世界最高の人生戦略書 孫子 書籍レビュー

投稿者: | 2021年7月16日

世界最高の人生戦略書 孫子 Kindle版は、孫子の兵法書から現代ビジネスにも適用できそうな言葉をかいつまんで、読みやすくまとめた書籍。守屋洋先生著。

評価

☆4/5

孫子をはじめ中国の兵法書や思想書などを、わかりやすく解説してくれるのが特徴の守屋洋先生作。安心して読むことができます。

孫子の兵法を軽く知りたい人には最適の書籍の1つでしょう。守屋洋先生はたびたび孫子の兵法についての書籍を出しているので、特に本作に拘る必要は無く、過去作でも十分楽しめる内容になっています。

あくまで触りであるのと、ビジネス書としては浅さもありますが、孫子にふれるという意味ではとても良書だと思います。そもそも守屋洋先生は研究者ですので、ビジネスに関しては疎いです。そこに期待するのは間違っているでしょう。

孫子はそれぞれが自身の解釈を持って良いと個人的に思っているので、そういう意味で読みやすい本書は最初の扉を開いてくれる良書だと思います。

また、似たような内容の古典や故事などが紹介されていて、そちらも楽しいです。

全体的に諸葛亮孔明の言葉が結構ピックアップされている感じ。

孫子を深く知る

より深く孫子の兵法について知りたいのであれば、入門書としては全訳「武経七書」1 孫子 呉子の方が圧倒的におすすめです。

こちらは孫子の兵法書のすべてに解説を加えているので、孫子を理解する上で助けになると思います。ただ、宋代の文献を元にしているので、孫子について書かれた他の書籍とは違う点もあります。このあたりはもっと孫子について深く知りたくなったらで良いかなと。

というのも、中国古典は人によって解釈がかなり異なります。これは孫子についても同様です。調べていくとわかりますが、意味がまったく逆の解釈もあるのです。

ただ、全訳「武経七書」1 孫子 呉子は呉子についても知ることができますし、続きの全訳「武経七書」2 司馬法 尉繚子 李衛公問対、全訳「武経七書」3 六韜 三略と合わせて、いわゆる武経七書を全部押さえており、全部が同じテイスト、同じスタンスで書かれているので、中国古典を理解するのに最良の書と言えます。

言葉メモ(追記)

いくつか個人的に良かった言葉をメモ的な感じで。

勝ってもその知謀は人目につかず

「戦上手は、無理なく自然に勝つ。だから、勝ってもその知謀は人目につかず、その勇敢さは人から称賛されることはない」

守屋 洋. 世界最高の人生戦略書 孫子

孫子は全体的に非常に手堅い戦略を推奨しています。

当たり前と言えば、当たり前なのですが、戦の勝利というと劇的なものの方がピックアップされがちかなと。

実際には、特に危なげなく勝つのがベストなんですけどね。

仕事にしても、結構見えないところの活動というか、評価されにくい活動というのは結構あって、何事も無く仕事が回っているのは、どこかの誰かが、上手く動いている場合があったりします。

相手をこちらのペースに乗せる

相手をこちらのペースに乗せること、つまり主導権を握ることが勝利への近道

守屋 洋. 世界最高の人生戦略書 孫子

これはスポーツなんかの競技では良くある話かもしれませんね。

サッカーにおいては、一方的に攻めている側が勝ちそうに見えて、実は防戦一方に見えていたチームの戦略だったということがあります。

単純に力量差という場合もありますが、攻め疲れによるスタミナ消費を狙っていることがあるということです。

特に暑い地域での対戦では、後半バテバテで走れなくなってしまうこともあります。

それを狙って相手を走らせるというわけです。

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