ジークンドーに限らず武術は強いのか?という疑問は常につきまといます。
特に現代格闘技、スポーツでは身長差や体重差が重要視されていることもあり、ジークンドーの指導者である石井東吾先生が小さいことから、その強さに疑問視を持つ方も多いでしょう。
ルールが違えば勝てないのは当たり前
一般的に言われているのは、総合格闘技などのルールでは勝てず、金的などがアリのルールであれば強いという話です。
これは当然と言えば当然ですね。
バスケットボールの神と言われたマイケル・ジョーダンですらメジャーでは凡人であったように、やはりルールが異なると素の運動神経で対応することになるので、難しいことがわかります。
キックルールの選手が総合格闘技に参戦するときも同じようなことが起きています。また、個人的にプロレスラーが総合格闘技や立ち技ルールで勝てないのも同様だと思っています。そもそも、プロレスって金的は反則ですが、それで負けになることはめったにないので、ほぼアリなんですよね。
なので、ルールが異なると使う筋肉も違いますし、頭の使い方も変わるので、かなり有利不利がでるのは当たり前の話なのです。
ルールの違いで強さが変わることがわかる動画
それが如実にわかる動画がこちら。
1R目はキックボクシングルール、2R目がジークンドールールでやっているスパーです。あくまで練習ではありますが、この動画から様々なことがわかります。
間合いの違い
1R目と2R目を見比べてみるとわかりますが、石井先生の間合いのとり方、距離が大きく変わっています。
小比類巻さんが1Rに比べて2Rに手を出しにくかったのは、この間合いの広さです。1R目は自分の間合いだったので、攻撃をしやすかったのですが、2R目は間合いが広すぎてそもそも攻撃できる距離ではありませんでした。
手を抜いているわけではなく、そもそもこの間合いで打ち合いはしません。だから、あまり攻撃しなかったのです。
フェンシングっぽい距離の詰め方
スパーリングの後に対談があり、その中でジークンドーはフェンシングとボクシングに影響を受けているという話がありました。
フェンシングは武器を使っていますから、間合いがとても広いです。そして一気に距離を詰めて相手の急所を突きます。
で、石井先生の動きを見ていると、広い間合いから距離を一瞬で詰めるのはまさにフェンシングっぽい感じはあります。
こういう動きはキックボクシングではあまりないので、対応が難しいのがわかります。
どこを攻撃されるかわからない怖さ
小比類巻さんもおっしゃっていましたが、急所への攻撃のバリエーションが多いという話がありました。そもそもルールが違うので、攻撃方法に対する知識がないと防ぎようがありません。
当たり前といえば当たり前なのですが、それが動画では如実に現れています。
特に石井先生の連続技というか、ちょんと触っているだけですが、小比類巻さんがそれに対応できていませんでした。どの攻撃が危険なのかわからないというのもあると思います。
スパー後に金的を手で触られたとおっしゃっていたように、金的が入っているんですよね。恐るべしです。
結論
この動画でわかるのはジークンドーが単なる演舞的なものではなく、実践に即していることがわかります。
もし路上でいきなり戦うことになったらと考えると、情報量が少ないジークンドーが圧倒的に有利と言えるのではないでしょうか。