評価・レビュー
☆5/5
昨日全32巻読破。出産をテーマにした医療マンガでテレビドラマ化もされています。多くの人に読んでもらいたい作品です。
最初の頃は泣ける話が多く命の大切さを感じることができ、中盤以降は医師の立場の話が増えてきて、終盤は特殊な事例の話が多くなります。出産という同じテーマでありながら、様々なシチュエーションがあり飽きずに読めるのも良い点です。
個人的には特に男性に読んで欲しい作品。出産というとどうしても女性主体になりがち。そのため出産に関する負担がすべて女性にのしかかってしまいます。でもそれは間違っているんですよね。だからこそ男性に特に読んで欲しい作品だと思いました。
話としては
出産は病気ではない。だから、患者も家族も安全だと思い込んでいる。毎年この産院で行われる2000件の出産で、約300件の出産は命の危険と隣り合わせだ。その小さな命が助かることもあれば、助からない時もある。100%安全などあり得ない。それが出産。年間100万人の命が誕生する現場から、産科医・鴻鳥サクラの物語。
コウノドリ
出産への認識が変わる
まず、本作を読むと出産に対する認識が大きく変わります。なんとなく、出産って普通のことと思いがちですが、実際には命の危険も高いです。昔に比べれば医療の発達によって助かる命が増えたことは間違いありません。それでも100%安全と言えないのが出産。
妊娠への認識が変わる
そして、妊娠にも様々なリスクが伴います。母子のともに身体的な健康もそうですし、妊婦の精神的な健康も重要です。で、こういう話って妊娠してから考えるとというか、実際に何か起きてから知ることが多いように思います。本作に書かれていることがすべてではありませんが、それでも事前に知っておくことで不安が少し解消されるかなと。
絵柄はちょっと癖がある
本作で好みがでるのは絵柄かなと。ちょっと癖のある独特の絵柄なので、好き嫌いは出てしまうかなあと。
ただ、絵柄が好みではないから読まないというのは勿体無いのでぜひ数巻は読んで欲しいなあと。
読んでいると慣れるというのもありますし、巻が進む事とに絵は見やすくなっているので、気にならなくなります。
またドラマ化もされているので、そっちから観るというのもアリかなと思います。
医療は進化する
本作は鈴ノ木ユウ先生によって2012年7月26日 – 2020年5月7日に連載されました。ですので、その当時の医療知識で描かれています。
医療は日々進化していることもあり、最新医療では治療できる疾患や出産に対する考え方も変わっていきます。
ですので、本作での知識はあくまで参考かなと。特に、治らない疾患などについては、時代の変化で変わる場合もあるためです。
自分は男性で出産の話ではありませんが、顔面神経麻痺に2回かかったことで医療の変化を感じたことがあります。具体的には1回目の治療法と2回目の治療法が違っており、1回目の時の治療法は現在では良くないため行われていないことを知りました。ですので、当事者になったらやはり医療機関の専門の先生から最新の知識を得るのが良いと思います。