目標とKPIとズレと〜個人の力の希釈化が大企業病を生む?

投稿者: | 2025年2月2日

個人的に思ったことをつらつらと。まだ、まとまってない感じもありますが、とりあえずメモ的な感じで書いてみました。

KPIの達成が目標になってしまうと、本来の目標が達成できなくなる

昔仕事をしていて、目標とKPIにズレを感じることが多かったです。

KPIとは、目標を達成するための数値的な指標。

一番わかり易い例だと、売上を上げるのが目標で、それを達成するための指標として新規顧客開拓数がKPIになります。

つまり、新規顧客開拓数が増えれば、売上も増えるということ。

なので、新規顧客開拓数を伸ばすのがアクションになるわけです。

ロジックとしてはあっているなあと思うのですが、これがいざ実践となると、うまくいかないことも多いです。

というのも、KPIなどの数値目標は、数値をクリアすることが目的になってしまうことがあるため。

とりあえず、新規顧客開拓数は増やすために、何でもかんでも顧客としてしまうという感じ。

結果として、本来達成したい目標である売上とのズレが生じます。

最初はそうでも無いのですが、段々とズレが大きくなり、いくら新規顧客開拓数を増やしても売上が上がらなくなってしまうということです。

そもそも、自分たちの商品やサービスを本当に必要としている顧客にアプローチするのが効率的です。

しかし、新規顧客開拓数をKPIにしたことで、そこまで商品やサービスを必要としていない顧客にもアプローチしてしまいます。

そのような顧客は、すぐに離れてしまうため、結果として、売上が上がらなくなるというわけです。

大切なのは、売上を上げることであり、新規顧客開拓数を増やすことではないという話し。

変化に対応することが大切

そもそも企業の目的は、永続的な成長であって、成長するには企業の継続性が必要であり、だから利益が大切です。

なので、売上が目標として挙げられることが多いですが、そもそも永続的な企業成長が目的だから、そこにズレが生じているのではないか?というのが個人的な見解。

正確に言えば、目標を立てた段階では正しかったとしても、状況によって目標が変化するため、目標が正しくなくなってしまうということ。

大切なのは変化に対応し、サバイブし、企業を成長させていくことであって、売上やKPIを達成することではありません。

その結果、数値目標は達成しているのに、どんどん時代についていけなくなる企業になってしまいます。

時代というよりも環境という方が正しいかもしれません。

本来であれば、それを経営企画部などが行うべきなのですが、実際にまともに経営管理部が機能している企業はどのぐらいいるのかなと。

少なくとも自分がこれまで経験した会社では、変化に対応することを目的に行動しているところはありませんでした。

もちろん、新しい取り組みというのは、いろいろと試されているのですが、その目的が変化への対応というよりは、とりあえずやっておけ感が強いというか。

だから、例えば社内学習の制度があったり、セミナーがあったりしても、それを受ける方も適当な感じのことが多かったです。

そもそも変化に対応しようという気がないというか。

建付けだけやっておけば良い感というか。

これがいわゆる大企業病の根幹にあるんじゃないかと個人的には思っています。

個人の力の希釈化がやる気を削ぐ

なぜそのようなことが起きてしまうのかというと、大企業の場合、人の数が多く、自身の力の影響度が低いためではないかなと。

なので、個人が力を出すことを諦めてしまうというか。

自分一人が死ぬほど頑張っても、会社全体としては、たいして影響がないため、やる気を失ってしまう感じです。

自分は大企業も経験したことがあるのですが、非常に頭の良い方が多く、仕事ができる方も多いのですが、総じて企業の目的を見失っているというか、頭ではわかっているけど、それを諦めていると感じる人が多かったです。

で、これってかなりの損失だなあと思いました。

つまり、優秀な人たちの才能が失われているということです。

投票に行かない人たちに似ている

少し話が変わりますが、大企業で働いている人たちは、投票に行かない人に似ているなあと感じました。

自分が頑張ったところで変わらないから、やる気を出さないというのは、自分が投票したところで変わらないから投票に行かないという考え方に近いということです。

それが良いとか悪いとかの話ではなくて、あくまで似ているなという話。

大きな部署は必要ないかもしれない

話を戻して、大企業病が起きてしまうのは、個人の力が希釈化されてやる気を無くしているのが原因だとするならば、個人の力を発揮できるような組織、システムにするのが良いのではないかなと。

一番簡単なのは、大きな部署を無くすこと。

部署の人数が増えれば増えるほど、個人の力が希釈化されていくので、人数を減らすというもっとも単純な方法です。

目的に合わせてチームを作る

また、個人的に一番良いんじゃないかなと思っているのは、目的に合わせてチームを作るというシステム。

その都度、必要な人材を集めてチームを作り、目的を達成したら解散するという感じです。

このシステムのメリットとして、優秀な人材ほどチームに呼ばれやすくなるということ。

自分の子飼いの人間だけでチームを結成すると、目的を達成しにくくなるため、実力をより発揮しやすくなるのかなと思います。

ただ、チームに呼ばれない人も出てきますよね。

で、そういう人に教育のリソースを割くのが良いのかなと。

チームに呼ばれないということは、何かしら能力が足りないと言えます。

ですので、その能力を教育によって補うというわけです。

このシステムは、タスクフォースに似ているかなと。ただ、タスクフォースは緊急時に作られるものです。

そうではなく、常時タスクフォースが作られ続けるというのが、重要かなと思っています。

個人が力を発揮でき、それを実感できれば、会社に対しての意識も高まるのかなと。

結果として、頭でわかっている本来の企業の目的のために、行動をしやすくなるのではないかというのが個人的な考えです。


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