ドラマ「僕らは奇跡でできている」の第6話で料理教室の話が出てきます。
そのときのやり取りが良かったのでメモとして。
ネタバレを含むので注意してください。
なぜ、嫌な気持ちになることを続けるのか?
主人公の大学講師 相河一輝と歯科医 水本育実のやり取りです。相河一輝が食事会に水本育美を誘ったら、水本育美は料理教室があるので無理と断ります。けれど、仕事が忙しくて一度も料理教室に行けず、イラッとしたり落ち込んだりしていると話し、だから次は絶対に料理教室に行きたいので食事会には行かないと言います。
その後のやりとり。
相河一輝「自分にイラッとしたり落ち込んだりしたりしたくないんですか?」
水本育実「はい。」
相河一輝「僕が水元先生なら料理教室は辞めます。」
たった、これだのやり取りですが、結構深いなと感じました。
というのも、自分も仕事がとても忙しかった時期にやりたいことができず、落ち込んだり、嫌な気持ちになったりしたことが多々あったからです。それを何とかしてやろうと、躍起になっていた時期があります。が、仕事でできなくて、イラッとするという負の連鎖に陥っていました。
振り返ってみると、確かに仕事が忙しいのは本当なのですが、何かしようとしないと死んでしまうように感じていたように思います。以前、生き急いでいると言われたこともあり、言い得て妙だなと。
なぜカメはウサギに声をかけなかったのか? で登場したウサギだったようにも思います。
なぜ、辞めるという選択肢を外していたのか、もしあのとき無理になんとかしようとせずに辞めていたら、もっと気分的には楽だったろうなと思います。
辞める勇気
人間は一貫性を求める生き物です。行動、発言、態度、信念などが一貫していないと気持ち悪くなるため、xxをすると言葉にすると、xxしないと一貫性が保てなくなるため、xxしようとするというわけです。
この心理を応用したマーケティングなどのテクニックがありますが、それは置いといて、この一貫性に自分自身が捕らわれしまいがんじがらめになってしまうことがあります。
それが今回の料理教室の話に通じるなあと感じました。自分自身を振り返ってみても同様に感じます。
ですので、自分が発言したことや、決めたことを辞めるというのはとても勇気がいることなのです。
イラッとしたり落ち込んだりしたりするのも、この一貫性が保てないからと考えられます。まあ、他にも心理学的なものがあるかと思いますが、個人的に考えたのはこの一貫性が一番しっくりくるかなと。
なんでもかんでも途中で投げ出すことが良いとは思いませんが、イラッとしたり落ち込んだりしたりしないために辞めるというシンプルな選択肢を残しておくことが重要なのかなと個人的には思いました。
有言実行は美徳か?
世の中では有言実行というのが美徳とされています。ただ、刻々と変化する現代においては、有言実行が正しくないことも往々にしてあります。というか、個人的にはほぼ正しくないのかなと思っています。
また、一度決めたことでも間違っていることに後から気づくことがありますよね。そんなとき、素直に謝ることができず、無駄に間違ったことをし続けてしまうということもあります。上司あるあるかもしれませんが、部下の方が正しくても上司は決して謝ってはいけないというのが、なんだか知りませんが、世の中の常識としてあるようです。
これは上司は正しい、つまり一貫性が無いといけないという概念に捕らわれすぎているのかなと。
本来上司がするべき仕事は、部下が気持ちよく仕事ができる環境を作ることです。勘違いされている言葉に報連相もありますよね。部下は報連相を徹底すべきだ的な話がありますが、正しくは部下が報連相をしやすい環境を作るのが上司の仕事なんですよね。
部下にやらせるのではなく、部下が勝手にやってくれる環境が最も理想的なチームの形。でも実現って難しいんですけどね。