アラン 幸福論 (岩波文庫)を読んで、感情について考えたことを、つらつらと書いていきます。
アランは楽観主義者として知られていますが、その実践に当たって、微笑むことを重要視しています。例えば、幸福論の中では、
君がほほ笑んだところで、
雨には何のはたらきもないが、
人間には大いに力がある
ただほほ笑むまねをしただけでも、
すでに人間の悲しみや退屈さは
やわらいでいるのだ。
という言葉がそれを端的に表していると個人的には思いました。
特に『雨には何のはたらきもないが』という言葉は、思わずニヤリとしてしまい、印象的です。
楽しいから笑顔になるのか、笑顔だから楽しいのか
これらの言葉を読んでやはり最初に考えたのが、「楽しいから笑顔になるのか、笑顔だから楽しいのか」的な話。
人間の生理現象というか、脳の反応としてはどちらも正解という感じですね。特に後者の笑顔だから楽しいと感じる、正確には笑顔になると脳内物質が出て楽しい気分になるというのは、よく言われていることです。
また、笑顔になることで、周囲の人もポジティブな気分になるもそうですね。
そのような見地からも、アランの言葉を非常に的を射ていると思います。
意識して笑う
自分は10代〜20代後半ぐらいまで、友達もそれほど多くなかったですし、女性関係もかなり酷いというか、閑古鳥が鳴いている状態で、今思うとクソみたいな人生だったなあと思います。
その後、自身の立ち振舞いや服装などを変えることで、数年で男性の友達よりも女性の友達の方が多くなりましたし、週末は女性とデートすることがかなり多くなりました。
その理由として、「意識して笑う」ようにしたことがあります。
それまでの自分は、かなり仏頂面というか、いろいろなことに対してイライラしていたというか、その原因は自分自身の人生が上手くいっていないことなのですが、それを外にぶつけていたように思います。
で、このままじゃ駄目だなと思い、いろいろな本を読んで、言ってしまえば女性を口説く系のHowto本ってやつですが、結構読みました。
ただ、あまりうまくいかなかったですね。
その一番の理由が、そもそもとっつきにくい印象を最初に与えてしまっていたことだと今は考えています。
それを払拭するための方法が、「意識して笑う」ということです。
なぜアイツはモテるのか?
そのきっかけになったのは、大学時代のアルバイトで、おしゃれではあったけれど、イケメンという感じではなかった同僚が、結構モテてたんですよね。
20代後半になって、その当時のことをいろいろと思い返したところ、すごく特徴的だなと思ったのが、ちょっとオーバーアクションぎみに笑うということでした。
そのことを思い出し、自分もそれを実践するようになったら、徐々に変化していった感じはあります。
他にもいろいろと要素はあるのですが、個人的は笑うというのは、とても重要だなと。
当然ですが、微笑むというのも同様です。
感情を増幅させて出す
その根幹には、感情をもっと出すということがあります。
喜びとか、楽しさという感情はしっかり出した方が良いのかなと。
個人的には感情を増幅させて出すようにしています。そうしないと、周囲に伝わらないからです。
それを意識するだけで、かなり人間関係は変わるかなと。
当然ですが、悲しみとか、怒りとかも感情としてありますが、そのようなネガティブな感情は抑えた方が良いです。
アランの言葉を借りれば、
この地球上で勝利を収めた動物は、
もっとも怒りっぽい動物ではなかった。
理性的な動物、
しかるべき時まで情念を抑制する動物であった。
がズサリと刺さる言葉かなと。
感情というのは伝搬すると思っていて、プラスの感情が伝搬して相手がプラスの感情になれば好印象になりますし、マイナスの感情が伝搬して相手がマイナスの感情になれば印象が悪くなるということ。
なので、プラスの感情は少し大きめに、意識して出すのが良いと個人的には思っています。