2023年9月25日の名古屋大会で、Just 5 Guysの金丸義信選手がチームを裏切り、HOUSE OF TORTURE入り。そして、タイチ選手からSHO選手がKOPWを獲りました。
Just 5 Guysは再びJust 4 Guysに名前を変更するという事態に。
衝撃の事件でしたね。
個人的にこの裏切りについて、少し思ったこともあって、つらつらと書いておこうかなと。
あくまで個人的な推測で、正しいとか、正しくないとかじゃないです。
正直、Just 4 Guysの物語が見えない
金丸選手の裏切りにはいろいろな意見はあると思いますが、個人的には良かったのかなという印象です。
その最大の理由は、Just 4 Guysに物語が見えなかったから。
新日本プロレスには、いくつものユニットが存在します。
どれも個性がありますが、基本的な目的というか、目指しているのは新日本プロレスのトップになること。
自分たちが最強であることを示すと言っても良いかも知れません。
これはベビーフェイスだろうとヒールだろうと一緒です。
当然ですが、Just 4 Guysだって、それが目的ではあります。
ただ、プロレスの難しいところというか、面白さでもあるのですが、プロレスで重要なのは物語なんですよね。
その物語がJust 4 Guysに感じることができていませんでした。
いろいろなところで喋っているのかもしれないので、個人的な情報収集不足なのかもしれませんが。
スタート地点がわかりにくい
自分は「プロレスを終わりのないドラマ」だと思っています。
このドラマというのは、ドラマチック的な意味ではなくて、トレンディドラマとかのドラマです。
永遠に続くドラマシリーズみたいな感じで自分は見ています。
だから物語が重要なんじゃないかなと。
例えば、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤選手。ベビーフェイスなのにブーイングを浴びるという状態から、自分1人でユニットを作り、今では大人気ユニットになりました。
ここまで人気が出たのは、やはりブーイングを浴びていた頃の内藤選手をファンは知っていて、そこから這い上がってきたという物語が大きいと思います。
また、内藤選手は、
「俺はCHAOSではない。もちろんBULLET CLUBでもない。ましてや本隊でもない。俺の居場所はロス・インゴベルナブレス」
と言って、ベビーフェイスでもヒールでも無いんだと。新しい概念なんだと言い続けました。それは元々のロス・インゴベルナブレスが生まれた経緯でもありますが、自分の立ち位置をはっきりさせたことは、とても大きかったなという印象です。
ではJust 4 Guysはどうでしょうか。
彼らはヒールなんでしょうか。それともベビーフェイスなのでしょうか。そのどちらでも無いのでしょうか。
そのあたりがはっきりしません。
立ち位置がはっきりしないということは、スタート地点がわからないということなんですよね。
スタート地点がわからないと、物語が始まっているのか、進行中なのか、どこからどこへ向かおうとしているのかもわからないわけです。
別にベビーフェイスとかヒールに拘る必要はないと個人的には思っていて、例えば全然勝てないレスラーが徒党を組むという感じでも良いわけです。
つまり、Just 4 Guysってどんな集団なの?というのが明確に見えないんですよね。
鈴木みのる選手の凄さ
正直言うと、鈴木軍が解散して、残党が集まった感しかない。
そう考えると鈴木みのる選手の凄さがわかりますね。偉大です。
鈴木軍はどこへ行っても外敵として、わかりやすい立ち位置にいて、タイトルを奪い侵略し、そして倒されていくという物語が明確。
表現は正しいかどうかわかりませんが、水戸黄門みたいだなと。
たぶん、多くのプロレスファンは鈴木軍が来たら、きっとベビーフェイス側が最初はやられるけど、最終的には追い返すという物語が生まれると確信していると思います。
誰一人として、鈴木みのる選手がずっとその団体でトップに居続けるとは思ってないのです。
パターンと言ってしまえばそれまでなのですが、その形を作った鈴木みのる選手はやはり凄いです。
しかし、Just 4 Guysにはそういうわかりやさもありません。
因縁というドラマ、裏切りは典型的なパターン
プロレスのドラマには様々なパターンというか、形があります。
一番が因縁ですね。
アイツが気に食わない、アイツがタイトルを持っているのはおかしい、なんでも良いんですけど、因縁をつけることで物語が生まれます。
そして、因縁パターンでもっともわかりやすく、受け入れやすいのは裏切りです。
前述の気に食わない系は、何で急に?みたいになることもあって、そうなるとファンとしては白けてしまいます。
しかし、裏切りは別。
裏切られた方は、裏切った人とそのユニットを許さないとなるわけです。
戦う理由が生まれる。それが物語になるわけです。
金丸選手の裏切りでJust 4 Guysに物語ができた
ということで、これまでちょっとふわふわしていたJust 4 Guysでしたが、金丸選手の裏切りによって物語が生まれました。
当面は、Just 4 GuysとHOUSE OF TORTUREの抗争が続くでしょう。
金丸選手アッパレです。
タイチ選手と金丸選手は一緒にテレビなどに出たりしていて、仲の良さを感じていましたが、だからこそ裏切りが映える。
これは個人的な邪推ですが、下手するとタイチ選手が金丸選手に裏切りを頼んだ可能性すらあるかなと思えるほどです。
または金丸選手がこのままだとJust 4 Guysは駄目になってしまうから、Just 4 Guysの選手たちへの想いから裏切った可能性もあるかなと。
まあ、単純にプロレスを面白くするために裏切っただけかもしれないですけど。でも、それならそれで、金丸選手のプロレスセンスが光る裏切りと言えます。流石です。
そんなことをぼんやりと思いました。