。
また、1日10分でxx万とか、その手の話は、基本的にLINEなどの登録に誘導され、さらに無料教材を餌に有料の教材を買わせるというビジネスがほとんどです。言ってしまえば、カモにされているということですね。
そういう意味だと、その手の話は、本書で言う完璧な努力ではないのかなとも思いました。
言い訳はしない
言い訳は簡単におもいつくので便利ですが、そのどれもが負け犬根性を表現しています。しかし、成功するためには、そのような負け犬根性はぬぐい去らなければなりません。
失敗やミスをしたとき、ついつい言い訳しがちですよね。
自分も散々言い訳してきました。
ただ、ある時から、言い訳を極力しないようにしようと決めました。
というのも、言い訳をして、それに対して相手が何か言ってきて、ごちゃごちゃと言っている暇があるなら、そもそも失敗やミスの原因を明確にして、再発を防ぎ、さらにリカバリをすることを優先すべきではないかなと思ったからです。
これは個人的観測ですが、上司が失敗やミスを糾弾するのは、自分に責任が無いことをアピールするためであることがほとんどかなと。
つまり、部下が失敗した責任を取りませんという宣言というか。
ただ、部下の失敗は、上司の監督不行き届きでもあるので、上司にも責任はあります。
けれど、その責任を取りたくないので、部下を激しく糾弾し、部下に責任があることをアピールするわけです。
で、魔法の言葉「俺はお前のためを思って言ってるんだ」が出てきます。
これは、お前のためであることはほとんど無く、自分のためです。
自分の責任追及を逃れるためと、自分の良心を守るためだと、個人的には思っています。
つまり、理性では自身にも責任があることがわかっているため、部下に責任を押し付けたいという思いを、「相手のことを思っている」という言葉で包み、自身に嘘をついているということ。
上司によるすべての失敗やミスの糾弾がそうであるとは言いませんが、自分が経験したのは、すべてコレでした。
怒ってる暇があるなら、まずは状況の改善をはかるほうが圧倒的に良いだろうと何度も思ったので。
怒ってる時間がそもそも勿体ないです。
自分を変えるのに年齢は関係ない
自分を変えることに関しては、年齢はなんの言い訳にもなりません。それどころか、年をとればとるほど、私たちは変わらなければならないのです。
これは身につまされる言葉というか、日々、自分自身でも考えていることです。
うちの親は、パソコンとかそういうのに詳しくないからという理由で、スマホの使い方とか、いろいろと聞いてきます。
親ですから、いろいろと教えますが、親は使い方について一向に覚える気はありません。
それを年だからという理由で片付けられることも多いです。
そのたびに、新しいことに挑戦できなくなったら、新しいものを理解しようとしなくなったら、終わりかなと自分自身で思っています。
それは挑戦や理解を諦めることが終わりではなくて、自分自身の生きる意味としての終わりという話。
挑戦や理解を諦めてしまったら、生きる意味を自分自身が感じることができないという方が良いかもしれません。
そういう自分も、なかなか新しいことに挑戦できなかったり、理解が及ばないこともあって、苦労することはあります。
というか、ほぼ日々壁にぶち当たっている感じ。
でも、その壁を超えるために、自分で行動をしないといけないとも感じています。
昔だったら、2時間ぐらいで読めた本も、今は倍以上かかることが多いです。明らかに脳のスペックが落ちていることを実感します。
新しいゲームをプレイするのも、億劫になることもあって、昔だったらご飯そっちのけでやってたのになあと。
ただ、時間がかかったとしても、挑戦や理解することは諦めようとは思っていません。
それは自分を変えることも含めてです。そういう意味で、非常に共感できる言葉かなと。
また、最近トマス・ホッブズの代表作であるリヴァイアサン1を読んだのですが、本書は1651年に書かれたもので、トマス・ホッブズ自身は64歳だったそうです。
歳を取っても、世に影響を与える、歴史に残る精力的な活動できるものだなあと、個人的に感銘を受けました。
なので、余計に歳を理由にはしたくないなと。
心が塞ぎ込んでいるときに全力を尽くせるか?
精神力とは、楽しくないときでも全力を尽くすことです。辛いときや苦しいときがあっても、歯を食いしばって耐えれば夢を実現できると確信することです。
これは個人的にですが、普段楽しめていたことが楽しくないと感じたり、辛かったり苦しかったりと感じたら、歯を食いしばるのではなく、メンタルの専門家に話を聴くのが良いのではないかなと思ったり。
本書では、プレッシャーについて、
心の持ち方と同様、プレッシャーの対処の仕方についても選択することができます。それをワクワクすることとみなして味方にするか、心配して仕事に悪影響を及ぼすか、それはすべて自分次第です。
と書かれています。
おそらくですが、努力や練習についても同様に、それをワクワクすることとして味方にするかどうかが重要なのでは?という話です。
つまり、努力や練習についてポジティブに捉えることができていないために、楽しくなかったり辛かったり苦しかったりするんじゃないかなと。
あくまで自分の場合ですが、自分がやりたくないことというのは、だいたい嫌なものです。
その中でも、やらされ仕事というのが一番モチベーションが上がりませんでした。
そしてそういう仕事はだいたい成果がでません。
やっているときは全力でやっているのですが、実際には自分の力をほとんど発揮できてないなと、振り返って思います。
結局、どのようなメンタルで取り組むのか?が一番重要なのかもしれません。
失敗を悪にしない
失敗が本当に悪いものとなるのは、それをあきらめる口実に使うときだけです。
かの発明王 トーマス・エジソンは、「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」という言葉を残しています。
失敗についても、どのようなメンタルで捉えるかが重要な気がしてきました。
そう考えると、神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通りのような本を読んで、メンタルを鍛えるのが成功の秘訣なのかもしれないなと思ったり。
自分はメンタル弱々なので、モチベーションを上げるのにいろいろと苦労してます。
響いた言葉
最後に個人的に一番共感というか、響いた言葉は、
多くの人々は頑張っている人から元気をもらうことで自分も気分が高揚することを実感します。もしあなたが仕事に対してポジティブなら、人々はあなたと一緒に仕事をしたいと思うものです。
です。
目標を持って頑張っている人って、応援したくなりますよね。そして、その姿を見ると、自分も頑張ろうって思います。
ポジティブが連鎖している感じ。
というわけで、いろいろと書いたのですが、他にも多くの良い言葉があって、読みやすいのでぜひ手にとって見てください。