評価・レビュー
☆5/5
読む人を選ぶ作品ではありますが、日本の政治についてもっと良く知りたい人には最適の一冊かなと。
全10巻で戦後の吉田茂から中曽根康弘まで歴代首相の政治闘争を描いた作品です。原作は戸川猪佐武先生で吉田茂に関する著作が有名。作画はゴルゴ13のさいとう・たかを先生。
首相の紹介ではなく、権謀術数が飛び交う永田町のリアルがテーマになっているのが特徴です。首相がテーマではあるので、ほぼ自民党の話で自民党の歴史と言っても良いかもしれません。
単純に優秀であれば総理大臣になれるわけではなく、様々な要因によって決まり、思いがけない事件で総理の椅子を逃すこともあります。また、内閣についてもリアルな派閥の話が出てきていて、とても興味深いです。
日本の政治は能力ではなく派閥で動いているのが良くわかりますね。今の政治につながっているところもあり、本作を読んでから改めて政治を見ると、見え方が大きく変わるかなと。
エンタメ作品ではないですし、登場人物もかなり多く、また昭和の話ではあるので馴染みのないことも多々出て来るため、若干読みにくさはあります。ですので、ある程度、政治に興味がある方向けのマンガかなと思いました。
また、それぞれの時代で流行ったものがちょこちょこ紹介されていて、自分も知識でしか知らなかったのですが、当時を知る助けとなるところもあって良かったです。