こども倫理学 善悪について自分で考えられるようになる本 こどもシリーズ

投稿者: | 2024年8月31日

評価・レビュー

☆5/5

現代における明確な答えの無い問題について、網羅的にわかりやすく紹介しており、非常に良かったです。

タイトルに”こども”とありますが、大人が読んでもいろいろと考えさせられる内容だと思います。

こども向けになるべく難しい言葉を使わないようにしていますが、それでもテーマが少し難解だったり、聞き慣れない言葉がいろいろと出てくるので、ある程度、理解力がないと厳しいかも。

そういう意味では、親が子どもと一緒に読むのに良い本なのかもしれません。

個人的にいくつか興味深いと思ったテーマとしては、地球環境について。

人間が自分たちの生活を豊かにするために地球環境を破壊していることや、温暖化、先進国だけ発展し後進国が発展しにくい状況などは、明確な答えが出しにくいなと。

地球環境の破壊や温暖化については、もはや後戻りはできないので、それらを解消できる技術を生み出すしか方法は無いと個人的に思っています。

どうやっても今の生活環境を手放すことはできないからです。

環境活動家にしても、社会の中で生活をしていくかぎり、どうやっても地球環境の汚染からは逃れられません。

いくら本人が環境に配慮しても、社会は1人では成り立たないため。

車や電車、バスに乗れば、それも間接的に地球環境の汚染に繋がりますし、家で電気を使うのもそうです。

ろうそくを使えばなんて言う人もいるかもしれませんが、そもそも燃焼によって二酸化炭素が出ていますし、ろうそくを作るのも工場が必要ですから、間接的に地球環境の汚染に繋がります。

つまり、地球環境を考えるなら、人間は自然に戻るしか無いのです。

人間が裸で木の実を食べる生活をするのが、地球環境にとって最善。

でもそれは、どうやっても実現が難しいでしょう。

環境活動家が率先して自然に還ろうとしないことがそれを物語っています。

であるならば、地球環境を汚染している物質を除去する方法や、代替の物質を使う方法など、様々な技術革新を進めた方が良いかなという話です。

また、先進国と後進国の問題は、非常に難しいというか、地球環境を理由にして後進国の発展を阻害するのであれば、戦争になる可能性もあるので、答えが出せないというのが、実情かなと思います。

先進国が後進国の発展のために、自分たちの豊かさを減らして、後進国に譲り、不平等を解消していくのが良いのでしょうが、それは現実的には難しいでしょう。

日本においては、税金がどんどん高くなっていて、集まった税収のうち少しは海外に投資されています。

それ自体は悪いことではありませんが、海外の国の発展のために、税金をさらに上げるということになれば、多くの反対がでることは、想像に固くありません。

そう考えると、ある程度、後進国が地球環境を汚染することについては、目を瞑るしかないというのが現実なのかなと。

ならば、やはりそれらの汚染物質を除去したり、代替となるエネルギー源の技術を研究することが先進国に求められていることなのかなとも思います。

結局、何が言いたかったかというと、我々は技術開発に力を入れるのが、問題解決の一番の近道なんじゃないかということです。

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