三国志 ~司馬懿 軍師連盟~ 感想メモ

投稿者: | 2021年7月10日

三国志 ~司馬懿 軍師連盟~は、三国志に登場する天才軍師 諸葛亮孔明のライバルとして描かれることが多い司馬懿仲達を主人公としたドラマ。全86話の超大作です。以前から気になっており、Amazonプライムに追加されたので見始めました。

各話の感想を観たら書いていきます。

目次

第一話 月旦評の陰謀

あらすじ:司馬懿の妻 張春華の出産に華陀が立ち会い、その後華陀は曹司空(曹操孟徳)に招集を受けるが、脳の切開手術か隠遁を勧めたところ投獄されてしまう。そして、董承を中心にした曹操暗殺計画が密かに進行していた。

個人的に印象に残ったのは、張春華が司馬懿を小突くシーン。張春華は気が強いことで知られているので、それを表現した感じかなと。また司馬懿自身はまだまだ潜んでいるような雰囲気で才気をだしていない印象。今後どう変わっていくのかが気になりますね。

また、月旦評では楊修と司馬懿がやり合うことになります。この二人は魏の中でライバル的な存在として描かれることが多く、基本的に司馬懿が勝ちます。楊修自身も優秀な人材で、司馬懿の才能を引き立てる役として登場することが多いです。本作でもそんな感じになりそうな予感。

あと最後の方に許褚が出てきますが、雰囲気が良いですね。

第二話 偽りの密書

あらすじ:董承の暗殺計画は失敗し、曹司空は謀反人探しをはじめ、漢王朝の役人を全員捉えてしまう。司馬懿の父 司馬防と、兄 司馬朗も捉えられてしまい、司馬懿は救出のため奔走する。

第二話では曹操の悪役っぷりがフォーカスされるような感じになっていますね。まあ、主人公が司馬懿なので、どうしてもそうなってしまうのかなと思います。曹操のイメージは結構まっとうな感じな印象。献帝も同様ですね。この前に三国志 Secret of Three Kingdomsを見たので余計に献帝が貧弱に見えてしまいました。

第三話 連判状の行方

あらすじ:張春華の旧知 汲布(きゅうふ)に会い、父 司馬防が投獄された理由を知る司馬懿。張春華の妹 郭照の助けで曹丕から秘密を知る荀彧の情報を聞き出し、司馬懿は荀彧へ会いに行くのだった。

今回は荀彧の出番が多いですね。荀彧は曹操に使えながらも漢の忠臣として信を貫いた武将。王佐の才と言われ、魏を内側から支えた人物です。本作での荀彧もそのイメージのままで、好感が持てますね。三国志 Three Kingdomsの荀彧は名軍師という立場で度々曹操を助けていますが、本作では袁紹との決戦の少し前から話が始まっているので、内政を司る長として描かれているので、三国志 Secret of Three Kingdomsをイメージがかぶるところがあります。

第四話 処刑執行の罠

あらすじ:ついに司馬防 処刑の日を迎え、司馬防に剣が振り下ろされんとした時、司馬懿が現れ司馬防の無実を証明すると宣言する。果たして司馬懿は父を救うことができるのか。

楊修 VS 司馬懿の決着戦で、三国志を知っていれば結果は知っているわけですが、なんだかんだと楽しく見れますね。曹操と荀彧の関係性も深く知ることができる回でもあり、グッと来るものがあります。また、第四話ともなると曹操のイメージも定着してきて見慣れてきました。一旦話としては一区切り。

第五話 出仕を巡る決意

あらすじ:司馬家を陥れた楊修はその才と父 楊彪を牽制するため罪を赦され曹操に使えることになる。一方司馬懿は曹丕に求められるも固辞するが、遂に曹操から出仕を求められることになる。そして、出仕を拒みたい司馬懿はとんでもない行動にでるのだった。

この回まで来ると段々と曹丕の人柄が前面に出てくるようになりましたね。どうしても父 曹操が偉大すぎたために、その子どもたちは才能はあれど評価が高くなりにくい傾向にあるかなあと。曹操の子どものうち後継者と目されていたのは、曹丕、曹植、曹彰、曹沖。曹植は詩文が得意、曹彰は武勇があり、曹沖は聡明さが抜きん出ていましたが、曹丕は取り柄がないように表現されることが多いですね。今後、曹丕をどのように描くのかとても楽しみですね。個人的に三国志 Three Kingdomsの曹丕像はとても良かったです。

第六話 校事府からの密偵

あらすじ:司馬懿は怪我をした足が奇跡的に治ったことを司馬家で働いていた校事府の密偵に知られてしまう。逃げる密偵、追う張春華。一方、許昌の守りを万全にした曹操は袁紹討伐へ向う。そして郭嘉に死期が迫っているのだった・・・。

今回の見所は甄宓(甄氏)でしょう。三国志の中では美人として挙げられる女性の1人です。今作でも多分にもれず美しい人が採用されています。甄宓といえば、曹丕の側室ではありますが、曹植が恋い焦がれたと言われている人物でもあり(諸説あり)、今後の恋愛模様がどんなふうに描かれていくのかも気になりますね。甄宓を演じているのは張芷溪(チャン・ジーシー)という方でとても美しいです。

そしてちょっと個人的に残念だなあと思ったのは、郭嘉の出番が少ないことでしょうか。司馬懿が主人公のドラマでもありますし、仕方がないと言えばそれまでなのですが、もう少し出番が多くても良かったのかなあと。郭嘉については三国志 Secret of Three Kingdomsで大胆なイメージでとても魅力的な郭嘉が登場しますので、郭嘉好きはぜひ。

第七話 狼顧の相

あらすじ:亡くなる直前、郭嘉は遺言を残す。「司馬懿を召し抱えるべし。できなければ殺すべし」と。足の治った司馬懿は他に方法が無く曹操の元に参代するのだった。曹操は勢力を盤石にするため河北の名家蔡氏と婚姻関係を結ぶのだった。

タイトルにある狼顧とは狼が用心深く背後を振り返るように、警戒心が強く老獪なこと。狼顧の相とは、首が180度回って後ろを振り返ることができること。本作では鷹視狼顧の相と言ってますがこれは三国志演義の言葉。

今回の最大の山場は、曹操と司馬懿の対面でしょう。曹操は司馬懿の帰り際に碁石を司馬懿に向かって投げます。司馬懿はそれに思わず振り返ってしまうというシーン。狼顧の相をどう表現するのかはぜひ本編を御覧くださいませ。

第八話 望まれぬ契り

あらすじ:崔琰の兄の娘は曹植と結婚することになり、曹丕には袁煕の元嫁で絶世の美女 甄宓が嫁ぐことになる。そして突然の曹沖の死。曹沖の師として曹操に仕えていた徐庶は帰郷する旨を曹操に伝えるが、追手が差し向けられるのだった・・・。

今回は話のつなぎというか、司馬懿がゆっくりと曹丕と関係性を深めていく序章的な感じなのかなと。また、徐庶を追う刺客として張春華の旧知 汲布(きゅうふ)が再び登場。ちょいちょい出てきますが、汲布は架空のキャラクターなのでどこまで本編に関わってくるのか気になるところですね。それにしても甄宓が美しい。そして、張春華がめちゃくちゃ魅力的ですね。

第九話 仁義の誓い

あらすじ:曹操から暗殺に失敗した汲布を3日で捕らえるよう命を受けた曹丕。捕まえられなければ、不肖の烙印を押され跡継ぎ争いに一歩後退する。しかし、徐庶を恩情で逃した汲布を許したくもある。そんなとき、曹丕の部下 曹真が先走り汲布を捕らえるため司馬府へやってくるのだった・・・。

ここらあたりから司馬懿の知略が少しずつ発揮される話になってきます。どう困難に対処していくのか楽しみですね。また、ライバルの楊修も事あるごとに出てきますし、曹丕-司馬懿と曹植-楊修による曹家跡目争いが激化していきそうです。ここまでの話を見て本作での曹丕像というのが、だんだんと固まってきた感じがあります。誠実で実直、仁義を重んじる人という感じ。なんとなくですが、曹操との対比で描かれているような気もします。

今後どういった展開があるかはわかりませんが、史実を知っている身としては曹真と司馬懿のやり取りにはニヤリとしてしまいますね。

第十話 民意の赦免

あらすじ:仁義の名の下、汲布に出頭を求めた曹丕。そして、それに応じた汲布は捕らえられる。すべては曹操の決断次第。果たして汲布の運命は如何に。

今回の見所は郭照と甄宓でしょう。無邪気で真っ直ぐな郭照は曹丕と良い仲になりつつあり、曹植に想いがありつつも曹丕の妻として立ち振る舞う甄宓。この時点では曹丕の妻は甄宓のみですので、曹丕が跡継ぎになれば甄宓が皇后ということになります。ただのラブロマンス的な話になるのか、それとも野心を交えた争いになるのか、今後甄宓がどのように描かれていくのか楽しみですね。

第十一話 使者の任務

あらすじ:甄宓を信用できない曹丕は数少ない心を許している郭照を娶る決意をする。揺れる司馬家、そして司馬孚。そんな中、曹操から曹丕と曹植へ新たな試練が課されるのだった。

今回も曹丕を巡る郭照と甄宓がメインという感じですね。曹丕との関係性についても気になりますが、郭照と甄宓の関係性についても気になります。宮中に限らず、乱世の世では言葉を額面どおりに受け取っていては、生き抜くことができません。ドロドロの争いになるのか、それとも良き関係性でいくのか楽しみですね。また、曹操から新たな試練として東門、西門を通って令旗を届けるという司令が曹丕と曹植に出されます。しかし、曹操は別途、東門と西門を閉じるようにという司令を出します。果たしてこの難題、解けるのか?

第十二話 牢の中のふたり

あらすじ:曹操から矛盾した司令が出され、曹植は門衛を斬り令旗を届け、曹丕は戻り令旗を届けられなかった。果たして曹操の決断は如何に?

今回の件で曹丕と司馬懿の絆というか、信頼関係は増々高まり、また朝臣をはじめとした地盤固めが着実にできつつあるなという印象です。これも司馬懿の上手さなのでしょうね。それを感じることができる回。

第十三話 楊修の企み

あらすじ:曹操が出征後、狩りに興じる曹丕。しかし、それを曹植の舅 崔琰に諌められる。気を悪くした曹丕だったが、司馬懿に諌められ、狩りの道具を焼くのだった。そして、楊修は司馬懿の兄 司馬朗を曹植の側に付け、司馬懿を牽制する。

部下の換言を聞くか聞かないかは君子の資質としてとても重要視されます。これは現代でも一緒ですね。部下の話を聞かない上司は、いつの時も疎まれますし、いざ上司が窮地に立った時に助けることもしないでしょう。これは当然と言えば当然のこと。昔だからとか、現代だからとかは関係無く、部下は上司に付いていくのではなく、付いていきたい上司に付いていくだけの話なんですよね。今回はそんなことを感じ入ることができる話です。

第十四話 司馬門の禁

あらすじ:園林の増築が完了の儀に曹操が訪れ、門へ活の文字を書く。この意味がわかるものは?と曹操は問うと楊修が答え、そのタイミングで曹丕は曹植の呼び戻しを上奏する。戻ってきた曹植は曹丕と酒を酌み交わし、曹操の元へ向かうが、天子しか馬車で通ってはいけない司馬門を酔った勢いで強引に馬車で通ってしまうのだった・・・。

曹植の暴挙により一気に跡目争いの話が動き始めます。各陣営の動きも活発化。今回の話を見ていて思ったのは、何かトラブルがあったときに、偉い人を守るために部下が落とし所を探しているようにも感じました。なんだか、こういうのって現代の会社でも似たようなことありますよね。そもそも悪いのは上司なんだけど、部下に責任を押し付けると言うか。そういうところは、今も昔もあんまり変わらないのかもしれないですね。

第十五話 司馬朗の救出

あらすじ:曹植の罪を司馬懿の兄 司馬朗がかぶることになってしまい、司馬朗を助けるために動く司馬懿は荀彧を尋ねるのだった。果たして司馬朗の運命は?

今回の主役は荀彧ですね。曹操と対峙し想いを語る荀彧。お互いに敬愛し、大切に想っている二人の関係性の変化が心にグッときます。惜しむらくは、曹操が旗揚げし荀彧がともに歩んできた軌跡が本作でも描かれていれば更にグッときたかなと。三国志を知っている人ならば、様々な想いが去来し感じるところがあるだろう名シーンです。

第十六話 荀彧の決意

あらすじ:曹操から空の食事箱を送られ、すべてを悟った荀彧は自ら命を断つ。そして、曹丕から荀彧へ宛てた反逆の文書が見つかり、曹丕は投獄されるのだった。

今回の見どころは鍾会の登場でしょう。鍾会は魏では重鎮になりつつあった鍾繇の子。その才能が高く評価されていたが、野心があったことでも知られています。三国志時代ではかなり後半で活躍する人物なため、一般的な三国志の物語ではあまり登場しません。しかし、この段階で出てくるということは今後何度か登場するのかなと思いました。楽しみですね。

第十七話 書簡の真偽

あらすじ:投獄された曹丕を救うため、司馬懿は手を尽くす。まずは、審問官を鍾繇へ戻すことに成功した。鍾繇は書簡の筆跡調査を息子の鍾会とはじめるのだった。

今回も鍾会が登場してきました。前回からの続きとしてなのか、今後も登場してくるのか楽しみですね。また、ここまでの話で、曹丕の人柄というのが固まってきたように思います。「我人に背けども、人我に背かせじ」を地でいく曹操に対して、曹丕は司馬懿との出会いもあり、仁義に重きを置く人物として描かれています。こうなってくると禅定のあたりがどう表現されるのか気になりますね。

第十八話 荀彧との誓い

あらすじ:鍾繇は書簡の筆跡調査で真犯人を見つけることに成功する。それは予想だにしない人物であった。そしてすべての真実が明らかになる。

今回は一連の事件の真相解明回でとても面白く見ることが出来ました。過去の事件において実際に何が起きたのか?というのはあくまで状況証拠からしか知り得ることができません。ですので、様々な解釈ができ、それを楽しむのもこの手のドラマや映画、マンガなどの面白さですよね。

第十九話 司馬兄弟の懇請

あらすじ:曹丕は無罪を勝ち取り牢獄から出ることができたが、司馬懿の兄 司馬朗は曹植の臣下ということもあり、投獄されたままであった。兄を救うために、司馬懿は曹丕が曹操へ曹植の許しを請うよう懇請するのだった。

今回のみどころは2つ。司馬懿と曹操のやり取り、そして司馬懿と曹丕のやり取り。曹操にしても曹丕にしても司馬懿にしても、そこには様々な想いがあり、それが伝わってくる回です。また、曹丕と司馬懿の関係性はより強固になったようにも思いました。三国志を知っていれば、曹丕がどのような末路をたどるかは知っているのですが、これらの布石で曹丕がどのように描かれていくのかがとても楽しみになった回。

第二十話 鶏肋の意

あらすじ:関羽が樊城を攻め取り天子のいる許昌の喉元に迫る中、曹操は迎撃のため出陣し、行軍司馬として司馬懿も従軍することとなる。厳しい情勢の中、楊修は曹操に遷都を勧める。その日、曹操は口達として軍に鶏肋と伝えた。楊修は鶏肋の意を解し退却の準備を始め、遷都の意を軍に広めるのだった。

有名な故事 鶏肋の回ですね。司馬懿とのライバルとして描かれていることもあり、嫌なキャラクターとして描かれることが多い楊修ですが、優秀すぎるがゆえに殺されてしまったとも言われています。真実はわかりませんが、選ぶ道が異なっていれば、楊修が主人公の物語が生まれていたかもしれませんね。

第二十一話 孫権との同盟

あらすじ:楊修は曹植を守ってくれるよう司馬懿に託し斬首された。関羽の脅威に対し、孫権に関羽の背後を突かせるため、曹操は孫権と同盟を結ぶことを決意する。その使者として司馬懿が選ばれ、侍衛として妻 張春華を連れ孫権と対峙するのだった。

司馬懿 軍師連盟では、ほぼ魏の話がメインで他国の武将は名前だけでほとんど出てきません。ですので、孫権の登場は新鮮な感じ。また、名軍師である陸遜が登場します。司馬懿と陸遜が会食しながら会話するシーンでは、本作は司馬懿が主人公ということもあり、司馬懿の引き立て役的な感じで表現されていますね。

第二十二話 洛陽遷都へ

あらすじ:呉との同盟が成り、曹丕は太子の詔を曹操から受け取る。名実ともに曹丕は次の王となることが決まった。関羽は呉に討たれ、首は曹操の元に送られる。曹操は手厚く葬儀を行い、そして洛陽へ都を移すのだった。

今回の見どころは曹操の演説と演舞でしょう。様々な三国志作品がありますが、本作の曹操は曹操らしさという意味で個人的にイメージが一番曹操らしいかなと思います。三国志の主人公は誰か?という問いに対して、日本では劉備と答える人が多いと思いますが、蒼天航路などの影響もあって近年では曹操が主人公だと捉えている人も増えています。もっとも混迷していた中原を制した曹操は英雄であることは間違いないでしょう。

第二十三話 曹操の最期

あらすじ:曹操が洛陽で亡くなり、曹丕は鄴、洛陽には曹植と長安から駆けつけた曹彰がいた。太子である曹丕が次の王になる予定であったが、丁儀が曹植擁立を企む。司馬懿はいち早く張春華に魏の国璽を預け曹丕の元へ行かせるのだった。

あれだけ跡目争いで揉め、ようやく太子は曹丕に決まったのに再び跡目争いと、いつの世も権力者の子どもたちは大変ですね。

第二十四話 印綬の在り処

あらすじ:魏の国璽は曹丕の元に届けられたが、不忠不孝にあたるとして即位を拒む曹丕。張春華は皇后から詔を出すよう皇后を説得にあたる。一方、洛陽では曹植の即位が進められていたが、曹操の遺言もあり曹植は複雑な心境を抱えたままであった。

今回、夏侯惇が登場します。ちょっとだけですけど。曹操軍といえば、やはり夏侯惇、夏侯淵をはじめとした夏侯一族。それがようやく登場という感じです。また、いつの間にか大人になった司馬師も登場。結構、時間が経っていることがわかります。当時の遠征というと1年というのもザラにありましたし、親子が離れて暮らすことも多かったのかなと思います。

第二十五話 新政のはじまり

あらすじ:曹丕が即位し新政権となり、司馬懿は新たな政策を考えていた。そこに陳羣が訪れ九品官人法の草案を司馬懿に渡すのだった。

今回の見どころは柏霊筠(柏夫人)でしょう。演じているのは張鈞甯(チャン・チュンニン)という方で、とても色気があるなあと思ったら当時の年齢で三十半ばなんですね。道理で。

第二十六話 司馬懿の上奏

あらすじ:九品官人法を上奏するも、曹丕には無下にされてしまう。九品官人法は宦官や曹家の権力を奪うものであり、曹家一族との因縁が深まっていく。

今回の最後に鄧艾が登場しますね。今後、鄧艾は度々出てくることになると思いますが、ここでは正しきことをする人間として描かれています。鍾会との絡みも気になるところ。

第二十七話 曹家一族との対立

あらすじ:九品官人法を何度も上奏する司馬懿と曹家一族との対立は深まり、ついに曹洪が司馬府へ兵を引き連れ脅しに行く。また、曹家一族は曹丕の皇帝即位の上奏を出すが曹丕には時期尚早と却下されるが、呉への南征が決まり、皇帝への即位の意が固まったと曹家一族は喜ぶのだった。

前回に続いて鄧艾のエピソードが入ってきて、また鍾会も登場してきましたね。これは今後の展開が楽しみです。今回はあくまで対立が深まっているという点を描いた回ではあるので、全体的な進捗はあまり無い感じ。柏霊筠(柏夫人)の動きもあまりなくて残念です。

第二十八話  3つの宝

あらすじ:曹丕は度重なる漢の皇帝からの禅譲の申し出にようやく答え皇帝となる。それに合わせて、投獄されていた司馬懿を呼び戻し、新たしい政策を推し進めることを宣言するのだった。

曹丕が王位についてから徐々に曹丕像というのが変わってきている気がします。今回の話では特にそれが明確にあらわれていますね。また、柏霊筠(柏夫人)が司馬懿に仕えることになったので、今後張春華との絡みを含め、いろいろと楽しみですね。あまり司馬懿のこの手の話というのはクローズアップされることが無いので、余計に気になります。

第二十九話 甘い罠

あらすじ:曹丕は司馬懿に柏霊筠(柏夫人)を仕えさせるよう勅命を出す。柏夫人は司馬懿に迫るが司馬懿は固辞する。そこへ司馬懿の妻 張春華がやってくるのだった。

今回の見どころは修羅場ですね(笑) あと個人的に司馬昭役の方が三国志 Secret of Three Kingdomsで曹丕を演じていた方だったので、イメージが抜けきらず。同じ時代をテーマにしたドラマで違う役どころというのも難しいですね。三国志 Secret of Three Kingdomsの方が後の作品なので、本作で良かったから起用されたのかもしれません。

第三十話 君主と臣下の関係

あらすじ:張春華が激昂し司馬懿は柏夫人を曹丕に返そうとするが、曹丕は勅命に従わなければ重罪だという。仕方なく柏夫人を迎えるしかなくなった司馬懿が司馬府に戻ると、柏夫人が門の前で待っていたのだった。

今回も修羅場が見どころですね。実際問題、当時のことを考えれば側室がいても問題が無いのは確かでしょう。張春華が実際にどう考えていたのかはわかりませんが。また、側室がいたことで跡継ぎ問題が発生するのも世の常。もしかしたら、そういうことも考えていたのかもしれませんね。また、鍾会と鄧艾の出会いも描かれています。二人の関係も気になりますね。

第三十一話 夫婦の絆

あらすじ:柏夫人を返すことに成功した司馬懿。しかし、曹丕はさらなる勅命を下し、柏夫人を迎えぬのであれば張春華と離縁せよという。果たして司馬懿はどうするのか。一方、尚書台には曹家が推薦するも一次試験に落ちた者たちが詰めかけているのだった。

さすがにちょっと司馬懿と張春華の夫婦話が長すぎる気が(笑) あと司馬昭の意味深な発言はのちのち明かされることはあるのかなあと気になりました。

第三十二話 張春華の決意

あらすじ:司馬懿は張春華と離縁してでも柏夫人を側室にすることを拒むことを決断したが、その場合、司馬懿の官位を剥奪するという第二の勅命があった。そして、張春華はしぶしぶ柏夫人の側室を認めるのだった。そして、尚書台では鍾会、鄧艾の才人が二次試験を受けることになる。

ようやく鍾会、鄧艾という次世代の才能がにょきにょきと出てきましたね。今後の活躍が楽しみです。そして再び曹真が動き始めました。楊修の次は曹真率いる曹家という感じ。楊修は知略での戦いでしたが、曹真は知謀で戦うというよりも人脈や家柄で戦う感じかなと。どのような攻防になるのかこちらも楽しみです。

第三十三話 献帝の姫君たち

あらすじ:鄧艾は屯田令に任じられ曹家、夏侯家のお膝元譙県に配属されることになった。そして、司馬懿夫婦が仲を取り持つ形で小夜と結婚することになる。また司馬懿は柏夫人に張春華をかばい冷宮に閉じ込められた郭照を助けるよう依頼する。後宮では曹真の策略で漢の元皇帝の娘が曹丕の元へやってくるのだった。

司馬懿と曹家の対立が徐々に激化していく序章といった感じ。また、司馬懿の野望が少し垣間見えた回でもありますね。後宮の諍いも起きそうですし、面白くなりそうです。

第三十四話 鄧艾の屯田新政策

あらすじ:鄧艾は譙県にて屯田新政策を推進するも宗室(曹家、夏侯家)とぶつかることになる。そのため新政を推進する司馬懿への憤りが一層高まっていくのだった。そんな宗室を押さえていたのは曹操の旗揚げから尽くしてきた夏侯惇。しかし、もはや夏侯惇でも宗室の怒りを鎮めることはできず、夏侯惇は司馬懿と話を付けるため司馬府へ赴くのだった・・・。一方後宮では甄氏が詠んだとされる歌が流行り、甄氏と子の曹叡が引き離されることになる・・・。

泥沼化していく宗家との対立と後宮での皇后争いがテーマの回。もはや止められそうにない宗家との対立は臨界点という感じになっていますね。果たしてこのまま新政を続けられるのか?

第三十五話 司馬懿、青徐へ

あらすじ:司馬府を訪ねた夏侯惇は帰り際に亡くなったことで、宗室からの司馬懿への反感が一層高まってしまう。これ以上は危険と感じた曹丕は譙県の屯田新制作を担う鄧艾を寿春へ、司馬懿を反乱が起きた青徐の地へ赴かせた。一方、司馬懿の父 司馬防は自身の死期を感じ、司馬懿が喪に服すことで新政が止まってしまうことを恐れ、夏侯尚の娘 夏侯徽と司馬師の婚姻を曹丕へ進言するのだった。

司馬懿が青徐の地へ行く際に理由をつけて張春華を残し柏夫人を連れていくことになるのですが、このあたり今後の展開が個人的には気になりました。別に史実に基づく必要はないですし、史実と言われる文献が真実かどうかはわからないので、どんな関係性にしていくのが楽しみですね。

第三十六話 とう艾の危機

あらすじ:青徐の乱を鎮めた司馬懿は夏侯楙に襲われるが肩を刺されただけで助かる。そして夏侯楙から鄧艾の危機を知り、寿春へ向かう。鄧艾は兵糧横領の罪で曹洪に殺されかけていたが、既のところで司馬懿が間に合い鄧艾は助かるがが、大切な者を亡くしてしまうのだった。柏夫人は夏侯楙が司馬懿の行程を知っていた理由に確信があり、それを正そうとするが・・・。

青徐の乱についてはあっさりと乱を鎮めたことにされましたね。全体として三国志 ~司馬懿 軍師連盟~は戦は無く、武将たちの権謀術数がメインという感じ。今後もいくつか重要な戦がありますが、基本的には戦が描かれることは無いのかなと思います。

第三十七話 突然の訃報

あらすじ:司馬師と夏侯徽の婚姻の宴で、曹真と曹洪が無理やり司馬防に酒を飲ませたことで、司馬防は倒れ亡くなってしまう。司馬懿は喪に服すことになるが、曹丕は勅命で引き続き新政を続けるよう命じるが、司馬懿はそれを辞退した。一方宮中では子を身ごもった郭照が急な腹痛で流産してしまう。流産の原因が毒であり、その毒を盛ったのが甄氏であることがわかると激怒し、甄氏を冷宮へ監禁する。そして、曹丕は心労から血を吐いてしまうのだった・・・。

司馬師と夏侯徽の婚姻で司馬昭がちょいちょい顔を出してくるのですが、これは何かの伏線なのか気になるところ。

第三十八話 母の決意

あらすじ:郭照に毒を盛った甄氏に対して曹丕は毒酒を飲むよう命令を下した。そんな曹丕に対して司馬懿は甄氏の無実を訴えるのだった。そして曹丕は真犯人に処罰を下すのだった。助かった甄氏は子である曹叡の将来を司馬懿に託すため、お忍びで司馬府へ向かう。

今回の見どころは宦官姿で司馬懿に会いにいく甄氏。顔は全然違いますが、三蔵法師役をやっていた夏目雅子さんをふと思い出しました。また、甄氏と司馬懿の密談について信陵君の例が出されていて、ニヤリとしてしまいました。

第三十九話 女たちの暗躍

あらすじ:甄氏と司馬懿の密談について柏夫人は信陵君を擬え、司馬懿を佞臣扱いしたが、曹丕への密告をしなかったことで司馬懿と柏夫人の距離は縮まっていくのだった。また、曹丕は曹真に西域へ出征を命じることで、新政を推し進め国は豊かになっていく。その一方で曹植に暗雲が立ち込めていた・・・。

司馬懿は晩年、柏夫人を愛でるようになりますが、今回からそれが徐々に描かれて行く感じですね。また、跡目争いや宗室との確執についても一旦は保留になりましたが、曹真が帰ってくることでまた動きがありそうです。曹真と司馬懿が曹丕と酒を飲むシーンがありますが、二人を狐に例えたやり取りは個人的にニヤリとしてしまいました。

第四十話 司馬懿、後宮を駆ける

あらすじ:曹真が遠征から戻ってくると曹植に謀反の疑いが浮上する。曹丕は曹植を都に呼び捕らえ審問するのだった。曹操の長女で曹植の姉 清河長公主は曹植を助けるため司馬懿を頼る。そして甄氏は曹丕に曹植を赦すよう請うが、曹丕は甄氏へ毒を飲むよう命令するのだった。司馬懿、後宮へ走る。

いつの時代も後継者争いというのは国の存亡に関わる問題。権力の転覆を狙う者にとっては長子以外を立てようと画策します。そんなゴタゴタが魏でもという感じですね。本作はこの手の話がメインということもあって、かなり濃密に描かれている印象。特に曹叡の後継者問題なんて、メインでここまで描かれることは今後もあまり無いかなと思います。

第四十一話 曹植、涙の七歩詩

あらすじ:後宮に入り曹叡を助けた司馬懿は、罪に問われ曹丕に死罪を言い渡される。そして曹丕は心労から吐血をしてしまうのだった。司馬懿の妻 張春華と柏夫人は司馬懿を助けるため動き始める。一方牢獄で拷問を受けた曹植は曹丕から7歩の歩く間に潔白を証明せよと命令され、曹植はかの有名な七歩詩を詠み曹丕に赦されることになった。そして曹丕は曹叡を郭照の養子とし、郭照を皇后とする勅を発する。

七歩詩については曹植が本当に詠んだのかは疑問視する意見もありますが、詩の意味を考えると、兄弟による跡目争いの集結の区切りとしてはしっくりと来ます。この時代は力による権力簒奪などもあり、その場合は負けた方が一族すべて殺されてしまうといったこともありました。そういう意味で曹丕も曹植も生きているわけで、心のわだかまりというのはずっとあったのだろうなと思います。

第四十二話 司馬懿の解放

あらすじ:鄧艾は曹洪へ兵糧返還と横領した人物の出頭を求めた。しかし、曹洪はそれを断り、さらに鄧艾の前で曹丕への暴言を吐く。そのことが原因で曹洪は死罪を言い渡される。もし、曹洪が死罪になれば司馬懿の死も確定し、国は混乱に陥ってしまうため、張春華たちは郭皇后(郭照)に曹洪を救う道を求めるのだった・・・。

タイトルの通り、司馬懿は曹洪とともに恩赦で赦されることになり牢から解放されるという意味と、柏夫人との関係性においても解放されるという2つの意味があるのかなと思いました。ようやくという感じですね。司馬懿は平民になり朝廷から離れたことと、全86話の約半分ということもあり、一旦の区切り的な話数なのかなと。

第四十三話 司馬懿、参内す

あらすじ:司馬懿が朝廷を離れ月日が経ち、曹丕は体調が悪く死が近づいていた。曹丕は跡継ぎである曹叡の補佐に、曹真、曹休、陳羣、そして司馬懿を任命する。そして曹叡は曹丕から一心の寵愛を受けた郭皇后(郭照)への恨みを募らせる。朝廷に新たな火種がくすぶり始めていたのだった・・・。

冒頭でこれまでの総集編が入り、後半戦スタートという感じ。三国志の話は曹操、劉備、孫堅・孫策・孫権の争いが多く、良くて曹丕まで。その後の曹叡以降に関する話は、サラッと流されてしまうことが多いです。そういう意味で、まだ40話以上ある本作はたっぷり魏の曹叡以降の話を楽しめる貴重な作品と言えますね。

第四十四話 新しい生活

あらすじ:曹丕が崩御し、曹叡が新しい皇帝に即位する。曹真、曹休は実権を握るべく新たに策を弄するが、司馬懿に反対され、曹叡の決断を仰ぎにいくのだった。司馬懿は新しい邸宅を与えられ、そこで柏夫人が子を宿し司馬倫を育てていた事を知る。

曹叡については様々な評がありますが、魏が大きく傾く原因を作ったことは間違いないようです。また容貌は素晴らしかったらしく、どう描かれていくのかが楽しみですね。

第四十五話 母を求めて…

あらすじ:曹叡は母の似顔絵を絵師に描かせるが、皆甄氏の尊顔を掛けなかった。曹叡は絵師を処刑するが、郭皇后(郭照)がそれを諌めに行く。しかし、曹叡は郭皇后(郭照)を殺そうとし、明確な殺意を示すのだった。そんな折、呉の孫権が出兵。そして呉の将軍 周魴が裏切りの連絡が入る。交戦を唱える曹休、偽降を疑う司馬懿。またしても対立が起きてしまう。

曹丕の棺が墓に納められるために宮殿から出発するシーンで、曹叡は司馬懿の公務を優先すべしという言を逆手に取り、病と偽って出ませんでした。このあたり、なんとなくですが、司馬懿の思惑もあったのかもしれないなと、勘ぐったりしてしまいます。まあ、勘ぐり過ぎだとは思いますが。

第四十六話 周魴の投降

あらすじ:周魴の投降に応じて呉へ進軍を決めた曹叡。曹休を総大将に司馬懿が従軍することになったが、曹休は司馬懿が後ろから攻撃することを恐れ、曹真の入れ知恵で司馬懿の息子 司馬師を曹休の軍に加えるのだった。曹休は周魴との合流地石亭へ向かい、司馬懿は石亭へは向かわずその後ろで陣を構えるのだった。ここに石亭の戦いがはじまる。

これまで話では戦のシーンはほぼカットされていましたが、後半では戦のシーンも入ってきますね。個人的にはやっぱり戦の話が好きなので、ワクワクしながら見ました。

第四十七話 石亭の戦い

あらすじ:陸遜軍に石亭で敗退した魏軍。総大将である曹休はその責を司馬懿に求めたが、曹叡は司馬懿の職を解くことでおさめた。蜀では諸葛亮が動き出す。諸葛亮は孟達への偽書で魏国への反逆をほのめかせる。曹叡は孟達討伐の任を曹真に命じるが、曹真はその任を司馬懿に押し付けたのだった。

職を解かれた司馬懿の元に鐘会が訪れてその帰り際に司馬昭と話をするシーンがあるのですが、このシーンはのちのちの伏線もあってニヤリとしてしまいますね。司馬昭の抜きん出た才が垣間見えるシーンです。また何晏も今回登場します。あまり何晏が描かれることもないのでこちらも楽しみですね。ちなみに、何晏は女性の阎汶宣さんが演じています。また声は別な方が当てているそうです。何晏は眉目秀麗で知られていたこともあり、うまいキャスティングかなと思います。

第四十八話 孔明の出師表

あらすじ:孟達討伐の詔が司馬懿に下され、司馬懿は宛城の兵を用い、孟達を攻めるため急ぎ軍を進める。蜀では諸葛亮が出師の表をあらわし、本格的な北伐を開始するのだった。

いやあ、前半では諸葛亮はちょっとしか出てませんでしたが、今回はがっつりと出てますね。出師の表で過去を振り返るシーンは、なんかグッと来ました。また、趙雲や魏延など、蜀の武将も登場し、北伐を主軸とした魏 VS 蜀が本格的に繰り広げられていくのが楽しみですね。 全然余談ですけど、魏延役の方は中国ドラマ 孫子兵法に架空の武将 黥豺(げいざい)役で出ていた方でニヤリとしちゃいました。

第四十九話 馬謖の誤算

あらすじ:諸葛亮は魏軍が囮に食いついている間に、安定、天水と西涼の地を征圧。司馬懿は1200里を8日という短い期間で駆け抜け、孟達を討つ。曹叡は魏軍を翻弄する諸葛亮に苛立ち、長安へ自ら出兵するのだった。蜀軍は長安へ続く2つの道の片方を兵が進み、もう片方は兵糧を運ぶ糧道として使い、長安へ迫る。兵糧を運ぶ糧道にある街亭は蜀軍進軍の生命線。その任を馬謖が進み出て受けるのだった。

今回、天水では姜維が諸葛亮に下ります。今後、姜維の出番がどのぐらいあるのかはわかりませんが、人気のある武将だけに活躍に期待したいですね。また、個人的に張郃がちょっと出てきて嬉しかったです。また、馬謖の回でもあって、いろいろとてんこ盛りですね。

第五十話 街亭の戦い

あらすじ:街亭に到着した馬謖は王平の言葉も聞かず、諸葛亮の命令も無視し、山頂に陣を構える。司馬懿は長安へ到着後、街亭攻略を命じられる。諸葛亮に対し慎重になる司馬懿だったが、街亭の馬謖の布陣で勝利を掴む。そして諸葛亮追撃の命を受け、西城へ向かうのだった。

たらればではありますが、もし街亭で馬謖が負けなかったら歴史はどうなっていたのか、気になるところですね。

第五十一話 空城の計

あらすじ:西城へ迫る司馬懿に対して、諸葛亮は城門を開け、城門の上で琴を弾くのだった。司馬懿と諸葛亮は心で対話する。諸葛亮は問う、司馬懿よ西城へ入れるか?と。

この回はめっちゃ面白いです。てか、三国志が好きなら、この回だけでも見てほしいぐらい面白い回ですね。空城の計に対する解釈として、新たな捉え方だなあと感じました。すごく良いですね。

第五十二話 投獄の汚名

あらすじ:諸葛亮の北伐を防ぎ帰国した司馬懿は、心踊らせながら柏夫人の元へ行くが、そこで謀叛の噂を聞く。そして、郭皇后が謀叛の疑いをかけられ、投獄されてしまうのだった。

孔明との対決が一旦終わり、また宮中でのゴタゴタの話になってきました。曹叡と郭皇后との確執は、取り除くのが難しそうですが、曹叡は司馬懿に命を助けられた恩もあり、複雑な関係ですね。どうなるか。

第五十三話 郭照奪回の策

あらすじ:司馬懿は投獄された郭皇后を助けるため、曹真と手を組む。その代償として司馬懿は兵権の譲渡と左遷を受け入れるのだった。そして、時は流れ再び諸葛亮が北伐を開始。曹叡は曹真を大司馬として、副官に司馬懿を任命するのだった。

宛城へ左遷されたというか、自ら上奏して宛城に行くことになった司馬懿ですが、あっという間に呼び戻されることになります。このあたり、空城の計で諸葛亮と語った内容がそのまま反映されている感じですね。諸葛亮と司馬懿はライバルでありながらも、お互いがお互いを必要としていたのかもしれません。

第五十四話 杖刑の痛手

あらすじ:副都督に任じられた司馬懿は曹真を支援すべく向かうが、その歩みは遅々としていた。到着が早かろうと遅かろうと、曹真から何らかの罪を咎められると踏んだからである。10日到着が遅れた司馬懿は軍法にてらし、杖刑100回を受けることになる。陳倉攻めに苦戦していた諸葛亮は姜維の偽降の計で巻き返しをはかる。

司馬懿が杖刑を受けた後に司馬昭にフォーカスがあたるあたり、今後の展開をいろいろと想像させますね。そうえいば、王双が出てきたときは思わずニヤリとしちゃいました。三国志大戦ネタではありますが。

第五十五話 陳倉の戦い

あらすじ;偽降の計で捕らえた魏軍を用い、陳倉を開城させ落城させた諸葛亮。陳倉を失った曹真は蜀軍が兵糧不足に悩んでいることを知り、蜀軍を罠にかけようとするのだが、すべてを見抜いた諸葛亮はそれを逆手に取り、曹真は大敗してしまうのだった。

今回はこれまでにないちょっとコミカルな曹真を見ることができます。個人的には思わずフフッて笑ってしまいました。

第五十六話 曹真の死

あらすじ:曹真は敗戦の際の傷と諸葛亮からの文が原因で病に臥す。司馬懿は曹叡と曹真の見舞いにいき、曹真から兵権を得ることになった。そして諸葛亮が再び北伐を開始し、司馬懿 VS 諸葛亮の戦いがはじまる。司馬懿は諸葛亮の弱点を付くため柏夫人を蜀へ送り込むのだった。

ようやく孔明との対決がここからはじまりますね。知謀の競い合いも楽しいですが、個人的には今回お互いが対峙して伝令兵を使って遣り取りをするシーンが結構ツボでした。

第五十七話 北伐再開

あらすじ:諸葛亮と対峙した司馬懿は一向に動こうとはしなかった。蜀軍は兵糧調達の遅れにより、兵糧不足の危機が迫る。戦ではありがなら、戦の外での応酬がはじまった。

全体的には動きがない回ではありますが、戦闘で勝負を決めたい諸葛亮と戦わずに蜀軍を撤退させたい司馬懿の攻防と両者の思いが伝わってくる渋い回ですね。

第五十八話 劉禅の宣旨

あらすじ:司馬懿の元には曹叡から3日以内に出陣せよとの詔が、諸葛亮の元には劉禅から撤退せよとの詔がくだされる。諸葛亮は逡巡したが撤退を決断。司馬懿は張郃に追撃を命じるのだった。

前半での司馬懿は忠節を重んじる武将である点が大いに描かれましたが、後半に入ってきてからはその心に宿す野望への布石が随所に出てきますね。また、追撃してきた張郃を伏兵で倒すさ際に諸葛亮が「まあよい、司馬懿に手を貸してやろう」と言うのがなんとも言えませんね。どれほど優秀な人間であっても、その能力を活かすもの殺すも上に立つ者次第。

第五十九話 孔明の怒り

あらすじ:帰還した諸葛亮は策を弄した李厳を厳しく処罰する。司馬懿は曹叡に呼ばれ、祝杯の酒を勧められるが、一瞬迷った後、酒を飲み干した。毒を疑ったのである。そして3年の時が流れ、再び諸葛亮は北伐の兵を挙げる。司馬懿に権力が集まることを恐れた曹叡は、蜀軍討伐に三月という期限を設け、司馬懿に討伐を命じるのだった。

ついに司馬懿と諸葛亮の最後の戦いに突入していきますね。

第六十話 五丈原の戦い

あらすじ:諸葛亮は五丈原に陣を敷き司馬懿と対峙した。しかし、諸葛亮は自身の体調の焦りから、司馬懿に策を読まれ敗戦する。諸葛亮は改めて司馬懿を認め、呉に魏への侵攻を依頼し二方向から魏を攻める策を立てる。さらに、木牛流馬を用い兵站を安定させ、畑を作り屯田することで、長期戦の構えに入るのだった。

木牛流馬については様々な説があって面白いですね。本作では自動で進むカラクリ仕掛けの道具として登場します。また命令を無視して木牛流馬を奪ってきた司馬昭と司馬懿の一連のやり取りはちょっとクスッと笑ってしまいました。

第六十一話 上方谷の戦い

あらすじ:木牛流馬と兵糧を奪われた蜀軍は上方谷へ陣を下げる。司馬昭は捕虜にした兵から諸葛亮は上方谷に陣をしき、祁山にはいないという情報を入手すると、司馬懿に内緒で郭将軍を誘い上方谷を攻めるのだった。しかし、それは諸葛亮が仕掛けた策であり、司馬昭を助けに行った司馬懿、司馬師ともに上方谷にて火計で一網打尽にされるのだが・・・。

天地人が重要と言われた時代。天の時、地の利、人の心(和)が整っていなければ事は成せないという話で、まさに今回がその最たる事例ですね。諸葛亮の表情、演技にすべてが現れています。また、長い間何を示しているのかなと思ったのですが、ようやく伏線回収されましたね。単に物語のテーマ的なことではなく、しっかり役立ってくれました。

第六十二話 孔明からの贈り物

あらすじ:勝手に出陣した郭淮は副都督であることから杖刑を、そして司馬昭には斬首を命じた司馬懿。しかし、将軍や将兵の温情請願から鞭打ち200回に減刑するのだった。司馬昭への厳罰を布告し、勝手な出陣を厳しくした司馬懿に対し、諸葛亮は挑発のため一計を案じる。

有名な女性用の衣を司馬懿に送る話ですね。諸葛亮も堅守は時として最大の攻めとなるとも言っており、なんとしても戦わせたい諸葛亮の苦肉の策とも言えます。

第六十三話 才如の攻防

あらすじ:女性用の衣を贈られた司馬懿はその衣を来て、渭水のほとりに立ち、出師表を暗唱するのだった。それを見た諸葛亮は倒れてしまう。司馬懿に下された期限が迫る中、諸葛亮にも死期が迫り、二人の命運は天の時に託されるのだった。

この回は素晴らしいですね。女性用の衣を着て出師表とは御見逸れしました。また諸葛亮が姜維に24篇の書物を託すシーンはグッときますね。ついに二人の対局はラストへ向かっていきます。

第六十四話 最後の対局

あらすじ:司馬懿は夢の中で諸葛亮と碁をかわす。そしてついに、諸葛亮の命が尽きるのだった。蜀軍は諸葛亮の策に従い撤退を開始する。魏軍は撤退する蜀軍を追うが伏兵に会い、諸葛亮が登場する。慌てた司馬懿は撤退を指示するのだった。

次の回のタイトルが「死せる孔明、生ける仲達を走らす」ということで、かの有名な故事のお話です。様々な描かれ方をする話ですが、今回は司馬懿が撤退するところまで。次回、どんな形で本故事が描かれるのか楽しみですね。

第六十五話 死せる孔明、生ける仲達を走らす

あらすじ:退却した司馬懿は追撃が無いことから諸葛亮の死を確信し、五丈原へと向かう。祝勝で盛り上がる魏軍の中、司馬懿は兵符を返却し、長子と妻を洛陽におき、長安へ療養すると曹叡に伝えるのだった。力を得た曹叡は宮殿造営と享楽にふけるようになる。それを諌める郭皇后だったが、曹叡との溝は埋まらず、そして曹叡の娘が亡くなるのだった・・・。

諸葛亮との対決に終止符が打たれ、話は魏の宮中の話がメインになっていきます。個人的にここからはゆっくりと見る感じかなあと。あまりにも諸葛亮と司馬懿の対決が熱かったので。

第六十六話 狙われた郭照

あらすじ:郭皇后に殺意を強める曹叡。宦官の辟邪に曹叡の娘を呪い殺した罪で宮殿を取り囲まれるが、陳羣が身を挺して守ろうとする。司馬孚はその知らせを聞き、曹叡を諌めるが捕らえられ、また司馬府も取り囲まれてしまう。柏夫人は息子の司馬倫を使い司馬懿に連絡を取り、司馬懿は急ぎ洛陽へ戻るのだった。

曹叡と郭皇后との確執に決着がつく回。書物によれば郭皇后は甄氏を廃するために画策したとされるが、本作ではまったく逆のような描かれ方ですね。実際のところはどうだったのかは不明ですが、少なくとも曹丕は臣下の反対をお仕切り郭皇后立てたわけで、それ相応の思いがあったのだろうなと思います。

第六十七話 残された者の宿命

あらすじ:曹叡が勅命を撤回するも時既に遅し、郭皇后は自害してしまった。そして陳羣も後を追うように亡くなり、4人いた曹叡の補佐は司馬懿1人となる。曹叡は司馬懿を取り除くため、老いた司馬懿に遼東平定の勅命を下すが、司馬懿は数ヶ月で遼東を平定してしまう。そして、曹叡は倒れるのだった・・・。

曹叡の狡猾さが描かれつつも崩壊の足音が聞こえてくる回。一方で司馬懿は虎視眈々と機会を待っている感じです。前半ではあまり司馬懿の野望については描かれませんでしたが、後半では結構露骨な感じで描かれていて、わかりやすいと言えばわかりやすいですね。

第六十八話 曹叡の病

あらすじ:曹叡の病は酷く、後事を燕王 曹宇に託し、夏侯献、曹肇、曹爽を補佐に任じようとする。劉放と孫資は曹宇は大将軍に任じられるのを阻止するため、曹爽を担ぎ、司馬懿を補佐に付けるよう曹叡に進言するのだった。

宮廷の権力争いは様々な登場人物の思惑でどんどん変化していきますね。今回からは曹叡後の話の序盤として、新たしい人物がいろいろと登場してきます。時代の移り変わりを感じる回でもあり、司馬懿が長生きだったこと、そしてその長生きが司馬懿の最大の特徴だったのかなと個人的には思っています。当然才があったことは確かですが、才あれども短命では目的を達せられません。個人的にはついつい郭嘉と比較してしまうのですが、郭嘉が長生きだったら、三国志の歴史は大きく変わっていたろうなあと考えてしまいます。

第六十九話 曹叡の決断

あらすじ:曹叡は司馬懿を都へ召喚し、司馬懿の本心を探る。曹叡は朦朧としながらも、太子に曹芳を、大将軍に曹爽を、太尉に司馬懿を任じ、司馬懿の背中で逝くのだった。

司馬懿が召喚された時、司馬昭が伍子胥の例を出すシーンは個人的にニヤリとしてしまいました。

第七十話 新天子、即位

あらすじ:曹芳が天子となり、辟邪は捕らえられ、司馬懿と曹爽の親族にも官位が与えられることになる。司馬師は近衛兵をまとめる役職に、司馬昭は屯田の役職に付くことになった。一方曹爽の元にはその力に縋るために多くの者が訪れていた。何晏は曹爽が想いを寄せていた蒹葭(けんか)を届ける。そして、曹爽は何晏に司馬懿の真意を司馬昭から探ることを命じるのだった。

司馬懿と曹爽がお互いにどうぞどうぞをしている様は何か笑ってしまいました。ここからは本格的に司馬懿 VS 曹爽という感じ。曹爽の知恵袋として何晏がメインになるので、司馬懿 VS 何晏という感じかなと。

第七十一話 曹爽の横行

あらすじ:曹爽は内宮の長を勝手に決め、さらに蒹葭が欲がった至宝を宝物庫から持ち出す。もはや曹爽に逆らえる者はおらず、曹爽の横行を赦すばかりであった。何晏は司馬昭を就任祝いで呼び、宴を開きその真意を探り、司馬昭が父 司馬懿に対して不満を抱いていることを掴む。曹爽は司馬懿を取り除くため画策をはじめ、司馬懿はそれを防ぐため柏夫人を曹芳の教育係として宮中へ送り込むのだった。

過去女性関係で転落していく者は数しれず。しかし、未だにハニートラップなんて言葉があるように女性関連で身を崩す男性が多いのも興味深いなと改めて思います。

第七十二話 大后の一計

あらすじ:曹爽は曹芳の生母を教育係につることで、司馬懿が送り込んだ柏夫人を追い出す。そして、司馬懿を曹芳の教育係である太傅に任ずる詔を発した。もし、司馬懿が従わなければ叛徒として殺すためである。司馬懿は辞退を申し出るが断りきれず参内する。曹爽はさらに司馬懿の生命線でもある長安の兵権を望むが、司馬懿は策を持って難を逃れるのだった。

今回の見どころは最大の窮地を司馬懿がどうやって切り抜けるのか?という点でしょう。

第七十三話 司馬懿の嘘

あらすじ:司馬師の妻の兄 夏侯玄の助けもあって司馬懿は窮地を脱することができた。司馬懿は汲布に依頼し密かに準備していた私兵を増やすことを決断する。太傅となり実権を失った司馬懿。一方で曹爽は魏を牛耳るほどの権力を得ることに成功する。

様々な思惑と人間関係が複雑に交錯する回。

第七十四話 何晏と曹爽

あらすじ:曹爽は司馬懿を呉討伐の総大将にし、自らは蜀討伐として出陣する。その幕僚に司馬昭を連れて。司馬昭の身を案じた司馬師は私兵30名を密かに忍ばせ司馬昭の警護に当たらせる。しかし、それが原因で曹爽は司馬懿が私兵を準備していることを確信するのであった。

司馬家がどんどん窮地に陥っていきます。史実は知っているので、結果はわかってはいるのですが、いやあハラハラしますね。

第七十五話 私兵の証拠

あらすじ:司馬懿の私兵を1名捕らえ拷問するが、何も吐かなかった。しかし、私兵が捕らえられたことを司馬昭の文で知った司馬師は私兵を隠すため城外へ向かう。一方、司馬懿からの文を預かった侯吉は司馬師が城外へ出たことを知り必死に後を追うのだった。皇后は曹爽の隆盛に不安感を募らせ、司馬懿の孫娘を皇后の弟に嫁がせようとする。曹爽は司馬懿が力を持つことを阻むため、皇后と曹芳を引き離す策に出る。

内容とは関係ないのですが、ようやく張春華が老けました。司馬懿は見た目がどんどん変わっていくのに、張春華だけはあんまり変わらないので違和感があり、最後までそのままかなと思いましたが、ここにきて一気に老けてビックリです。

第七十六話 三つ巴の争い

あらすじ:皇后を移宮し朝廷から追い出すため後宮へ押し入る曹爽と何晏。その動きを察知し、司馬師が止めに入る。そして夏侯玄も駆けつけ、一触即発の状態になる。皇后は争いを避けるため、太傅 司馬懿の上奏があれば移宮を受け入れるとし、司馬懿の意見を待つことになった。

司馬懿と司馬昭がお互いに振り返り見るシーンはなんともニヤリとしてしまいますね。 

第七十七話 夏侯徽の失踪

あらすじ:司馬懿の私兵の場所を記した地図を覗き見してしまった夏侯徽は事実を確認するため印の場所へ向かう。しかし後をつけた司馬倫によって捕らえられ監禁されてしまった。司馬倫は司馬昭にのみ秘密を明かし、共に夏侯徽の元へ向かう。そして、夏侯徽は遺体となって司馬府に戻ることになるのだった。曹爽は夏侯徽を殺した罪で司馬懿を捕縛しようとするが、皇后が司馬府にかけつける。

かなり序盤からの伏線がようやく回収されました。長かった。歴史上では司馬師と夏侯徽の不仲によって司馬師が毒殺したということらしいです。この事件に関わった司馬倫はのちに様々な波乱を起こします。本作では描かれることはありませんが、それを匂わせるエピソードと言えますね。

第七十八話 張春華のために

あらすじ:張春華は司馬師が投獄されたことで一気に体調を崩し、死を目前としていた。死ぬ前に司馬師に会いたいと頼む張春華に司馬懿は曹爽の元へ向かい兵権を渡すことを条件に司馬師の解放を求める。曹爽は父 曹真の恨みを晴らすべく、曹真の甲冑の前で三度、剣の前でも三度、司馬懿に額を床に打ち付けさせるのだった。

いきなり王元姫がでてきてビックリ。また、曹爽に命じられ司馬懿が額を打ち付けるシーンでは、ふと韓信の股くぐりを思い出しました。

第七十九話 悲しみに暮れて

あらすじ:曹爽は張春華の葬儀に合わせて息子の産湯の儀式を行い、官吏たちの動向を伺う。夏侯玄は曹爽に換言するも曹爽は一蹴、二人の仲はますます悪くなっていく。そして、皇后が曹芳を連れ、張春華の弔問へ行くことを聞き、曹爽も弔問へ向かうのだった。司馬懿は病に伏し、司馬家の勢いは無くなり、曹爽は帝位簒奪を意識し始める。

柏夫人もいきなり老けましたね。

第八十話 司馬懿、覚醒す

あらすじ:病に伏せていた司馬懿に気を緩めた曹爽は我が世の春を謳歌していた。しかし、曹爽が都を少し離れた隙に司馬懿は挙兵する。武器庫を押さえ、皇后の詔を得て、洛陽を占拠するのだった。

すべてはこのときのために。まさにそんな回。また、司馬昭がしきりに匂わせ笑いをするのが、印象的な回ですね。

第八十一話 洛陽占拠

あらすじ:洛陽占拠に慌てふためく曹爽へ、司馬懿は富や爵位を保証することを約束し投降を求める。司馬昭は何晏を説得し文を書かせ、司馬孚は蒹葭に文を書くよう説得した。そして曹爽の元へ蒹葭と何晏から文が届く。曹爽は迷うが投降を選択する。一方、汲布が司馬懿の下を去るのだった。

去る者あれば、加わる者あり。僅かな綻びが人生を大きく分けるという出来事の例ですね。唯才是挙を掲げた曹操にはじまった魏は、才ある者を排し続けた曹一族によって、司馬懿に簒奪されてしまいます。もし、曹操の理念がずっと生き続けていたら、このような結果にはならなかっただろうなあと個人的には思っています。

第八十二話 裏切りの代償

あらすじ:司馬昭は曹爽らの悪事を暴くため、何晏を説得し、罪状を明らかにした。そして、すべてを白状した何晏も曹爽らと共に謀叛の罪に問うのだった。曹爽を殺すべきと主張する司馬昭と鐘会、功臣・宗室であることから命を救うべきという司馬孚が対立する中、司馬懿は曹爽を殺すことを決断する。もはや司馬懿に逆らえる者はおらず、曹爽ら処刑の詔が下る。そこには曹爽の3歳の息子もいたのだった。

回を重ねるごとに司馬昭が悪い顔になっていきますね。あと鐘会も。

第八十三話 夏侯玄の政変

あらすじ:夏侯玄は長安から戻るも曹爽らの処刑を止めることはできなかった。司馬懿は丞相に任じられるが、それを辞退する。曹爽が亡くなったことで、王凌が反乱を起こす。さらに都では夏侯玄が反旗を翻すのだった。捕らえられた夏侯玄に対し、司馬師は恩情をかけるが、夏侯玄に目を刺されてしまう。司馬懿は投降した王凌を丁重に扱い、戦をせずに反乱を収めるのだった。

曹爽らを倒すために挙兵した司馬懿、その段階ですでにかなりの覚悟を決めていたと言えるでしょう。これまでのエピソードとはまったく異なる司馬懿像が終盤で描かれています。どれが本当の司馬懿なのか、まさに狼顧の相と言われた司馬懿の掴みどころのなさかなと個人的には思いました。

第八十四話 司馬懿の本心

あらすじ:投降した王凌に自害を求め、国法に照らし三族皆殺しにしようとする司馬懿。それを止めようとする柏夫人だったが、司馬懿は聞く耳を持たなかった。都では鐘会が反乱の罪で夏侯玄の一族を処刑しようとするが、司馬孚がそれに反対をするが止めようがなかった。柏夫人は司馬懿と仲違いし先に帰京するが、司馬懿ののった馬車と勘違いされ襲撃されるのだった。司馬孚は司馬懿と話をし、司馬家を去る決意をする。

司馬懿と司馬孚が向かい合って礼をするシーンは、これまでの物語の重みがあってグッと来ますね。

第八十五話 男たちの涙

あらすじ:侯吉は小沅(しょうげん)と結婚したいと司馬懿に伝え、司馬懿が仲を取り持つ事になる。しかし、小沅が司馬昭に殺されてしまう。司馬懿は激怒し、司馬昭を問い詰め、夏侯徽の殺害までを自白させる。そして、そこに司馬師が乱入してくるのだった。

誰が絵を描き、誰が踊っていたのか。それとも絵を描かされたのか、自ら踊っていたのか。

第八十六話 最後の決別

あらすじ:魏は司馬家が掌握し、すべてを終えた司馬懿は一線を退く。侯吉は亡くなった小沅との婚儀を司馬懿に頼み、ささやかな婚儀をあげる。翌日、意馬を川へ返す途中で侯吉が息を引き取り、司馬懿は1人 意馬を川へ返す。そして司馬懿も息を引き取るのだった。

ようやく全話観終わりました。長かった・・・。個人的にやはり一番の盛り上がりは諸葛亮との対戦でしたね。圧倒的に面白かったです。


リンク