評価
☆3/5
死を望む依頼人を安楽死させるドクターデスとそれを追う警察の話。主演は綾野剛さん、北川景子さん。
原作付きですが、映画化にあたってテイストがちょっと変化。本来、この作品では安楽死がテーマではありますが、エンタメ的な要素を重視したために、安楽死というテーマがかなり弱くなってしまいました。
個人的にはもっと安楽死に対する様々な想いや葛藤、考えなどを前面に出してほしかったかなという感じです。
テーマは良かったのですが、エンタメ映画としては普通の作品になってしまいました。まあ、いろいろと大変なところはあると思いますが。
特に安楽死については明確な結論が出ていないというのが現状ではあるので、どんな結論でも批判はあるでしょうからね。現状の法解釈でというのが安全策ではあります。
余談ですが、安楽死に関して言えば、アニメ バビロンとかが良かったですね。まあ、バビロンは安楽死というよりも、哲学における善がテーマなので、もっと大きな枠組みではあるのですが、かなり面白かったです。正義の教室という書籍も合わせて読むとかなり考えさせられます。
ネタバレありの話
これを読んでしまうと面白さがゼロになってしまうので、本編を観てからご覧いただければと思います。
個人的に本作で一番良かった点は、間違いなく木村佳乃さんでしょう。存在を殺す看護師の演技はとても素晴らしかったです。最初誰だかわからなくて、アレ?って思ったぐらい。
そのあたりが本作の作り手側の意図(よりミステリ風にしたかった)なのかなと思います。そのせいで安楽死というテーマが若干薄くなってしまったのかなと。
ドクターデスがただのサイコパスとして描かれているのも、そういう理由なのかなと思います。
確かに綾野剛さん、北川景子さんを使って、重い哲学的なテーマの映画にしてまうと、評価されないでしょうし、作り手側の苦悩はわからんでもないです。