評価・レビュー
☆4/5
アマプラにアントニオ猪木をさがしてが追加されていたので視聴。
内容としては、実際に当時一緒に働いていた人へのインタビューを交えながらアントニオ猪木のルーツ、そしてアントニオ猪木とは何者なのか?を探っていくドキュメンタリー映画。
映画公開当時は酷評で、個人的にはその理由までは調べてなかったので、どれほどのものかと見始めたのですが、言うほど悪い映画には思えませんでした。
途中までは・・・。
唐突にドラマが始まる・・・
ドキュメンタリー部分のインタビューを観ていて、いろいろと感慨深さを感じていたところに、何の脈絡もなく、突然、ドラマが始まります。
これは何だ?
最後まで見ると、おそらく、一般的な昭和のプロレス好きの少年が主人公で、成長とともにそこにはアントニオ猪木のプロレスがあったということを言いたかったんだろうと言うのはわかります。
ただ、あまりにも唐突すぎて、何が始まったのか、面食らってしまうのです。
これが酷評の原因というのは、すぐにわかりました。
圧倒的に視聴者を置いていくスタイル。
せめて、出演者のインタビューで昔こんなことがあってみたいな前フリがあったら、まったく問題無かったと思います。
そのような説明もなくて、誰の物語なのか、何を伝えたいのかが一切伝わってこない展開。
話の中身自体が悪いのではなくて、初対面なのにいきなり自分のプロレスにまつわるエピソードを語って、ひとしきり語ったら帰っていくような人に出会った感じです。
ドラマパートがいらないという評価もわかります。
個人的にはちゃんと前フリがあって繋がりがあれば、別に良いかなとは思いましたが。たった一言2、3秒ぐらいの前フリで良かったと思うんですよね。
ドラマパートに出演していた新日本プロレスの田口選手や後藤選手にはニヤリとしてしまったですし、俳優の安田顕さんもとても良かっただけに残念。
それでもドキュメンタリーとしての良さはある
全体的には結構綺麗にまとめているので、もっといろいろなエピソードを入れても良いと思いましたし、他にも様々なプロレス関係者の話を聞きたいという気持ちになりました。
そういう意味では、ドキュメンタリー部分はとても良かったなと。
ブラジルの部分などは、アントニオ猪木について語るテレビやYoutubeなどの動画と比べて、ある程度予感がある映画だからこそできたことだと思いますし、あんまり情報はないのですが、そこが逆にリアル感もあるし、単純なエンタメ作品ではないドキュメンタリーの良さだと思うので、個人的には好感触です。
あと、ナレーションを福山雅治さんがやっていて、それも非常に良かったなあと。
あまり主張のある語り口ではないのに、スッと言葉が入ってきて、映像の邪魔をしないのに、印章に残る感じ。
個人的に最後のエンドロールで知って、見返してしまいました。
という感じで、ドラマ自体が悪いわけではなく、ドラマへの繋ぎが少しあったら、非常に良い映画なのではないかなというのが個人的な感想です。
あと、映画「アントニオ猪木をさがして」の配信記念としてアマプラでアントニオ猪木 名勝負10選が公開されています。
個人的に生まれる前の試合などもあって、いろいろと興味深く、アントニオ猪木が好きならおすすめです。